2011年09月10日

「ソフトウェア開発の名著を読む」柴田芳樹 技術評論社

ほとんどプログラミングやソフトウェア開発の教育らしい教育を受けておらず、また、それでいてOJTのみでシステムの発注者や開発者をやってきちゃってる私には、この手の基本知識が一番欠落しており、絶対にどっかで我流であっても勉強しておくべきことだと痛感していました。

先日の応用情報技術試験(AP)も、まあ、他の職場必須の試験を優先した為、2・3割しか問題集を解かずに受け、見事3点足らずに落ちたのですが、いかに基礎的な知識が不足しているのかを認識させられました。

テストだから、勉強しないと一定の点数は取れないのはTOEICとかと同様ですが、情けない限りです。

一方、その手の資格試験の業界的な一般知識と共に、本書で紹介されるような古典ともいうべきより汎用性の高い原理原則というか定番物もしっかり身に付けておきたいです。

おそらく知らなくても仕事って出来るものなのですが、この手の基本をしっかりとやった人とやらない人って、絶対に後々差が出てくるんだよね。temporaryな小手先の対応に追われ、本質を無視したままで改修を繰り返しても進歩は無かったりする。

気付かない人は気付かないけどさ。

常に、本質を分かったうえで、その時々において、場合によっては小手先で対応することがあっても、次の機会へ必ず繋がるように意識して仕事をする人とそうでない人は、当然、成果に違いが出るんだよね。

ただ、得てしてそれが顕在化して、認識されるまで時間がかかり、その間、余計に手間をかけるので一時的に生産性が停滞 or 低減しちゃうことさえあるが、それでもそれをやり抜けるか否かが、やっぱり他人より突き抜けられるかどうかのcriteriaのような気がする。

まあ、私の場合は、それ以前に一般的なシステム関係の人に追いつくまでまだいってないのが正直なところなんだけどね。別にシステムになりたくもないし。

私が目指すのは、あくまでもシステムを利用して、経営目標を達成するだけの成果を挙げる新しい仕組み作り、だったりする!

さて、本書ですが、そういう私の目標にはピッタリだったりする。んっ?最適かも?

各本の内容から、章立ての構成。
更に章毎の内容説明まで、非常に詳しく、また分かり易くなっています。

著者が実際に読み(原書で読んでいる点も当然ながら、評価高いです。翻訳は誤訳も多いからね)、そして熟読したうえで、読む際のポイントまで説明してくれて、実に良心的な感じがします。

紹介している本の数も適切で、相当絞り込んでる感もあります。

まずは、ざっと目を通し、興味があるものから読んでみようと本気で思いました。
(まあ、10月の試験が終わってからになるけど。)

そして、日本語の本が良かったら、今度は原書で読んでみたいですね。どうしてもシステム系の本は、原書じゃないと情報遅いし、日本語訳待ってたら、手遅れですから・・・・。

いやあ~実に楽しみです。基本をしっかり身に付けたい方や、更に一歩、先に進めていきたいという向上心のある方には、本書は素晴らしい案内役になりそう・・・。
(というのは、実際に、本書で紹介されている本を読んで、更に本書の価値が分かるかと思いますので)

現段階では、個人的にお薦めです。
【目次】
第1部 ソフトウェアは「人」がつくる
『プログラミングの心理学』ジェラルド・M・ワインバーグ(毎日コミュニケーションズ
『人月の神話』フレデリック・P・ブルックス,Jr.(ピアソン・エデュケーション)
『ピープルウエア』トム・デマルコ/ティモシー・リスター(日経BP)
『デッドライン』トム・デマルコ(日経BP))

第2部 実践する開発者
『ソフトウェア職人気質』ピート・マクブリーン(ピアソン・エデュケーション)
『達人プログラマー』アンドリュー・ハント/デビッド・トーマス(ピアソン・エデュケーション))

第3部 読みやすいコードを書く
『コードコンプリート』スティーブ・マコネル(日経BPソフトプレス)
『プログラミング作法』ブライアン・W・カーニハン/ロブ・パイク(アスキー))
ソフトウェア開発の名著を読む (技評SE新書 003)(amazonリンク)

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posted by alice-room at 01:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
拙著を読んでくださり、ありがとうございます。

今後も、よろしくお願いいたします。
Posted by 柴田芳樹 at 2011年09月13日 03:51
柴田さん、初めまして。
コメントどうも有り難うございました。

学生時代勉強していたことがファイナンスで、当初、総合電機の情報システム部にいたものの、その後はデータベースマーケティングでDBをいじっていたりと、ソフトウェアに関する常識が足らない私には、今後の勉強の良いガイドブックとなりそうです。

1冊づつ、関心のある本から読んでいければと思っております。
Posted by alice-room at 2011年09月13日 22:35
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