2011年10月25日

『バラの名前』後日譚 ロリアーノ マッキアヴェッリ 而立書房

後日譚とは言うものの・・・所謂、原作のその後とは全く(?)無関係な小説です。

「薔薇の名前」の登場人物を使った二次創作物みたいなもんかと。まだ、同人誌の方が面白いぐらい。
「薔薇の名前」のあの重々しくも凝りに凝った、練りに練った西洋中世にまつわる面白さが全くありません!

某シナリオライターが、映画の中で原作の語りつくせなかった部分を勝手な飛躍的想像力で、独自解釈し、ウィリアムに現代のショーン・コネリーとしての立場で何故か突如、推理物を始めちゃったりします。

素直ではにかみ屋のアトソンは、すれっからしでこすっからい小生意気な若造になるし・・・オイオイ。

原作の一番美味しい中世的な謎解きや薀蓄は完全に消え去り、単なるミステリーとしての謎解きに終始し、更にそれが現代物で、しかも俗化したこのやるさなさは、半端無いです。

原作の影も形もありません。大概の「薔薇の名前」ファンは失望する事しきりかと。

それでも最後まで読んでしまった私は、大馬鹿者ですが、本書を読んで感じたことはただ1つ。
改めて、映画見て、原作を読んで楽しもう♪ それだけです。

本書は要らない本かと。お薦めしません。

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posted by alice-room at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説B】 | 更新情報をチェックする
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