2005年03月12日

「神の刻印」グラハム・ハンコック著 凱風社

言わずと知れたハンコックの本です。上下巻があるのですが、上巻は資料をよく調べてあり、読んでいてとっても楽しいし、知識も増えてなかなかGOOD。それなのに・・・下巻以降は、余計な推理(もどき)をして、資料調査よりも行動記録になってしまい、くだらなくなってしまっていくのが非常に惜しい。後半は、低俗なイエローペーパーのように根拠の無い勝手な思い込みによる独り言になってしまうが、上巻はお薦め。もっとも、流れで前半を読むと下巻も読んじゃうんでしょうけどね。

内容は失われたアークを巡るお話。ここでもソロモン絡みの情報がたくさんあり、読まずにはいられなかったりする。勿論テンプル騎士団も出てきます。おまけにシャルトル大聖堂まで出てきてしまってはねぇ〜。美味しいネタを盛り込んであるので、俗物で好奇心の旺盛の私としては読まずにいられない。知り合いから勧められたのですが、どうやら趣味を見透かされてしまってますね(苦笑)。でも、すっごく面白かったです。

さて、ちょっとばかり解説。そもそもアークとは?インディ・ジョーンズでこれでもかというくらい有名になりましたが、キリスト教に出てくる秘宝で、預言者モーゼが神と契約した「十戒」が記された石版を収めたとされる「契約のアーク」。どんなものかは、不明。

このアークは、聖書に書かれているところでは、行く先々でイスラエルの民を勝利に導き、ソロモン王が建立したエルサレム神殿の至聖所に収められた後、エチオピアに運ばれたという伝承があるそうです。伝承「ケブラ・ナガスト」によると。

また、エルサレムの聖墳墓教会の礼拝堂と祭壇は、十字軍からイスラム勢力に奪還された後、イスラム教徒の将軍サラディンにより1189年にエチオピアに下賜されたそうです。

ダ・ヴィンチ・コードよろしく、またまたサン・グリアルの話も出てくるし、ネタはつきませんね。テンプル騎士団がエルサレムの神殿跡に本拠地を置いたこと、初期の不可解な活動内容と沈黙、その後の驚異的な発展やフリーメイソンにつながる系譜などなど。どっかで聞いたネタが満載です。シャルトル大聖堂にあるシバの女王の彫刻もテンプル騎士団によるとされる。(私個人としては、こちらの本読んだ後にダ・ヴィンチ・コード以降の本読んでるので、本当はこれが最初だったりする。だから、当初はすご〜く面白かった!)

エチオピアに土着のユダヤ人がいて、フラシャと呼ばれていたことなど、ここで初めて知る事も多く、「ケブラ・ナガスト」の英訳も読んでみた〜い。と切に思ったりする。

女王はソロモンの子を身籠ったことに気付き、エチオピアに戻ってネメリクを生んだ。メネリクは20歳になると、イスラエルに旅して父の宮殿を訪ねた。ソロモン王はすぐにメネリクを息子であることを認知し、大いなる名誉を与えて可愛がった。やがてイスラエルの長老達はメネリクへの寵愛に焼もちを焼き、エチオピアに帰すよう進言した。そこで、王はメネリクの帰還に際し、長老達の長子を同伴させることを条件に、進言を受け入れた。大祭司ザドクの息子アザリウスもその同伴した長子の一人でアークを盗んだ張本人であるが、その盗みの事実をメネリクに話したのは、エルサレムを遠く離れてからであり、このような大それた企みが成功したのは、神がそれを望んでいるからと考えて、そのままアークを持ち出すことに同意した。かくしてエチオピアにアークがもたらされたという。

以上、抜粋であるが、なかなか興味深い。

シバの女王に関しては、私のブログの別のところでも触れているが、キリスト教の最後の審判にも係わる存在であり、宗教的主題にもしばしば登場するポピュラーなものらしく、今後も注意してみていきたいトピックだと感じた。

そうそう、先ほどのファラシャの伝説では次のようなものもある。
ソロモンがシバの女王だけでなく、召使をも身籠らせたのでメネリクには異母弟がいて、その弟がファラシャの王朝を設立したとする。今日のエチオピアのユダヤ人はみな、契約のアークを携えたメネリックについてきたイスラエルの長老の長子からなる警護隊の子孫とされる。

しかし、次から次へと話が出てきて奥が深いですねぇ〜。まったく、飽きないし、尽きないテーマです。

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【補足】本書の中では、聖杯伝説にも触れており、プレスター・ジョンと呼ばれる王についても述べられている。この件については、別のところで関連する資料を見つけたのでこちらを参照のこと。
「大モンゴル 幻の王 プレスター・ジョン 世界征服への道」 角川書店

posted by alice−room at 00:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類A】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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