2011年09月09日

「銀行員諸君!」江上剛、須田慎一郎

バブル時代を経験したみずほ銀行(旧第一勧業銀行)の人物の経験談。

著者は本店の広報部で金融不祥事を経験した後、支店長を務めた後、現在は作家。また、当時、付き合いのあった金融ジャーナリスト。

まあ、当時、どこでもやっていた話と本文中に書かれていたが、私が学生時代、金融ビジネスとかにも嫌ってほど、出てましたよねぇ~。住友銀行の先進的なところとか。野村と住友だけは、絶対に行くまいと思ってましたもん(笑)。

まあ、メガバンクのドタバタぶりが象徴的に描かれていて、面白いというと面白いけど、会社の為といいつつ、それなりに倫理に反する、つ~か人として駄目だろ的なことやってますよね。

現在だったら、絶対に捕まってますぜ!!
それをもう時効だからと、いきようようと本にまで書いちゃうのはいかがなものかと?
まあ、証券のおえらいさんのお話を聞いたことありますが、それなりに酷いことやっていますが、それはあくまでも内輪の飲み会の話。

外でするのって、論外じゃね?!
まして、退職後であっても広報や総務経験者は死ぬまで内密にすべき義理があるだろうに。結構、こいつら人間のクズって感じもする。公正取引委員会にチクレや。

自分はこうしたああしたという自慢話はあるが、会社という大組織で一個人が自由に動けるというのは、それをサポートし、責任を負ってくれた人物が必ずいるわけでその人への恩義をどう思っているのか、正直、聞きたい気がしないでもない。

業績の悪かった支店の成績を上げたとか、あえて支店の成績を落としてでも不良債権の処理をしたとか、貴方一人だけがやったことでしょうか? それ以上に、バンカーとしての良心を持って、行動していた人もいるはずです。そうじゃない人が圧倒的に多かったにしろね。

どうしても営業の方にありがちな自慢話に聞こえるのは、まあ、私の小心なひがみ根性かもしれませんが、でもそうまでして銀行を良くしようとして、上の人も逮捕されたり、自殺したりした後に何故、最後まで残って銀行の改革を進めようとしなかったのか?不思議です。

それだけのことをしたんだから、首にされる以外の理由で自分から、投げ出していいとはとても思えないのですが・・・???

改革はポジション的に難しかったのがあるのでしょうが、最終的に作家に逃げて、しかも銀行時代の悪事をさらして金稼ぐって、人として酷いような気がしてなりません。

その当時、銀行に便宜を図ってもらって(=癒着して)記事にすべきところを、適当にやってたマスゴミの悪しき点もいっぱい書かれています。

業界に張り付いているマスコミの連中はみんなそうですからね。社会的正義やら公正なんて、声高に主張する連中で、それに値する行動をしてる人なんて、まずいませんから。

本書の著者の一人の方も、平気で癒着しているのを当然と思っているのはおかしくない?
何故、一銀行員の自宅で酒出してもらって飲むか、こいつらは?

まあ、民間で接待が大切なのは分かってるし、その辺の事は知っていてあえて私も批判してますけどね。個人的には、決して業者からは受け取らないで生きてきたから。

そういうのは大嫌いなんで!

まあ、銀行は今もこれと変わらないところが多々あると思います。みずほのこないだのシステムトラブルなんて、もうどう考えても終りかと。

何度も起こしている再犯者で悪質過ぎるし・・・。

いろいろと読んでいて、クリエイティブでないのがやはり銀行なんだなあ~と心底思いました。常に新しい顧客サービスや企画を考えるのは、普通の企業なら当然なんですけどね。

同じ金融で銀行でも、全く仕事の役には立たないし、反面教師にもなりませんが、この作家さんの本は読まないようにしようと思いました。

以上。
【目次】
第1章 金は簡単には貸さなかった―江上剛、銀行に就職する
第2章 全ては六行で決めていた―江上剛、本店に勤務する
第3章 みんな呪縛をかけられていた―江上剛、広報部に移る
第4章 開店時には入り口に立つ―江上剛、支店長になる
第5章 もう一度、原点に返ろう―江上剛、銀行を去る
銀行員諸君! (新潮新書)(amazonリンク)
posted by alice-room at 11:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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