
舞台は、『あの』ローマの伝統を引き継ぎながら何百年間も永らえてきた東ローマ帝国の都であり、その後もトルコ帝国の首都として名前こそイスタンブールに変えたものの更に現代にまでつながっていく大都市。
交通の要衝であり、文化の結節地点としての重要さもさることながら歴史的にも大きく名を残すコンスタンティノープル。キリスト教対イスラム教、という図式と共に西洋文明の古き良き伝統の息の根を止めたまさに歴史的な瞬間を描き出している。
しかし、この小説には珍しく英雄がいない。皇帝とスルタンはいても、本書の描き方では、せいぜいが優れた支配者程度の表現であり、むしろ地道にその時代を生きている商人や居留民などの動向などがより史実っぽくて関心をそそる。
でもね、ある種の突き放した感のある冷静さは、観察者のようで歴史を眺める姿勢としては悪くは無いが、小説として読むとずばり面白みや情熱に欠ける。感情移入ができない小説をどう読むのかは微妙なところだと思う。
嫌いではないが、歴史好きの人にあえて薦めようとも思わない。小説好きの人なら、むしろ止めた方がいいとさえ思う。そういう小説です。
もうちょっと意外な史実とか、小説なら一工夫が欲しいところでしょう。そうでなければ、より一層淡々とした歴史の説明の方が個人的には好きだったりします。でも、イスタンブール、改めて行ってみたくなりました(笑顔)。
コンスタンティノープルの陥落(amazonリンク)
“ハンニバル戦記”を読み終わりました。
あの・・・あれも小説なんですかね??(苦笑)
知識のない分野で知らないことも多かったので
(子供の頃読んだ“ハンニバルの象使い”以来の
ローマVSカルタゴ物語)面白く読めましたが、
小説として読んではいませんでした。
戦時記録物??ってわけでもないですけれど。
管理人さんのコメント読んでちょっと考えてるOZです。
今は“ユダの福音書を追え”の最終章読んでます。
基本的にフィクションが好きなのですが、最近
ノン・フィクションも多いですね。
こちらのサイトで読みたい本が色々出来てしまい
日本から取り寄せることになりました。
うーん、散財。
誰かに責任をなすりつけたいか・・?!(笑)
事実を踏まえてそれを料理していくのが、塩野氏流の小説なのかなあ~と思います。でも、本当にローマ人の物語は面白いですよね! アッピア街道をたどり、カタコンベにもぐってみると、古代ローマを実に身近に感じたことを思い出しました。
散財の責任は、誰かさんになすりつけて頂いて・・・、少しでも読書の参考になれば嬉しいです♪