2011年09月24日

「勝ち組SE・負け組SE」岩脇一喜 洋泉社

タイトルからして、薄っぺらなものを想像しつつ、時間潰しに読んでみた。
実際10年前まではいかないものの古い本です。

ほんの一瞬だけ花形になった『SE』という職について、どうでもいいことを書いてます。

粗製乱造で質より量で大量に生まれたが、今後は新規開発が減るから保守がメインになってくる、するとモチベーションが上がらないけど、開発復帰を目指してどうたらこうたら・・・と、発想がお年寄り過ぎ。

そりゃトレンドは誰でも分かるし、価値はあまりないんだけれど、実際、予想通りの推移である点では著者も正しく将来予想をしていたと言えるかと思う。

でも、それだけの話。
SEが単なる技術職ではなく、ビジネスマインド(経営的・管理的視点)を持った専門職にならなければいけない!というのは、まあ、何十年も前から言われている話で当たり前過ぎて、コメントのしようがない。

あとね、そもそも著者は根本的なところで勘違いしています。
技術力に絶対のプライドを持った「職人」になれ。とか寝ぼけたこと言ってますが、企業という組織でそんな人が必要でしょうか? 研究職じゃないんですよ。

自分でなければ、仕事がうまくいかないぐらいになれ、とおっしゃいますが、それこそ経営的視点でいうと自分がいなくても業務が回るように下を育てていない時点で管理職として無能だし、仕事を属人化しているのは、組織自体にも大きな欠陥のある状況という認識がないらしい。

システムトラブルで海外に急遽飛んで対応したというが、さも自分を仕事できる人と勘違いしているけど、そんな風になること自体が駄目駄目ジャン! 

組織でたくさんの人が関わるプロジェクトでそういったトラブルを予想し、現地で対応できない場合は、リモートで対応するようにしてるのは、当たり前だと思うのだけれど、それでも対応できずに最悪の解決方法で対応していることを、ご理解していないようだ。この人発想自体がおかしい。

また、著者はSEとして、システムのあるべき姿を描き、その為に努力し、また自己の主張を認めさせることで成果を挙げてきたのでSEはドンドン自らシステム像を描いて、それを周囲に押し付けることが正しいというが、はたしてそうだろうか?

システム屋さんが主張するのは、最新の技術やツールを利用した技術的に面白いものであっても、コストに見合った成果が出ないものの方が圧倒的に多い!!単なる自己満足なんですよ、実際に現場でみると。

現実、技術偏重で職人気質(と勘違いしている痛いシステム屋さん)の人が中心になって作ったシステムは使えないものが実に多く、現場からも使われず、ゴミとなっているものさえ、たくさん見てきた。

だからこそ、情報化投資は削減する、といった潮流が大いに流行ったのは記憶に新しいところです。

技術なんて道具に過ぎず、目的に資する為の道具であり、人海戦術の方がコスト安ければ、システム化は柔軟性が犠牲になるだけで単なるコスト増の投資であることを分かっていないように思えてなりません。

幾つかいたベンチャー企業では、金の計算のできないシステム屋は要らんし、無駄だとよく言ってましたよ。たいてい聞いてみると、高くて新しいだけで、自分の趣味で新しいおもちゃが欲しくてシステム導入しようとするSEとかで、痛い目に合ってる企業経営者、ザラにいますからね。

経営目標があり、それを達成する為に最適な仕組み(システムに限定されず、ありとあらゆる経営リソースを対象に、最小費用で最大効果を狙う)を選ぶ、その過程で必要ならシステムも考慮に入れる。

それが、本来のシステムのありようだと思うけど、最初にシステムありきってなんか勘違いしてません?
SEがそれを描くのって、間違いだと思うけど、勿論、現在の延長線上でより良い仕組みを想定して準備や勉強をするのは当然だし、良いと思うのですが、本書には根本的なところで違和感を覚えてならない。

SEが目指すべきは、『職人』ではなくて高い専門的技術力の裏付けがあり、経営的判断可能なビジネスマンである『プロフェッショナル』だと思うんだけれど・・・・。

向上心は大切だし、必要だけれど、個々人が自分の与えられたポジションで、期待される働きを100%こなすことが、一番重要だと思うんですけれどね。

他人に決められず、自分で何でも決める!
また、周囲にそれを認めさせるだけの力量を持つ。

はい、確かに著者の主張は一面憧れますし、良さそうに見えますが、組織としてはどうなんでしょうかね?
貴方の為の会社ではありませんし、会社で使える範囲で必要とされているのが従業員個人です。

ちょい頭の中は、お花畑ちゃんのようでした。

まあ、本当に凄い技術力がある人ならば、技術者としての仕事を死ぬまでしていると思いますが、著者さん、経歴を見る限り、技術力がほとんど必要なさそうなお仕事を執筆当時、されていたようですが・・・。

SEでもない、事務職の私が言っても説得力ないですかね。
以前は企画屋さんで、今は事務屋さん片手間プログラマーで、中途半端なことこのうえないしなあ~。

ちまちまと機会がくるまでは、力を蓄えておきたいものです。

いい加減、週末に資格勉強するのは終りにしたいなあ~。
10月5日も試験だし、11月9日も試験か。ふう~。
【目次】
第1章 SE謳歌の時代はすでに過ぎ去ろうとしている!
第2章 ITブームは完全に終焉を迎えた
第3章 SE大リストラ時代がやってくる
第4章 淘汰される負け組SEとは?
第5章 勝ち組SEになるための三つの価値
第6章 キャリアアップにつながる転職を成功させる秘訣
第7章 「急がば回れ」で勝ち組をめざせ!
第8章 SEに明るい未来はあるか
勝ち組SE・負け組SE (新書y)(amazonリンク)
ラベル:書評 職業 SE 新書
posted by alice-room at 10:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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