本屋でパラパラめくっていたら面白そうだったんでつい。でも高いよなあ~。まあ、英語のお勉強も兼ねて!
さて内容ですが、先日のTV番組のような、とんでもないダ・ヴィンチ・コード宣伝ものとは異なり、腐っても鯛じゃないけど、しっかりと説明してあります。
とりたてて珍しいものはありませんが、オーソドックスなダ・ヴィンチ・コードで書かれている内容って実際どうなん?っていう人やマグダラのマリアについて、ちゃんとしたこと知りたい(しかも楽してね!)人にはお薦めします。
マグダラのマリアがキリスト教で重要な地位を占めていたことを正しく説明しているし、グノーシス文献(マグダラのマリアの福音書、ピリポの福音書、トマスの福音書等)などでどう扱われているかも、それにべったりにならないである程度距離を置きながら淡々と紹介している姿勢も良いかも~。
マグダラのマリアが使徒の中で中心的な役割をしていた説明なども問題なし。教皇グレゴリウスがマグダラを娼婦と断言した時代的な背景の説明などは、私には目新しい話でした。あと、その後1969年にヨハネパウロ2世が正式にそれを撤回したことなどもきちんと書かれていてバランス良く書かれています。
イエスの復活後、初期キリスト教会の権力争いなどの説明のしかたも実に良識的。聖書から消されようとしていたその後のマグダラのマリアに関しての伝承で有名な「黄金伝説」の内容にもごく一部であるが、ちゃんと触れられています。
で、最後にはダ・ヴィンチ・コードで書かれている内容の虚偽について、12の項目を設定し、ダ・ヴィンチ・コードではこう書かれているが、現在、知られている事実はこうだ、という感じで短文ですが、回答しています。これなんか、ダ・ヴィンチ・コードを事実と誤解しそうな人にはいいかも?具体的な項目は以下の通りです。
1)シオン修道会って何?個人的には、知識の整理にはいいかなあ~と思いましたが、しかし、頁数に比して高いなあ~。まあ、英語の勉強になるから・・・と自らをなぐさめている私でした。
2)オプス・デイって何?
3)最後の晩餐でイスの右に座っているのは誰?
4)マグダラのマリアが磔刑後、ガリア(フランス)に逃げたのか?
5)聖杯って何?
6)テンプル騎士団とは誰?
7)コンスタンティヌスはイエスの聖性を強調した聖書を作った?
8)ピリポの福音書って何?
9)教会は階層を作る為に初期キリスト教における女性の役割を貶めたのか?
10)ロスリンって何?
11)六紡星の元は何?
12)ロスリン礼拝堂って本当にスコットランドにあるの?
TIMESかなんかオプス・デイの特集してましたよ。さすがにそちらは買う気しないけど・・・。
関連リンク
ニューズウィーク最新号の目次
これって、英語版のとちょっと違うのかな? タイトルがもう異なっているんですが・・・。微妙に日本語版と内容異なっている時があるんだよね、確か。
関連サイト
米誌が「マグダラのマリア」特集
天才ダビンチ最大の謎と秘密の暗号~最後の晩餐に隠した謎の女Mと消えた聖杯Vの正体
マグダラのマリア、映画で関心高まる
マグダラのマリア~「中世の巡礼者たち」より抜粋
「フランスにやって来たキリストの弟子たち」田辺 保 教文館
「マグダラのマリアと聖杯」マーガレット・スターバード 感想1
マグダラのマリア 黄金伝説より直訳
「中世の奇蹟と幻想」渡辺 昌美 岩波書店
日本語版NWのほうも、中身はおんなじです。原版記事にところどころ挿入されているちいさな囲み記事が省略されている以外、だいたい原文をうまく字数制限に合わせて訳出してあります。
自分も良心的な記事だと思いました。
映画評は、いつものことで、ほめたためしがないのであまり気にしなくてよいでしょう。
Timeも特集ですか。彗星の話題はすっかり影を潜めてしまったようですね(苦笑)。
でも、記事はほんと良心的な感じでしたね。
あの量で基本がおさえてあるのはなかなかのもんです。勿論、もっと&もっと知りたいですけどね。
オプス・デイ、確かtimeだったと思うんですが・・・記憶怪しいです。あの彗星の記事ってtimeだったんですか。へえ~、ネタ元を実は知りませんでした。ふむふむ。