
古書店を利用する理由としては、絶版で新刊では入手できない、価格が安いといった実利面もさることながら、新刊の書店ではそもそもそんな本があることさえ知らない本を見ることができるのが、一番の魅力だったりする。
たいていの古書店には専門ジャンルがあり、店主の性格や趣味嗜好を反映した本が揃っているのだが、いい本を集めている店は当然、その価値を分かっていて値段も高く付けているというのが実は痛し、痒しだったりする。
しかも自分が欲しい本に限って、値段が高かったりするのは嬉しいような悲しいような複雑な気持ちに襲われる。しかも古書の怖いところは、同じ本であっても保存状態が良い、初版だとか、種々の理由から手元に持っている本をまた買う羽目になってしまったりする。これが大変困りものだったりする。実は、私も黄金伝説の2巻なんて3冊あるし、英語のまで含めると・・・ああ~、アホかい?って自虐的な落ち込みに襲われる。
まあ、本を集めるというのは往々にしてそういうことになるのだが、中には人生の全てを読みもしない本を『所有する』、まさに宝石か何かを持つことに価値を見出して生きる人もいるのだが、本書は正直そこまでいかない。
さて、本書のお話。
たまたまプレゼントとして古書を送ったことをきっかけに古書店巡りにはまり、古書のオークションに参加したりするようになる、とある夫婦のお話である。ちょっと珍しいオタクの世界の入口までを紹介した本といったところでしょうか。本書に出てくる本も私には全く不要で興味の湧かない本ばかり(これは単に私が物を知らないということが理由にある)で、どうでもいいよ、ということもあり、感情移入ができない。
実際、どんなんだろう? この本は読み易いけど、いささか子供騙しのような・・・。ビブリオマニアの世界は、オタクを突き抜けて狂気の世界なのにネ。まあ、そこまでいくと誰もついていかないか(笑)。本に関する本なら、荒俣氏の「稀書自慢 紙の極楽」の方がはるかに面白いし、勉強になります。何よりも綺麗で見るだけで楽しい♪(ハードカバーの方)
この本も以前持っていたけど、素敵な人にプレゼントして今手元にないなあ~。そういえば、あちこちの女性にあげたり、貸してる本が結構あるなあ。どうしても綺麗な本や素敵な本は、気になる人にあげたくなるもんですね、ハイ。帰ってこないのも寂しいが、帰ってきた場合はもっと寂しい理由によるものもあり、複雑だったりします。まあ、人生いろいろありますね。
ど~でもいい話ばかりで恐縮ですが、単なる読書好きの私だってプラハの古書店で読めない本買ったり、旅行先では古書店を見つけるととりあえず中をチェックするんだから、この程度の本ではなんも感じないぞ~!
そうそう、浅草松屋の古書市の案内が来てたが、まだやってるかな? 夏は古書市もいろいろあるんだよねぇ~。散財しそうで怖い・・・。
古書店めぐりは夫婦で(amazonリンク)
稀書自慢 紙の極楽(amazonリンク)
関連ブログ
「古書街を歩く」紀田 順一郎 新潮社
「われ巷にて殺されん」紀田順一郎 双葉社
「古本屋さんの謎」岡崎 武志 同朋舎
「本棚が見たい!」川本 武 (著) ダイヤモンド社
「古書法楽」出久根 達郎 中公文庫
ナインズ・ゲート デラックス版(1999年)ジョニー・デップ主演