2006年06月12日

「カルタゴ人の世界」長谷川 博隆 講談社

carutago.jpg私が買ったのは筑摩書房のハードカバーだったけど、学術文庫で出ているんですね。そちらの方が入手しやすそう。

去年、実際に行ってからもカルタゴへの興味は未だ尽きず、関連する本が目に入れば、折に触れて読んでいきたいと思っていたのでローマ史学で有名な長谷川氏の本だけにかなり期待をして読みました。

う~ん、きちんとした本であることは間違いないが、カルタゴの国政、政体を論じるばかりで歴史ファンが好きなカルタゴの英雄のエピソードとか、経済、社会、文化関係の話は非常に少ない。

もっともこれには理由があり、ローマによって徹底的に破壊され尽くしたと同時にあの異文化を吸収することに長けたローマがほとんどその文化等を採り込まなかったらしい。ローマの文献に残っているものもごく一部しか資料がなく、それゆえ学問的な研究も進まず、謎が解明されていないそうだ。

単なる歴史好きとしては、正直つまらない。確かにカルタゴとローマが地中海で派遣を争い、やがてそれが衝突してポエニ戦争になった。などというなんの意味もない説明ではなく、実はローマとカルタゴが争う以前は互いに相互の権益を冒さないように何度も条約を結び、共存共栄を一時は計っていたことなど、初めて知る事も多く、その意味ではなかなか面白い。

しかもあのローマより、カルタゴの方が以前は巨大な国家であり、カルタゴ主導でそれらの条約が結ばれていたなど、意外な感じさえ覚える。また、類い稀な経済力から傭兵を用いたカルタゴと国民皆兵のローマとの違いも興味深い。

でもでも・・・、やっぱり読んでいくとかなり辛い本。一般向きの本なのだが、一般人がこれで満足できるとは思わない。私には、つまんないところが7割以上だった。

やっぱりありきたりでもハンニバルの戦闘とかの方が面白いかも?俗物な私にはちょっと、苦行の本でした。
【目次】
1 カルタゴとローマとヌミディア(カルタゴ小史―政治の流れと社会
カルタゴ・ローマ条約(講座「歴史のなかの地中海」から) ほか)
2 カルタゴの国制(カルタゴの国制と支配構造(講座「ハンニバル、一」から)
カルタゴの民主政―古代人の目と新説)
3 ハンニバルをめぐって(カルタゴの民主化とハンニバル
地中海的な視野をもった政治家ハンニバル―カルタゴ・マケドニア条約(講座「ハンニバル、二(A)」から) ほか)
4 カルタゴ寸描(神と人と人身御供、とくに幼児の犠牲をめぐって ほか)


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posted by alice-room at 23:37| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史A】 | 更新情報をチェックする
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