2011年10月26日

「大江戸残酷物語」氏家幹人 洋泉社

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冒頭、学問的な資料だ、なんだとくどくど言い訳めかした戯言を書いているが、あくまでも世間様から中傷・批判されるのを目的としたお体裁に過ぎない。本質は、俗物根性全開の昔懐かしい『エロ・グロ・ナンセンス』趣味満載といえるでしょう。

昨今の軟弱、薄っぺらな神経では、たちまち神経衰弱と成り果てかねない、時代逆行モノではありますが、ある意味、日本独自の美学の本質と、抑圧された美意識表現は、強烈なインパクトを感じさせます。

読んでいて、ふと漫画の「シグルイ」や中国の古典とかを思い出しちゃいましたよ(笑)。
支那伝来の、強烈な文化・風俗が日本に伝わってきた感を彷彿とさせます。

「忠君」の心意気で、自らの股の肉を割き、刺身にして病気の薬する話などは、親孝行の逸話として、中国で広がっていた話の日本版リメイク、ありありですもん!著者はその辺をご存知ないのか、中国の原典には触れていませんけどね。

死体の塩漬けの具体的なやり方は、悪趣味な知的好奇心(=下種な野次馬的好奇心)で、その詳しい内容に思わず、メモ取りそうになりましたが・・・・。それやると、人として終りそうなんでやめとく。

血達磨等に至っては、まさに「シグルイ」ですねぇ~。

ドグラマグラの呉清秀も真っ青の忠君愛国で、その手の好き者にはたまらない好物かと。
しかし、新書のくせにかなり内容盛りだくさんでキテます。コレは。

偏見の無い人で、抵抗が無い人ならば、いささか偏りは見られるものの、それなりに興味深いです。ホント! まあ、血まみれ芳年イケル人なら、これもOKなんでしょうね。きっと。

私的には、恥ずかしながら、ゾクゾクしながら読んでしまいましたので。
ラス・カサスの『人』を『人』未満の獣と見る感覚とは真逆とも言える、『人』を『人』と見る捉え方自体の感覚差が、なんとも感慨深く感じられる本でした。

俗な常識人には、嫌悪感以外の何物も催しませんが、その彼岸を越えると、また違ったものが見えてくるかもしれません・・・・さてさて?
【目次】
第1章 生首と旅する男
第2章 今日は処刑見物
第3章 情痴の果て
第4章 血達磨伝説
第5章 生きている屍
第6章 小塚原の犬
第7章 死体を塩漬けにする話
第8章 胆取り肉割く人々
第9章 優しさのゆくえ
大江戸残酷物語 (新書)(amazonリンク)

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ラベル:書評 新書 江戸
posted by alice-room at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 歴史B】 | 更新情報をチェックする
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