以前から、図書館で見かけていて読もうか迷っていたのですが、表紙が嫌いで避けていた本でした。ダ・ヴィンチ・コードの関連本ということで読み始めたんです。う~ん、我ながらミーハーなこと(苦笑)。
この本のポイントは、やはりレンヌ=ル=シャトーをいち早く取り扱っている点ですね。レイ=ハンターを主役にしながら、欧米でベストセラーになったネタを取り込みながら、荒俣氏流に解釈しつつ、首尾一貫した論理的な謎解きがなされています。
ただねぇ~、面白い所もあるし、本書にちりばめられた知識もすっごく興味深いものではあるんですが、帝都物語とかとは、格段の差異があります。端的に言うと、つまらないんですな、これが。文章を含めたスタイルは、著書が増えるに従い、流暢で読み易くなっているのですが(以前の翻訳調とは違って)、その分なんか今風の安っぽさが感じられてしまうのは何故?
どちらかというとリスペクトしている先生ですので、とっても残念でした。
でもこの本に含まれている知識は、とっても面白いです。それだけを目当てに読んでもいいかも?ストーリーの結末は、いかにもありがちな陳腐なものに感じられたとだけ言っておきます。NHKスペシャル見てると、よく出てくるなあ~っていう評価です。神秘は神秘のまま、あえて合理的な説明はしなかればよかったのに・・・・。う~ん。
カタリ派に関心ある人にも、ストーリーは抜きにしてお薦めします。本としての面白さだけは求めないように。文庫も出てるそうですから、それで十分かな。借りて一読すればOKな本です。
レックス・ムンディ(amazonリンク)
2005年03月11日
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『レックス・ムンディ』
Excerpt: ISBN:4087472140 文庫 荒俣 宏 集英社 2000/07 ¥880南仏の古代遺跡に眠る遺物の発掘。謎の宗教団体からの依頼を受けたレイハンター青山譲は、聖地レンヌ=ル=シャトーへと向かう..
Weblog: ちった図書室
Tracked: 2005-04-11 23:43
荒俣氏なら、もっとなんとかできそうな気がしてしかたないんですが・・・。
実は今『ダ・ヴィンチ・コード』を読んでいるところです。やー、面白い!サクサク読めて気持ちが良いですね。
読み終わったらこちらをじっくり拝見しにまたお邪魔します。
では本の続きを読んできますー。
で、確かalice-roomさんが言及してたはず・・・
とやってきたら見事に感想が同じで思わず笑ってしまいました。
こういうこともあるんですねえ。
博学では右に出るものがいないくらいの荒俣大人であることは承知していますし、語られる薀蓄は
ものすごく興味深いものなんですけれども・・・
いかんせん小説としてつまらないので、ダ・ビンチ・コードを読んだときのように進まない(笑)
途中の記述も意味があるのかもしれないなあ、と思いつつ安っぽい「大衆小説」としかうつらず、
意味の詮索をする気にもならない。
損してますよねえ。
高橋克彦があとがきで絶賛してましたが、いっそ
彼が書いてくれたら絶対もっと面白かったはず。
すみません、荒俣ファンの方たち。
でも、原案者でいて欲しかったりして・・・・
物語としては、つらいものがありますよねぇ~ほんと。もっとも荒俣氏は、元々翻訳家だった時から、文章がイマイチというか、かなり駄目だったんですが・・・。
最近は、逆に内容に深みがない反面、文章が読み易くなって・・・売れ線路線が続くと人は変わるなあ~などと思ったりしています。
やっぱり、荒俣氏は博物学を更に頑張っていって欲しいですね♪ ある種、キワモノに近い独自性を復活して欲しいと思うのは、時代に逆行する望みでしょうか・・・・?
面白い本、読みたいですねぇ~♪