
川口淳一郎 講演会 「はやぶさ」式思考法 紀伊國屋書店
【書きかけ、途中】
2011年3月3日に新宿・紀伊國屋ホールで行われた川口プロマネの『「はやぶさ」式思考法 日本を復活させる24の提言』の出版記念講演会です。
一応、有料ですがたった千円でお話が聞ける貴重な機会です。しかも職場が新宿の私には、仕事帰りに寄れて絶好の機会。日経朝刊で情報知って、速攻で予約して出掛けました。事前にはやぶさ好きの知人にも教えておいたので友人と一緒に。
会場は正直、古ぼけた田舎の市民ホールのようなちゃちなものですが、今回は実に貴重なお話を伺う事ができました。やっぱり、本物の関係者のお話は為になります。「百聞は一見に如かず」とは言いますが、「百読は一聞に如かず」(私が勝手に作りました)と言うところでしょうか?
既にはやぶさ関係の本は数冊読んでおりますが、直接川口プロマネのお話を聞いて、非常に刺激を受けました!
感銘を受けた点は多々ありますが、思いつくままにメモを。
1)座学は駄目。教科書には過去のことしか書かれていない。まずは自分でいろいろと考えてやってみること!本を読むのはそれからでいい。
2)ゴールの設定:100点を目指すのではなく、60点は100%取れる方法を考える。
3)技術より根性。
4)はやぶさと連絡を取れなくなってくると、出入りするエンジニアの人数が減ってくる。プロジェクトは終わっていない&継続していると思ってもらう為に、毎朝、ポットにお湯を入れておいた(ポットのボタンを押した時、水が出たら、プロジェクトは終わっているとみんなが思う)。
また、勉強会を以前よりも頻繁に行い、常に宿題を課した(やるべきことがある。プロジェクトは継続しているから)。
5)神頼み。どんなことでも出来ることは全て行う、ということと同時に(それ以前に)、なすべきことは全てやったということを自分自身で納得いくまでやり尽くしたからこそ、最後に神頼みする気にもなった。
6)明確に社会に役立つミッションの自覚、と同時に、『科学』に対する社会の希望・信頼を担う強烈な自負心。図らずもイトカワで弾を打ち出してサンプル採集をしたというニュースは、間違いで嘘になってしまったこと。
7)税金で行われていることへの責任感。客観的な実現可能な数字を出したうえで、会計年度も踏まえてうえでの行方不明になったはやぶさの探索を継続し、プロジェクトを継続し続けた判断と周囲への説明、働きかけ。
8)人材の育成。はやぶさの運用中にも、どんどん新しい人を入れて経験させていき、イカロスへと繋げていく。技術・ノウハウ・経験の伝承。
9)加点法の評価。はやぶさのプロジェクトの決定自体が画期的な加点法だった。
10)目標に向けた気の長い永続的努力。計画から実施までの15年以上もの期間。そもそも計画を実施可能にする諸条件が整うまで(イオン・エンジンの技術開発等)、一つ一つ問題をクリアしていく根気。まさに『技術の開発』。
11)はやぶさの持ち帰ったサンプルは一部だけ調査し、残りはそのままの状態で保管。今後、分析技術の開発が進んだ段階で、未来における調査資料としてあえて、現状のまま保管継続。
まあ、挙げればキリがありませんが、プロジェクト達成への情熱とその為に役立つことなら、どんなことでもする(今回の講演会のような広報活動も含めて)その徹底した合理的姿勢。しばしば聞きますが"Cool Head,but Warm Heart"という言葉を思い出しました!
