
もっとも異界とか魔界なんてタイトルにつくと、薄っぺらな情報を偏向した視点から誇大に強調して取り上げた本も目について食傷気味になりますが、本書はその点、非常にバランスがいいです。
歴史上、正統派的な伝承を淡々と紹介しながら、歪曲することのない情報に基づいて過不足無い量の写真とともに紹介してくれます。8割以上はさすがに知っていることでしたが、1割ぐらいは私も初めて知ることもあり、勉強になりました。まあ、多い時には年に3回も京都行ってるんだから、当然か(笑)。来週もまた行くんだし・・・。
ここで紹介されているスポットも9割まではいかないまでも8割以上は、実際に行ったことのある場所でした。晴明神社、貴船神社、祟道神社、神泉苑、大将軍八社、船岡山、玄武神社、今宮神社、上御霊神社、一条戻橋、下御霊神社、京都御所、鳥辺野、三年坂、六道珍皇寺、将軍塚、野宮神社、化野念仏寺、鞍馬寺、伏見稲荷等々。
まあ、基本でしょう。荒俣氏や夢枕獏氏でなくても、これぐらいは抑えておいてもね。学生時代にほとんど行ったとこばかり。京都でデートした思い出は、ずいぶんと昔だったような・・・(寂しい)。
こういう裏面的な歴史上の有名スポットを巡る観光も楽しいもんです。今昔物語とか持参して読書しながら旅するのも楽しいですよ~。予備知識なくてもそこそこ分かるように、丁寧に説明してありますから入門書としてもいいかも? ある程度京都旅行に慣れた人でも、それなりに楽しめる内容です。これと「歩く地図」でも持っていれば、歩いて楽しむ観光には、十分じゃないでしょうか?
と言いつつ、もう何冊か京都と奈良の本は、仕入れてあるのだが・・・。あ~、今週のどうでもいい仕事なんか投げ捨てて早く旅行に行きたいな♪♪
京都・異界をたずねて(amazonリンク)
関連ブログ
「錦絵 京都むかし話」浅井収 蝸牛社
「日本妖怪巡礼団」荒俣宏 集英社文庫
祟徳上皇(or 祟神天皇陵)にまつわる不思議な話
わたしは前に、早良親王の怨霊のはなしがおもしろくて長岡京あたりを歩いてました。
京都はこういう視点から見て歩くとすごく楽しいですね。夏の京都はとても歩く気になれないので、秋になるのを待っています。
早良親王も濡れ衣っぽい話ですし、祟道上皇の話なども骨肉を争う身内であるとともに表面上は親子でも、実は兄弟ですからねぇ~。
どこを歩いても何かしら、伝承やら由来やらがある、そんな歴史と現在が重なっている都市って好きだったりします。単純に観光だけなら、奈良の素朴さの方が良かったりもしますが、京都も捨て難いんですよねぇ~。
盆地特有の暑さで誰もいない中を、貸し切り状態を求めてさ迷い歩く・・・例年の私の行動パターンだったりします。あっ、だから天邪鬼とか言われてしまうんでしょうか(自爆)。
春も好きなんですが、来年の桜にはまた行けるかな???