2011年12月11日

東洋文庫ミュージアム

あの東洋文庫が一般向けにミュージアムを作ったことをニュースで知り、雑誌「東京人」で特集されていたので購入した読んだところ、大変興味を惹かれたのでとりあえず土曜日に行ってみた。

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真新しい建物です。TOYO BUNKO(The oriental library)と書かれています。

1Fをちょろっと観て、いざ2階へと上がる。

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東洋文庫の基礎であり、生まれるきっかけとなった「モリソン書庫」をビジュアル的に演出しています。

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3階層になっているかな? 上へ上へと連なっています。
一瞬、いい感じかと思いましたが、でもね、正直微妙です・・・。

蔵書が学術的に貴重なのは勿論、知っていますし、その価値も理解していますが、基本、ここの本って割合新しいものも多いんですよね。一部は、古いものもありますが。

世界のあちこちの図書館を観た私としては、まあ、こんなもんかなあ~っと。プラハのストラホフ修道院図書館とか、他にもいろいろなところのもの比べると、建物的にもそんな大層なものではないです。

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また、研究者でもない単なる読書家としては、歴史の古い彩色写本やインキュナブラ。稀覯本の類いの方が、そそられるのは確か。

稀覯本フェアとかの方が楽しかったりする。あれ無料で、金出せばその場で買えてしまうからねぇ~。

未だにロンドンの古書店から送られてくるカタログの本の方が美しいし、そそられます。まあ、何千万円~数十万円まで価格もさまざまですが、金銭的に買えないのはおいといてもラテン語とか読めないし・・・。

はあ~、教養無い&努力していない自分が悲しいです。

という訳で今週取る有休期間は、国会図書館におこもりして本を読みまくるぜい!
溜まっている洋書もいっぱいあるしなあ~。

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こちらはチベットの経典。

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墨の黒が金箔等に映えて、実に素敵な感じです。伝統的な日本の技法ですね。

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小泉八雲のお手紙。

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釈迦の涅槃図。たくさんの弟子や動物達に囲まれる中で、入滅。ってやつです。
これも非常に綺麗な色彩で、こういうのは好きですね。

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こちらは中国のもの。

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これは、本阿弥光悦がデザインした作品です。
この頁の美しさ。センスの良さが堪りません!

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これ以降は、荒俣さんが好きそうな博物学系の本です。

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クールドとかもう定番中の定番ですね。

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細密画、ミニアチュールです。

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楽譜ってのも珍しいかと思いますが、天正遣欧少年使節が印刷機を外国から持ち帰ったというのが惹かれますね。長崎刊って、そういうことなんですね。

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これ、面白い!
「受胎告知」の図像、構図が中国風にローカライズされてます。

こういう構図の伝播、変容等ってなんとも興味深いです。エミール・マールの本に出てくるのと本質は一緒ですから。

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遠い異国に思いを馳せて。といった感じだったのでしょうか?
写真は一冊ですが、全巻あったみたい。装丁と所有者でプレミア付き?(笑顔)

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殷、周、秦、漢・・・の中国王朝の甲骨文字。それの本物だそうです。
吉兆やいかに?!

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えっと、これはマルコ・ポーロの当方見聞録だったかな?たくさんの国の本が並べられていました。
こちらはインキュナブラですね。年代的に。

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日本の京都で書き写されたもの。司馬遷の「史記」。
国宝だそうです。

千年近く前のものですが、普通にしっかりと文字が読み取れます。やっぱり和紙すげぇ~って思いますね。
綺麗なもんです。

デジタル情報に保存された脆弱さを考えると、モノとしての本の方が情報は残りそうな気がしないでもないですね。そういやあ~大手の本屋がつぶれて、大量に廃棄される本達の写真をこないだ見たな。将来的にどうなるんでしょうね???


総括。
一度行けば十分です。これで880円は正直ぼったくりです。
経費考慮して有料でも200~300円レベルかと。
(だって、無料でもっと素敵なものを何度も見てるし、有料ならそれなりに満足させないと・・・)

展示スペース小さ過ぎ。正直、全く物足りない。
まあ、写真や動画撮影は基本、自由なのは良いけれど、ちょっとねぇ~。人がいないわけです。
期待はずれに終わりました。

逆に「東京人」のカメラマン、腕良過ぎ。
みんな騙されちゃうって!(笑)
私とツレの共通の意見でした。

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東洋文庫のすぐ近くで見つけた駒込教会。カトリックだと思う。
このXとPのモノグラム。キリストの象徴であるラバルム(Labarum)ですね。
日本の教会では、私、初めてみました。

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閉まっていたので中に入れませんでしたが、もうすぐクリスマスですね。

この後は、六義園へ行って紅葉を楽しみました。
東京散策シリーズ~六義園の紅葉&スパニッシュ料理(20111210)へ続く。

東洋文庫貴重書アーカイブス
東洋文庫
posted by alice-room at 21:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 【芸術】 | 更新情報をチェックする
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