2006年07月24日

「侠子エクスプロージョン」山本夜羽 集英社

kyouko.jpgまず、メジャーになれないタイプの漫画。アングラ系、60年代や70年代に角棒持って理想主義的なことを口走っていた世間知らずの方々が地下に潜ってエロ雑誌に、妙に哲学的でアナーキーなエログロ作品を掲載していた時代の匂いがします(分かる人には分かるでしょうが、一般の人は知らんかそんなこと)。

実際、著者はバリバリの元左翼出身。確信犯的ではあるが、その作風には妙に惹かれてしまうのが困りもの。作品としては、著者の作品好きなんだよねぇ~。そこはことなく漂うイケナイ感じと、社会から冷ややかに距離を置いた視線がなんとも、ハマル。

ただこの手の漫画は、社会悪なんだろうなあ~きっと。思春期にこんなの読んでると確実に精神を病むよ。病んでる人なら、「同類相哀れむ」でいいのだろうけど。

一応、ストーリー的には女子高生の「始末屋」が社会の裏のトラブルの強制解決を図るわけですが、まあ、人には知られない巨大な悪の組織と対立っていうのは、まさに漫画ですなあ~。リアリティはありません。

おまけに悪が成敗されて満足、といった勧善懲悪的なカタストロフィーも味わえません。後味の苦味があとをひくタイプ。救われないなあ~。そういうのがお好きな方どうぞ! まともな方は、読まないほうが幸せな漫画です。

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posted by alice-room at 01:26| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 【漫画 アニメ】 | 更新情報をチェックする
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