2011年06月05日

「勝手に絶望する若者たち」荒井千暁 

2007年の本なんで、この手のものが売れていたまさに、そのタイミングで出てた本。

内容は、産業医としての立場で著者が実際に経験した(ごく限られた小数)事例と、チラ裏的な雑誌や新聞等の関連記事、それ系の白書から、借用したものをベースにして書かれている。

但し、しばしばあるようにロスジェネ層に受けるような世代的な搾取やら、不当にむくわれていない等の立場を強調し、必要以上に煽ったり、その手の層に受ける共感を意識したものではない。淡々と書いている。

逆にいうと、何を言いたいのか不明。
一応は、職場の若者の離職をテーマにして、その理由を分析してどーたら、あーたらとか言ってますが、結論はなく、まあ、居酒屋でおっさんが集まって語るレベル。たぶん、うちらの同期の友達の飲み会での方が内容は面白い。


もう、ボロボロ人が辞めていくし(出来る人も出来ない人も)、中間管理職の友人は、みんな疲労困憊して擦り切れまくってますわ。通院や休職なんても普通にいるもんね。

まあ、知り合い以外のこの手の話は、聞く機会が無いので興味はあるのですが、日経系のwebで出てくる特集記事の方が正直、面白い。

同じサンプル例としての切り取りだと思っても、やはりあちらの方が料理の仕方が上手。独断と偏見であっても、(見かけ上は)それなりにロジカルで現況の問題点への分析、あるいは解決への提言的なものにしないと、記事にならないからね。

この本が出ていた頃は、私もちょうど30代でこの本にも対象とされる世代ですね。
本書で得ることは何も無かったですが、職場のOJT。個人的には限界を感じますね。

今の職場は幸い教えてくれようとしているし、聞けば親切に教えてくれる環境なので、その点、恵まれているものの、会社組織としては、問題が多いのはしかたないか。金融のベンチャーだからね。

直接の部下なら、辞めてしまっても仕方ないぐらいの覚悟で仕事を教えますが、直属の部下でなければ、それも難しいし、逆の立場なら迷惑極まりないでしょう。

まして、スタッフさんにそこまで要求するのは酷なんだと思うので、表面的なOJTしかやらないので、結果的に労働者としてのスキルも伸びないと思う。

休日つぶして、自分で勉強することを求めるのは、自分は新入社員の時から当たり前で未だにやってはいるものの、他人に強制できないしね。

結果的に、会社的にも労働者個人的にも、労働スキルは向上せず、社会的にも労働生産性の向上なんて難しいのが現代の日本だったりする。

ただ、いつの時代でもどんな会社や職場でも、個人的に自己研鑽をしている人は必ずいて、そういう人のそれ以外のスキル格差が増大していくのが社会的には問題のような気がしてならない。

仕事やその仕事での立場や役割を経て、初めて身に付けられるモノってあるしね。テキストを読んで得られる知識だけでは、仕事は出来ないのも事実。知識以外の集合研修で伝えられないものを教えるのがOJTだと思っていたが、今の時代は、どうやら違うらしい。

そ~んなことを改めて、感じたぐらいかな? 本書の効用は。

まあ、友人連中と飲みに行けば、もっと有意義な気付きもありますね(笑顔)。本書は読む必要無しかと。
【目次】
第1章 若い人たちの離職理由と「世代」
第2章 バブルに翻弄された世代
第3章 働くことと人材育成教育
第4章 未来を夢想するより、現在の直視を
付章 産業医からのメッセージ
勝手に絶望する若者たち (幻冬舎新書)(amazonリンク)

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ラベル:書評 労働
posted by alice-room at 21:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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