このシリーズ悪くはないのだが、テーマの好き嫌いに左右されてしまうのは止むを得ないところですね。自分の趣味にテーマがあれば、結構イイんでけど・・・。
内容はタイトル通り、キリンが世界中にどのようにして伝えられ、どのように受け入られていったかを数々の絵画や文献資料などを元に博物学的に展開したお話です。
まあ、この本を読んでいて気付いたことをメモ。
キリンの生息地としてエチオピアがあるが、昔はインド自体が明確に地理的にも認識されておらす、エチオピアと混同された結果、キリンはインドに生息すると思われていたそうです。こんなことかな? さてさて他に何か面白そうなテーマはあったっけ?
キリンをヨーロッパに最初に持ち込んだのは、カエサルの時でその後の中世ヨーロッパでは、キリンは失われた知識に属する存在で誰にも知られていなかった。それがあらゆる知識がアラビア人経由で入ったきた際、キリンに関するものもヨーロッパにやっと入ってきたそうです。キリンを表すgiraffeもアラビア語由来の言葉なんだそうです。
そうそうエチオピアからキリンがしばしば連れて来られた訳ですが、これってあのプレスター・ジョンと連絡を取ろうとして人を派遣した事ととも関連しているそうです。こういう結びつきも色々知っていると、別な意味で興味深いですね!
【目次】キリン伝来考(amazonリンク)
1章 キリン
2章 古代エジプト
3章 エジプト以外のアフリカ
4章 アラビアとペルシア
5章 中国
6章 インド
7章 古代ギリシア・ローマ
8章 コンスタンティノープル
9章 ヨーロッパ中世
10章 ルネサンス時代
11章 十九世紀およびそれ以後
関連ブログ
「スキタイの子羊」ヘンリー・リー ベルトルト・ラウファー 博品社
国立国会図書館「描かれた動物・植物」展
「怪物誌」荒俣宏 リブロポート(図版13枚有り)
「バロック科学の驚異」 荒俣宏 リブロボート(図版3枚有り)
「かわら版 江戸の大変 天の巻」稲垣史生 平凡社
「エチオピア王国誌」アルヴァレス 岩波書店
「大モンゴル 幻の王 プレスター・ジョン 世界征服への道」 角川書店