確かにどこを読んでももっとも意見であり、まさに叩き上げで実績を残しているらしい、合理主義精神の塊なのですが、たいはんは納得するものの、正直全然面白くはない。
きっと凄い人物で直接接する機会があれば、絶対に面白そうな人物なんだろうな?と思うものの、この本を読んで何か刺激になったりすることは、何も無かった。
だって・・・合理的な故に、当たり前過ぎるから。
勿論、当たり前のことを当たり前に言えて、それを実践できるのは、立場のある人物故に非凡と言えば、非凡なのだけど、う~ん、別に私には刺激にならなかった。
本書を読むから、以前マーケティング担当してた時も市場調査なんて、はなから信用してなかったしねぇ~。だって、そんなので金とっている会社に限って、儲かっていないし、そんなのアテにして儲けられるのなら、みんながみんな儲けているはずだから・・・。
あと工場生産などで、個々の職人技に頼るのではなく、知恵を出す事で誰もが容易に、均一にできるようにして品質を向上させる話などもあるのですが、その具体的な部分がなかったりする。
抽象的過ぎて、一つ間違うと本書内で批判されているような概念論になってしまいそう?
その知恵を出し、それを形にしていくプロセスを体系化した "TOYOTA WAY" の方が私には目からウロコでしたけどねぇ~。
戦後らしいアプレ経営者といえばそうかもしれません。経営者としては、きっと凄いのかもしれませんが、どうかなあ~? 私も統制経済や軍人主義的な発想には、強い拒否感を覚えますが、民主主義(つ~よりも衆愚政治)よろしく責任逃れ会議のようなダラダラしたのは、大嫌い。
言い訳考える暇あるなら、さっさと一つでも行動しろ!って思うタイプなんで。
まあ、著者がいる会議ではそんなこときっと無さそうですけどね。むしろ、みんなが突っ走るかもしれませんが・・・・(笑顔)。
たぶん、言葉でどうこういうタイプじゃないと思います。行動で黙っていても示すタイプ。
そういえば、本書の中でも「信用」って言葉を説明されてましたしね。だからこそ、本書は個人的には前年に感じてしまう。
おそらく、本書よりも周りの評伝とかの方が、より真実を描き出しているのかもしれません。
個人的には、あまりお薦めしない本です。
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「トヨタ生産方式」大野耐一 ダイヤモンド社
「トヨタ」日本経済新聞社
「中国に負けていられない!日本発・最先端“生産革命”を見る」野口 恒 日刊工業新聞社