
全ての人に当てはまり、全ての人が意識するしないに関係なく、感じずにはいられない事(!)「=人生は思い通りにいかないものであり、不可避の出来事が必ず生じる」は、まさに人が生きているうえで否が応でも向き合わざるを得ないことだろう。
追い込まれた時や困難な時に、どう対処するかで平常時には分からないその人の真価が問われるというが、それは真実だと思う。これまでの過去の努力やようやく作り上げたものが一瞬にして崩れ去る、そんな時に過去を振り返らずに将来の希望を夢見て、なお努力をし続けていけるのか? これが一番難しい。
個々人の才能以上に、これがクリアできるか否かでその人が所謂『成功』するか、言い換えれば、素晴らしい人生を送れるかが分かれるところでもある。
人生には、いろんな出来事が起こる。自ら選んだ場合もあるし、外的に与えられて選択の有無を問わずにその場面に直面させられることもある。しかし、困難はそれを解消できない場合は、近視眼的にはマイナス要素以外の何物でもないが、いったんそれを克服することができると、それは次への成長への大いなる飛躍を可能にするステップになる存在に他ならない。
勉強にしろ、仕事にしろ、恋愛にしろ、問題が生じない方が稀である。というか、一生懸命に努力すればするほど、問題は起こり易くなる。何故なら、それがより一段階高いレベルに行く為に必要なことだからだ。私も何度かそれを実体験を通じて、実感したことがあるのに・・・何故か時々忘れていたりする。
問題に直面した時に、真正面から取り組む勇気があれば、人は常に前進していける。その人には、幸福あるいは成功以外のことがありえない。本書では、神というモノの存在との対比の中で描かれるが、神自体が問題なのではなく、自分が本当の自分であり続ける為に客観化の尺度としての神と言い換えてもいい。
本書も自分の人生に悩むことがあれば、是非お手にとってみることをお薦めする。自分で知っているはずのことであるが、人は時としてそれを忘れてしまうものだから、たまにこういったきっかけを持てるのは喜ばしいことだろう!!
私も自分なら何でもできるはずだと思い、困難に直面して乗り越えたことはある一方で、その困難に打ち負かされていることもしばしばある。自らの力を思いだすだけで、人は前進することができる。本書の中でも出てくるフレーズであるが、この事を自力で思い出せる人はとっても少ないのだろう。
私にも確かに誰にも負けずに出来る能力と努力はあるはずなのだが、それを意識できないでいたことを痛感した。本書を読み終わって感じたことは、自分が持っていた力を思いだしたい!! まさにそれに尽きる。
本書のストーリーとしては、神の啓示を聞いたエリヤ(聖書で有名な人物)が全てを犠牲にして、神からの役目を果たすべく行動する。彼の前には次々と問題が生じ、彼は自分の姿を見失うがやがて、彼は自分本来の姿と力を思い出す。彼は自らの力で前進を可能にし、彼は彼の人生もまた啓示の一部であることに気付くのである。
まあ、このままじゃいけないと思う人や、自分が何をすべきか戸惑っている人にも素晴らしいきっかけを与えてくれる本だと思う。まあ、読んでみるべし!
第五の山(amazonリンク)
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