2006年05月08日

VLAD ブラド(2004年)マイケル・セラーズ監督

途中までは、史実に残るブラド公(=吸血鬼のモデルといわれたワラキア公国の串刺し公)の通りに描いていて、非常に期待をそそるのだが・・・。おっ、正統派のホラーかな?な~んて甘い期待は一気に崩れ去る。

いかにも現代風の学生達がブラド公の史跡を巡る過程で、いつのまにか15世紀のブラド公を甦らせてしまう。まあ、それはいいんだけど、思わせぶりな騎士団の生き残りのような連中は、なんの意味があるのか不明? もっとその辺りは複雑怪奇な陰謀論でも展開して欲しかった。

当初は史実にのとっていたので歴史的な新しい解釈なども期待するのだが、段々と話が進むに連れて安っぽくなってしまうのが悲しい。最後には、女性を誘拐して手篭めにするなどという頭の悪いおにいちゃんみたいなことをさせちゃいかんって! 風情がなさ過ぎる。これではアメリカ映画だ。まあ、そうなんだけどね。

中途半端な形で現代に甦らせるくらいなら、徹底した恐怖を撒き散らすモンスターとしての吸血鬼にすればいいし、そうでなければ、当時のブラド公の置かれたシビアな状況(身内や部下が裏切り、自分も捕虜として苦渋をなめた)を最大限に紹介して、非常にならざるを得なかった人間的な苦しさを表現しても興味深いものができたのではと思うのだが・・・。

まあ、特に後半のドタバタぶりがキツイ。前半は非常に雰囲気があって、良かっただけに非常に残念だった。

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posted by alice-room at 23:39| 埼玉 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 【映画・DVD】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
あさってTVで、テンプル騎士団の血。。。みたいなタイトルの2部作TV映画ドイツ物がかかるんですが、ドイツものはどうもなあ。。。。
ある孤児が修道院で僧に育てられます。彼にはたびたび見る悪夢みるのですが、それは彼の出生と関連しています。普通の現代風の若者ですが、ある時怪我を負うのですが、それが見る見るうちに癒えてしまう。彼を育てた修道僧は彼の生い立ちの事実を把握している人物で、実は彼を守っているのでした。僧は早速テンプル騎士団に彼の力が目覚めたことを告げる。。。。と言うのが前半らしい。かなり漫画で期待できません。がちょっと気になる。
Posted by seedsbook at 2006年05月09日 15:46
こんばんは。それもダ・ヴィンチ・コード便乗企画っぽいノリですね。テンプル騎士団をどういうふうに解釈するのかが確かに気になりますね?
でも、微妙?なカンジも確かにするかもしれませんね。

もし、気の迷い(?)でご覧になったらちょっとだけ教えて下さいませ(笑顔)。
Posted by alice-room at 2006年05月10日 00:33
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