
実際に読んでみると、想像以上に素晴らしい内容です。大聖堂を表すのに最適に近い素敵な写真が多数有り、しかもここで書かれている解説の種類と幅の広さ、内容ともに本当にバランスが良い!! 基本的なことはこれ一冊でほとんどカバーしており、まさにゴシック建築や大聖堂、ステンドグラスに関心を持つ人には、これ以上の入門者はありません。もう、断言しちゃいます。私的には絶対のお薦め。
だってね、大聖堂の構造から始まってそれがいかにして生み出されたか、それを支えた技術や人々。そこに描かれた彫刻やステンドグラスの図像の数々。解説書が何冊あっても足りないぐらいの内容が実にコンパクトにまとめられています。本書に書かれている内容を他の本から得ようと思うと、どれだけの時間とお金がかかることか・・・。
しかも、値段だけ高くて全然役に立たないことしか書かれていない本もあるし・・・。それを考えたら、まずこの一冊を読んでから、類書や関連書を読むことをお薦めします!! 大聖堂やゴシック建築に関心を持ったら、まずは本書を読みましょう♪ きっと後悔しないと思いますよ。実に良い本です。
【目次】序章 ゴシックの誕生図説 大聖堂物語―ゴシックの建築と美術(amazonリンク)
第1章 壮麗なる空間をめざして
第2章 大聖堂の建立
第3章 大聖堂の時代と新しい視覚文化
第4章 大聖堂探訪
関連ブログ
「大聖堂の秘密」フルカネリ 国書刊行会
「パリのノートル・ダム」馬杉 宗夫 八坂書房
「シャルトル大聖堂」馬杉 宗夫 八坂書房
「フランス ゴシックを仰ぐ旅」都築響一、木俣元一著 新潮社
「ゴシックとは何か」酒井健 著 講談社現代新書
「ステンドグラスの絵解き」志田政人 日貿出版社
「大伽藍」ユイスマン 桃源社
「カテドラルを建てた人びと」ジャン・ジェンペル 鹿島出版会
「大聖堂のコスモロジー」馬杉宗夫 講談社
「図説 ロマネスクの教会堂」河出書房新社
「ゴシック建築とスコラ学」アーウィン パノフスキー 筑摩書房
「アミヤン大聖堂」柳宗玄 座右寶刊行会
「フランス中世美術の旅」黒江 光彦 新潮社
「SD4」1965年4月 特集フランスのゴシック芸術 鹿島研究所出版会
「ヨーロッパのキリスト教美術―12世紀から18世紀まで(上)」エミール・マール 岩波書店