2006年05月14日

ダヴィンチコードは『文化の橋』

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ダヴィンチコードは『文化の橋』
【クリスチャン・トゥデイより転載】
「ダヴィンチコードは隠された真実か?」「それともベストセラーを記録した架空の作り話か?」これは、米ジェームズ・ケネディ博士の新ドキュメンタリーテレビ番組「ダヴィンチの嘘」で今週末に焦点となるテーマだ。

 来週ついにダヴィンチコードが全米映画公開され、キリスト共同体の真実についての興味関心がピークを迎える。ダヴィンチコードはすでに44言語に翻訳され、4千万部以上の売り上げを記録している。来週19日の全米映画公開に先立ち、コーラルリッジ宣教会会長のケネディ博士は、「今後ダヴィンチコードの原作を読まずに映画に触れる人が数百万人以上出現することは間違いないでしょう」と警告した。

 米国で発表された最近の報告書によると、ダヴィンチコードによって気分を害したキリスト教徒らの大部分は、この映画の公開を禁止したいという考えを示していることがわかった。フィリピンのカトリック教徒らは、フィリピン政府に対してこのような「冒涜映画」公開を禁止するよう訴えており、インドのカトリック教徒らはインド政府がこのような映画公開に対して何らかの対策を取らない限り、「死ぬまで断食する」と発表したという。

 ベストセラー作家でジャーナリストのリー・ストロベル氏は、このドキュメンタリー番組の中で、「私は、このような映画によって、唯一天の御国へ行く道であるイエスキリストから人々を遠ざけることで、個々人がやがて神から永遠に切り離されてしまったと気づく日がやってくると考えます」と述べ、このような冒涜小説・映画が世界中の人々にもたらす悪影響を考えると、状況はとても深刻であるとの考えを主張した。

 このように状況を深刻にとらえるクリスチャンらに対し、米ウェスタンミシガン大学古代史学教授のポール・メイヤー氏は、「私は『ダビンチコード』に対して議論するとき、いつもキリスト教徒や宗教学者らに『落ち着いてください。この話はただのフィクションでしょう?』と言っています。そんなに深刻にとらえないで、もっと落ち着いて冷静になるべきです。今まで読んだことのある小説の中で、架空の登場人物とその背景には現実と一致したセッティングが行われているものは数多くあったでしょう。読者は、話はフィクションでもその背景にある事項は信頼できて正確である話を期待します。そしてそのようなことはダヴィンチコードに限らず一般の読者は小説を読む際に極々当たり前のことと捉えています」と述べた。 

 キリスト教徒らはこの小説で議論を醸している内容は、キリスト教の核心を突くものであると述べ、多くのキリスト教徒らは信者らに「ダヴィンチの津波」を恐れることのないようにと呼びかけている。

 "Fear Not Da Vinci(ダヴィンチを恐れないで)"というダヴィンチコードを信仰を保ちながら架空の話として楽しむために書かれた本の共著者スージー・フローリー氏は、キリスト教徒らにダヴィンチ本や映画のボイコット運動をしないように呼びかけている。

 フローリー氏は、「今までのところ、『ダヴィンチコード』に対して無知無関心の立場をとる信者からこの冒涜本の正体をすっぱ抜き、ブログやテレビ番組、聖書勉強会などで感情的になって反論をする信者まで実に同じキリスト者でも多様な反応を取る人々がいます。しかしこのような信仰の保持のためのあらゆる攻撃は効果をなしているでしょうか?世の人々はイエスとは誰か、そして聖書は信用できる書物なのかについて知りたがっているのです。ですから、ダヴィンチ本や映画をボイコットするかわりに、このようなキリスト教の核心的な疑問に対する答えに対してそれぞれ準備しておくべきです」と述べた。

 フローリー氏は全米で数百万人もの人々がダヴィンチ本を愛読し、さらに数百万人もの人々がダヴィンチ映画を観に行くという現代文化の現実を容認しており、キリスト教徒らにも、彼らに加わり、同じ土壌に立って、信仰を分かち合うようにと勧めており、「『ダヴィンチコード』は文化の『橋』の一つと言えましょう。神の栄光のためにも、進んで彼らと交わりましょう」と述べているという。

