2011年09月18日

「エチオピアのキリスト教」川又一英 山川出版社

etiopia.jpg

以前から、エチオピアのキリスト教や世界遺産には大変興味があったので、実際に行った人の体験記ということで読んでみました。

旅行記としては、確かに一定の価値はあるのでしょうが、正直勉強不足を強く感じてなりません。

著者はエルサレムでキリスト教の宗教儀式を見ていて、他のキリスト教宗派とは明らかに異質な舞踏や楽器の演奏を伴うエチオピアキリスト教に関心を持ったといいます。

でもね、本書で書かれている内容は、そのまんまグラハム・ハンコックの「神々の指紋」で述べられたポイントを焼き直し以上の新しい文章、情報、知識は皆無に近いです。

行った、という行動記録以上には、全く価値がありません。

シバの女王の話やケブラ・ナガスト、タルムードにユダヤ教のファラシャのことなど。
もっとも今はイスラエルの受け入れ政策の結果、ファラシャがほぼ全員がいなくなっていることなどは、初めて知りましたが、後はほとんど書かれていて知らない事無かったりする。

ということは、事前に著者が調べたうえで積極的に行動し、調査することが無かった訳であり、ただガイドに案内されて観光旅行+α程度しか無かったことを如実に示している。
まあ、出版社が企画して費用持ちのものに乗ったのかもしれないが、正直、バックパッカーの旅ブログ以上の価値は無かった。残念!

やっぱり自分で行き、この目で確かめるべきなんでしょうね。

もっと知りたい!!という寝た子の欲求を読み覚ますことになりました(笑顔)。
ツレを連れていくのは、さすがに無理そうな国だから、一人で行ってこうようかな?
【目次】
「失われたアーク」を求めて―首都アディス・アベバ
夜を徹した祈り―古都ラリベラの降誕祭
タナ湖に眠るアークの記憶―青ナイル源流のエチオピア最大の湖
黒いユダヤ人を訪ねる―ファラシャ族の集団移住
ティムカットの祝祭―最古の古都アクスムのタボット
エチオピアのキリスト教―思索の旅(amazonリンク)

ブログ内関連記事
「エチオピア王国誌」アルヴァレス 岩波書店
「神の刻印」グラハム・ハンコック著 凱風社
NHK世界遺産100 高原の巡礼者 ~ラリベラの岩窟教会群~
「聖母マリア」 竹下節子著 講談社選書メチエ 覚書
「シバの女王」ニコラス クラップ 紀伊國屋書店
「黄金伝説2」ヤコブス・デ・ウォラギネ 人文書院
posted by alice-room at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 宗教B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック