2006年05月04日

「黄金伝説4」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 人文書院

(書きかけです)

ようやく、本当にやっとこさ、という感じですが黄金伝説全四巻を読破しました(拍手~)。入手するまでにだいぶ苦労して、最初は英語版をつまみ読みしていましたが、今年になって日本語訳をGET! 最後の四巻目は、毎晩一聖人か二聖人分ぐらいを読みつつ、なんとか全部読み切れました。

まあ、内容が面白かったから初めて可能になったという気もしますけどね。私的には一話完結の千夜一夜物語みたいな感じでした。一緒に並べていいのか?という問題は置いといてネ。

さてさて内容ですが、この四巻も結構充実しています。聖ヒエロニムスから始まって福音史家聖ルカ、聖カエキリア(聖チェチリア)、聖バルラームと聖ヨサバト(仏陀伝のパクリで有名なもの)、聖フランキスクス(聖フランチェスコ)など。聖人ではないですが、ここにはなんとイスラム教の預言者マホメット(マグメト)が採り上げられていて、当時のキリスト教会がいかにしてイスラム教を見ていたのか(=偏見と憎悪に満ちた表現が凄いです)まで分かります。

面白い物がたくさんあるので、いつものように抜き書きしてメモ。聖フランチェスコから
聖フランキスクス(聖フランチェスコ)。神のしもべフランキスクスは、ある時夢の中で、十字架にかけられたひとりの天使(セラビム)を頭上に見た。天使はフランキスクスのからだに磔刑の傷痕をはっきり押し付けたので、フランクスクス自身が十字架にかけられたように見えた。こうして彼の手と足と脇腹に十字のしるしがついた。しかし、彼はできるだけこの聖痕が人目につかないように苦心した。それでも彼の生前にそれを見た者が何人かあった。

アプリアにロゲリウスという名の男がいた。あるとき、聖フランキスクスの肖像の前に立って、このような聖痕を受けたというのは事実であろうか、それともそう信じられているだけの話であろうか、あるいは修道士達が作り出した絵空事であろうか、と心中ひそかに疑問をおぼえた。そんなことを思い巡らしていると、突然矢が弓から放たれるような音がして、左の手に深い傷を負ったような痛みを感じた。はめていた手袋にはわずかな破れもなかったので、手袋を脱いでみると、手のひらに矢が突き刺さったような傷があり、血が流れていた。そして、痛みと発熱の為にいまにも死にそうな気がした。ロゲリウスは、すっかり後悔して聖フランキスクスさまの聖痕を信じますと証言した。そして、聖人の聖痕に心からお祈りを捧げると、二日後には傷がすっかり治った。

聖フランキスクスは鳩のような素直な心を持っていて全ての生き物にたちに造物主を愛することを教えた。彼はよく小鳥達に説教した。小鳥達は彼の言葉にじっと耳を傾け、おとなしくなでてもらい、彼から許しがあるまでは飛び立とうとしなかった。あるとき、フランキスクスが説教をしているとつばめが鳴いてやかましかった。彼が注意すると、たちまち静かになった。

聖フランキスクスはたくさんの小鳥の群れに出会った。彼は分別のある人間に向かってするように、小鳥達に挨拶してこう言った。「羽のある私の兄弟達よ、心から造物主をたたえなさい。主はお前達に羽毛と飛ぶための翼、それに澄み渡った大空をさずけられ、おまえたちが何もしなくても生きていけるようにして下さっているのだから」すると、小鳥達は首を伸ばし、翼をはばたかせ、くちばしをあげて、一心に聖人を見つめた。聖人は彼らの中を通り抜けていった。服が小鳥達にさわったが、一羽もその場を動かなかった。そして、聖人が動いて宜しいと言うと、いっせいに飛び立っていった。

フランキスクスがアルウィウムの城で説教していたとき、城に巣をかけているつばめのさえずり声の為に彼の声がよく通らなかった。そこで彼はつばめたちに言った。「私の姉妹であるつばめたちよ、おまえたちはもう十分お喋りをした。今度は私が話す番だ。だから、私が主のお言葉を語り終わるまで静かにしておくれ。」すると、つばめたちはすぐに彼の言うことを聞いて、さえずるのをやめた。

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関連ブログ
「黄金伝説3」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 人文書院
「黄金伝説2」ヤコブス・デ・ウォラギネ 人文書院
「黄金伝説1」ヤコブス・デ・ウォラギネ著 前田敬作訳 人文書院
「中世の説話」松原 秀一 東京書籍

関連サイト
聖人にされたブッダ
lapisさんのブログで仏陀伝が黄金伝説に取り入れられたことに言及されている


posted by alice-room at 14:10| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 宗教A】 | 更新情報をチェックする
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