あのさあ、これ番組表では『ドキュメンタリー』っていうけど、マジですか?これを本気でドキュメンタリーと主張するなら、フジTVから放送免許取り消した方がいいと思うんですが・・・。
だって、余りにも思い込みと偏見に満ちた番組だと思えてしまいます。そりゃ、ダ・ヴィンチ・コードの宣伝用であることは分かりますし、ブームに乗って視聴率を稼ぐ為に作っているやらせ番組でこの番組自体がフィクションとして楽しめばいいんですが、TVの影響力大きいからなあ~。ただ、ドキュメンタリーなんて書いたら、また誤解する人が続出しますよ、きっと!
普通にフィクションとして見る分には、いろんなダ・ヴィンチ・コード関連のものが見れて楽しかったけどね(笑)。私もそういうの嫌いじゃないし。「ダ・ヴィンチ・コードはいう・・・」というセリフがいっぱい出てますが、ダン・ブラウン氏はSF作家ですよ、元々。それが売れるように歴史物書いたら当たっただけです。宗教学者でも歴史学者でもないんです・・・。勿論、作家としては一流以上だと思いますし、作品は大好きですが、この番組の作り手の姿勢が、ひたすら面白くに徹し過ぎですって!
荒俣先生も魂を金で売って、分かってるくせに適当なこと言っちゃってるしなあ~。でも、視聴率とれただろうなあ~きっと。まあ、TVは視聴率取れればやらせでもOKなのは、NHKスペシャルも一緒だけどさ。でもねぇ~。
まあ、エンターテイメントに徹した番組に、敬意を表してこき下ろしますか(爆笑)。
最後の晩餐にマグダラのマリアが描かれていることを大前提に番組が作られていますが、この主張は論外。それ自体が受け狙いで、リン・ピクネットのおばちゃまが勝手に思い付きで自分の本の中に書いたのが最初かな? その本を読んでダン・ブラウン氏がネタにした経緯も有名な話。
コンスタンティヌス帝のキリスト教公認。うちのブログでも何度か触れてますが、実際はこんな感じです。
「当時の背景として新プラトン主義や軍の太陽神崇拝の進展でキリスト教的な唯一神を受容する抵抗感が薄れていた事、迫害に屈しないキリスト教徒を敵とするよりも味方に取り込んだ方が政治的に得策である事、コンスタンティヌスを神の恩寵を一身に受けた神の代理人として統治する崇高な君主とみなす、即ちキリスト教に皇帝権力をイデオロギー的に支える宗教としての役割を与えた事などがある。実際はそれらを考慮したうえでキリスト教公認は政治的計算によるとされる。」
マグダラのマリアが香油塗る行為。あれは『香油を塗布する』とは聖別することであり、それは即ち、王として祝聖することにほかならないそうです。結婚の儀式じゃないでしょう。誰がそんなこと言ってるのやら・・・?
シオン修道会&秘密文書。シオン修道会は存在していた事実が確認できず、秘密文書も捏造されたものと現在は一般的に考えられています。これらを扱ったBBCの番組も誤りだったと公式に認めています。
サラについて、黄金伝説読みましょうネ! サラはその黒い肌から、現在ジプシーの守護聖人として大切に崇められています。うちのブログでも稚拙な訳書いてますので、詳しいこと知りたい方はそちらもどうぞ。TVでやっていた適当な再現ドラマは勿論、田舎芝居ってことで。スターバード女史の根拠のない仮説についてはこちらをどうぞ。
「マグダラのマリアと聖杯」マーガレット・スターバード 感想1
シャルトルの黒い聖母。あれは、ケルト以来の大地母神を後にキリスト教に取り込んだもので、イシス系列だそうです。大地だから、黒いの。それとサラの結びつきって、黒けりゃみんな同じですか?ハイハイ、それでもいいですけどね。
「黒マリアの謎」田中 仁彦 岩波書店
最後のロスリン礼拝堂の彫刻から、音楽ねぇ~。昔流行りましたね、いろんなものに電流を流してその時の抵抗を音符に変換するとメロディーになるやつ。あれって、なにをやってもできるし、なんの意味もないんだけど・・・。まあ、これ以上は言うまい。
いちゃもんつけちゃいましたが、洒落で楽しむ分にはいいですが、あれを信じたら、えらいことになりますので御注意を!!
関連ブログ
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「フランスにやって来たキリストの弟子たち」田辺 保 教文館
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2006年05月20日
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ただ、TVであの説明のされ方を初めてされたら、誤解してしまう人が多いかなあ~って老婆心から書いちゃってるだけなんで、こちらこそ、恐縮です(御辞儀)。
>テンプル騎士団以外の部分もNational Geographic Channelの使い回しをしていました。
あっ、そうなんですか。そこまで気付きませんでした。パクッたのかな?(ニヤニヤ)
でも、あの映像は良かったですよね。そういう意味では見応えありましたよね。思わず、ロスリン行きたくなってしまいました。相変わらずミーハーです(自爆)。
CMのときにちらっと見たら、なぜか(?)ルルドの泉が映ってました。
でも、Curraghさんの見られていたのもちょっと見てみたかったかも?
ただ、ある程度はやらせとか、かなり作為的に面白く作られているのも事実みたいです。今回のも少数派の仮説と都合のいいところをつなぎ合わせた所があるように思いました。
でも、なかなか行けないし、見れないものの映像なんかも多かったので私も結構楽しかったです♪
あまり気を落とさないで下さいね。
って感じでした(汗)
入り口にはいいのかな??悪いんかな???
さすが、ここのページの考察の深さには頭が下がります!!。
私ももっと知識深めるように努力しなくては。
小説を読んでおもしろかったので、番組を見ましたが・・・。(映像は良かった!)
ドキュメンタリーでなく、映画の宣伝用番組としては十分楽しめました。
でも、TVを見て誤解した人が一杯いるでしょうね。
楽しければOKかも(笑顔)。
私もそんな大層なもんではないですよ、本当に。ただ、自分が何にも知らなかったので、思い切りはまって関連する本を読んでただけだったりしますのであまり誉めて頂くと恐縮しちゃいます。
ヨッシーさん>映像は本当に良かったですよね!割り切ってしまえば、本当に楽しめました。ただ、断定が多かったので少しだけ誤解が心配ですね。
またまた、TBさせて頂きました!
ここのブログでまたも学ばせていただきました!
ダ・ヴィンチ・コード、本当に面白いすごい小説ですよ!
本を読んでの受け取り方はそれぞれ自由。
自分の中で世界を広げればいいんだ~と思っています。
でも、TVで、誤解を招くような表現はね。。。
と、思ったわけなのです~~
天使と悪魔の映画化も決まり、そちらにもう関心が移りつつあったりもします(笑顔)。
TVとかは、微妙なところもありますが、みんなが楽しめればいいですね♪ 事実は事実と知ったうえで、推理ゲーム的な楽しみ方とかいろいろありますものね。