どちらかというと、"Warm Heart and Cool Head"かもしれませんが・・・。
そういえば、人との出会いとか縁についても語られていましたね。
くだらない仕事をもらおうとか、コネ作ろうとかして異業種交流会とかで名刺を配る話ではありませんよ~(笑)。日々、一生懸命努力している過程で関わった人達が、期せずして、素晴らしいアイデアを出してくれて窮地を救ってくれたり、結果的に自分のミッションを成功へと導く助けとなったりしたそうです。
コンビニでジュースを買った時に、店員さんに掛けられた言葉「砂、入っているといいですね」も縁?(笑)
話を聞いていて思いましたが、何でもそうですがどんなプロジェクトでも周囲の人間を巻き込めないようなものは、成功しませんよね。リーダーの確たる信念と強烈な情熱、と同時にそれを周囲に広げ、共感を得ていけるようなエヴァンジェリストで無ければ、プロジェクトが成功するはずもありません。
その際には、信念や情熱といった熱い想いは必須ですが、それを納得させるだけの客観的な数値も当然必須でしょう。100%なんて、絵空事の数字では勿論ありません! そんなの有り得ないし、それが客観性のある数字なら、ルーティンであり、わざわざプロジェクトにする必要もないでしょう。
しかしながら、実際の場面できちんと数字を出せているのは少ないような気がしてなりません。やったことのないものであれば、当然、予測でしかないでしょうが、完全に前例のない(似た事例の無い)こともまた稀でしょう。一部であっても類似のもっとも参考になりそうなものから、諸条件を加味し、仮定のパラメーターはそれはそれと明示して、客観的に許容可能な範囲で、それでも数字を作ることは大切でしょう。
ケース・バイ・ケースでいささか信憑性に欠ける場合もあるかもしれません。ただ、それは不確定性の事象であること自体に起因するならば、止むを得ません。自分の主張にとって有利なようにしようとする恣意性が明確に排除されている限りは、その数字を許容して良いはずです。
また、それらを明示して数字による説明をするならば、リスクを分かったうえで支持してくる協力者が絶対に出てくると思います。今までの私の経験では、反対者も必ずいますが、賛成者も必ず誰かいます。
後は、その賛成者を一人でも多く増やす為に努力し、時間的経過と共に、反対者を減らして、様子見層を増やすというのもアリです。一部の賛成者(+)と意思表明しない層(0)と反対者無し(-)なら、
例えば 10人×(+)+0+0人×(-)⇒>0 【正】
プロジェクト実施可能になるかと思います。
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(書いてる間に時間経ったので続きはガラっと変わる)
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何度も事業仕分けの話が挙がっていましたね♪
はやぶさ計画の予算等の承認は、バブル崩壊後でも加点法の評価だったからこそ、達成できたもので技術開発は、1年とか短期的な視野では絶対に無理であることも指摘されてました。
大元のアイデアが生まれても当時は数々の技術的困難から、ずっと指をくわえて我慢していたわけですが、その間、イオンエンジンの技術開発やその運用に関するノウハウの蓄積など、根気良く一つずつ解決していくしかないわけです。巷で有名になった「二番じゃ駄目なんですか?」ってのいうのは、駄目なんですね。
新しいことを学ぶ時に、本を読むとか座学なんて駄目って!力説されてましたねぇ~。
まずは、やってみてそれから本を読むので遅くないって!
私自身もまずは、何でもいいので動くモノ作ってみて、それからじゃあ、どうすればより効率的に機能的に動くようにできるか?を考えるのですが・・・。
一応、人に教えるときもその姿勢でやっているのですが・・・ちゃんと意を汲んで伸びていってくれる人と、ネットで聞きかじった程度の知識でガタガタ話しているだけで行動が遅い、伴わない人など両極端に分かるような気がします。
今日も隣の人、口先だけで行動がお留守なので、時間がもったいないからさっさと動きなと言わざるを得ませんでした。あ~あ、いい歳して新人と同じような指示待ちって、何だろソレ?
同じような仕事をしているのに、もう一人の方は、ドンドン自分で判断して動いているのにねぇ~。
いかん愚痴っぽくなってる。
講演会後、友人とも話していて思いましたが、モチベーションを維持し続け、どんな状況下でも諦めずに目的の為に、冷静に判断して最善の手段を実行し続ける!
これは、少しでも見習いたいと思いました。
まさに『情熱』パッションですね。
先日、どっかのビジネスサイトでモーターで有名な日本電産の社長の記事、読みました。まあ、あれはワークホリック過ぎるかもしれませんが、どこかに通じる共通点を感じました。
出来ない言い訳を言うよりも、どうしたら出来るか、出来そうか? 何をクリアすれば、可能になるか?そういう方向性で話が出来ない奴とは一緒に仕事とかしたくないよね。
口動かす暇なら、黙って与えられた課題をこなせ、途中まででもやりもしないなんて・・・要らないんだけど・・・。全く・・・。
まずは、私もやることやらねばね。
それからだよ、先に向かってまだまだやりたい目標はいくらでもあるし、全然努力も実力も足りないしね。
さて、勉強してから寝ようっと。

講演会のチケット。

会場で本を売っていた時にオマケで配布していたポストカード。