 コーラルリッジ宣教会によるテレビドキュメンタリー番組「ダヴィンチの嘘」は全米で13日-14日にかけて放送される。これは来るダヴィンチ映画公開に備えての放送予定日となっており、ブラウン氏の小説で宣伝されているキリスト共同体に関する誤った情報を正し、疑問に答える目的で作成されている。
そうですね、こないだのBBCで報道されてました。インドのカトリック信者が政府に映画「ダ・ヴィンチ・コード」を圧力をかけていた事件は。

このニュースで書かれていますが、影響があることは否定できないでしょうが、それをマイナスに捉えていても現実的な対応でないと思います。災い転じて福と為す、ではありませんが、宗教問題に関心の高まる今だからこそ、できることもあるような気もするんですが・・・。

そうでなくても、信者が減る一方で聖歌隊が維持できないとか、荒廃する教会の修繕費させ集まらないなどというニュースもキリスト教関連のメディアには出ていますしね。映画の撮影に協力したリンカーン大聖堂も教会の修繕費を捻出する為に、映画に協力してロケ地になったそうですし、いろいろと大変みたいです。

個人的には、これを機会に正統派の教会の教えにも関心が集まるのでは? な~んて思うのですが、甘いのかな? 昨日、本屋で見たら、いい加減なダ・ヴィンチ・コード便乗本や用語集・解説集が山積みだったからなあ~。
posted by alice-room at 18:08| 埼玉 ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 【ダ・ヴィンチ・コードB】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。こちらのサイトはダ・ヴィンチ・コードを軸に知的関心を立体的に展開していて興味深い内容ですね!

しかしいつもながら、教条主義的なキリスト教会の反応の「つまらなさ」は凄いです。たまには、知的好奇心を触発するような気の利いたバチカン秘伝の必殺技を見せてほしいものですが.....こんなんじゃ、映画『マトリックス』あたりから本格化した古代「異端」思想の復活・跋扈に対してまったく勝ち目がありませぬ(笑)

ところでalice-room様は、それなりにキリスト教保守本流思想に対しても寛容さを示しておられますが、実質的にはグノーシス的古代思想支持の立場なのですか?

http://hyperborea.seesaa.net/article/16323349.html
↑こんな按配で、二元論的な古代哲学復活ブームの次のステップの可能性としてボルヘス再評価というのがあったりするかなー、などと思ってMixiで問いを投げてみたところ、なんと、ボルヘス業界から異端哲学の復活を素直に喜ぶレスが一発でやってきたので「やはりそういう地下水脈があるんだ!」と多少驚いた次第です。

ではでは失礼致します~♪
 
Posted by 桜樹ルイ16世 at 2006年05月15日 00:07
桜樹ルイ16世さん、こんにちは。サイトお邪魔致しました。とても興味深いサイトですね(笑顔)。
ご質問頂きました点に答えると、私はバチカン図書館の中で本を写本を見せてくれるなら、カトリック信者になりたいというかなり不敬な輩です。心の底から、(キリストの)神の存在を信じられる人に憧れはあっても自分が信じられないものを偽るわけにもいかないので悩んでいるというのが正直なところでしょうか?

正統派に属しつつ、敵を糾弾しながら、敵を知るためにこっそりと異端の教義を味わい尽くすという立場に非常な魅力は感じるのですが・・・。

どこの世界も、どこの社会も同じでしょうが主流には情報が集まります。正統も異端も含めて『情報』が、『知識』が知りたい、そんな風に思っております。実際は、かなりの日和見主義者です。

奇跡をこの目で見ない限りは、何物も信じられない疑い深いトマスなのです。悲しい話ですけどね。そんなわけで毎日本を読んでいるというわけだったりします・・・。
Posted by alice-room at 2006年05月15日 14:01
>正統派に属しつつ、敵を糾弾しながら、敵を知るために
>こっそりと異端の教義を味わい尽くすという立場に非常な
>魅力は感じるのですが・・・。

これは同感です。本音であり同時にまた口実でもありますな(笑)

結局のところ異端教義(特に二元論的なもの)の魅力というのは、「地上の論理の延長」で「主流以上」に森羅万象の構造と存在意義をうまく説明できるように見える点にあるんでしょう。しかも、人間の動物的欲求を開放する道を隠し持ちながら.....

おほほ♪
 
Posted by 桜樹ルイ16世 at 2006年05月17日 07:10
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