2011年09月09日

「派遣のウラの真実」渡辺雅紀 宝島社

う~ん、個人的にはかつての友人と話していてよく話題になる、『派遣』という形態になることで本来もっと評価すべき人が適正に評価されない弊害や、同一職場に長期に継続して働くことで自らも職場外の時間に自己啓発というか、自主的に勉強していることの意義を持たせることなど、そういった問題に関心があって手にした本ですが・・・。

あまりに・・・・特殊な話で内容がありませんでした。

要は昔の女工哀史みたいなもん? 
つ~か、本人確認しないで雇用? 稼いだ金はギャンブルで使って、前借り有り。
前科者、薬物中毒やらって、もうそもそもまともに雇用する対象外ではないかと・・・。

雇用する企業側も、雇用保険無し、健康保険無し、年金無し等々、全て法律違反だろって。

そりゃ、そういうのが現実にあるのは分かりますが、それがいわゆる派遣労働の問題ではないでしょう。

手配師に連れて行かれて、タコ部屋に住み込みで働くとか、そういうレベルの特殊な話をあくまでも個人的な経験で、書き連ねています。

それはそれで問題ではありますが、なんか違うでしょう。

というか、友人とよく話題になる限りでは、関連会社から来た人に仕事を教えることでその人がその職場を離れてもグループ企業内にノウハウの蓄積&伝播が可能になり、トータルで企業グループ全体での労働力の質の向上につながる・・・そういうのがかつてはあったが、現在は、それが成り立たないような仕組みになってしまっている。

また、そうでないとコスト削減要求に対応できない・・・という現実がある、それこそが問題だと思うのですが・・・。

ベンチャーで働いた経験が多かったので、研修制度どころか、その意義さえないがしろにされがちなところも多かったですが、それでも個人レベルや一部の部署レベルでは、研修や勉強会等を自主的に実施し、ノウハウの共有や習得に努力している人達もいるんですよね。

今、勤めているところもそういうのは、非常に弱いなあ~。
少しずつでもそこは草の根的に、改善していければと強く思います。

ただ、本人がやる気がない場合、勤務時間内に勉強する時間を与えても「寝てる」(←マジ)人がいたので、だったら、単純作業をやってもらっていた方がいいかなとも思ってしまいます。
それもあって、最近、人に教えることを減らしつつあるのはいけない傾向ですね(反省)。

だいぶ、話はそれてきましたが、本書は特殊且つ旧態以前の手配師による労働者斡旋レベルの話なので、それを理解しない限り読む価値はありません。出版社さんがセンセーショナルなテーマで目立つことに長けた宝島さんなので、大袈裟にこの手のをブームに乗って出した、そういうった内容の本です。
【目次】
第1章 使い捨てにされる派遣社員
第2章 派遣社員の犯罪と現実
第3章 違法に走る派遣会社
第4章 派遣会社が抱える悩み
第5章 派遣村だけではない甘い行政
おまけ もしも貴方が派遣切りに遭い職もお金も住む場所もなくなったら
派遣のウラの真実 (宝島社新書)(amazonリンク)
ラベル:書評 新書
posted by alice-room at 11:29| Comment(1) | TrackBack(0) | 【書評 未分類B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この度、私の本の書評を書いていただきありがとうございます。辛口なコメントもありますが、今後の参考にさせていただきます。
Posted by 渡辺雅紀 at 2011年11月09日 08:27
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