イエス・キリスト 失われた物語
この著者が前書きに書いているのが、なかなかスゴイ内容だったりする。通信霊との交信から自然と手が動いて書き出していった(=自動手記)物語。失礼だが、訳者の経歴もちょっと特殊だと思うのですが・・・・。
(※ネタバレ有りの為、未読者注意!!)
イエスを特殊な医療技術を有するヒーラー(癒し手)とし、聖書に書かれたイエスの行動が実はすべて別の意味を持った計画的な、作為的な戦略に基づくものであり、ズバリ言ってしまうと、民族解放運動の指導者であったとする。真偽は、わざわざ検討する必要もないほどのいわゆるファンタジーではあるが(私はそう思う)、なかなか論理的に一貫して筋が通っていて、興味深いお話です。勿論、作者のストーリーに乗って読む分には、刺激的ですらあり、魅力的です。
だって、マグダラのマリアがイエスをリーダーとする独立運動のスポンサーなんて、すごいアイデアですよね。売春で儲けたお金を活動資金に当てるなんて。おまけに彼女はピラトを誘惑して、砦を初めとする警備体制の情報まで聞き出すんだから、大活躍ですなあ~(ニッコリ)。
おまけにユダはローマとイエスの二重スパイ役。007のノリでしょう、これはもう。おまけにマグダラのマリアに欲情しちゃうし、イエスも含めて人間的に描き過ぎてますよ、もう~。でも、それなりに本当に筋が通っていて面白いのも事実。イエスが十字架上で死なず、実は生きていたというのもあちこちであるネタでもあるしね。この辺は「ダ・ヴィンチ・コード」同様、最近はなんかお約束に感じてしまったりする。その手の本、私が読み過ぎてるせいもあるんですけど・・・。あ、そうそう、イエスが独立運動の指導者という仮説(というか、妄想)も先日読んだ本に出てましたねぇ~。「死海文書の謎」 にも似たような説が載ってました。
でも、小説としては結構、面白いですよ~。よく考えられています。ゼロテ党の絡みや、諸国と連携して叛乱ののろしをあげるとか、微妙にありそうでイイかも?どちらかというと、イエスの名を借りた陰謀モノかな?結構、巧妙だったりします。
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2005年03月12日
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