2012年01月09日

「ウィキリークスの時代」グレッグ・ミッチェル 岩波書店

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去年の年末に初めてウィキリークスの本を読み、強い衝撃を受けたので多方面から知りたいと思い、本書も手に取ってみました。

しかし、以前読んだ本『全貌ウィキリークス』とは全く異なり、本書では驚きも衝撃もなく、本書を読んだのでは、ウィキリークスの秘めている潜在力、時代のブレークスルーポイントとなる意義も分かりませんし、伝わりません。

最初に本書を読んだだけなら、私はウィキリークスにそれほどの関心は抱かなかったと思います。

なんでこのレベルの低いものが本になっているの?と思いつつ、著者の経歴を見ると・・・。

著者は、あのアメリカのメディア関係者で、自身がブログで書いた戯言をご大層にも本にしたもの。
内容の薄っぺらさには納得いったものの、それをなんでわざわざ岩波が出すのでしょう。情けない・・・・(涙)。

岩波は時代にキャッチアップしようとしても駄目だし、そのセンスが無い事を図らずも露呈した感じ?

Wikileaksそのものに絞らず、それが出てきた一般的な時代を描くということで、一定の距離を置き、当事者ではない余所者のブロガーによる目を通して、客観性を確保とかあまりにも綺麗事過ぎて、正直、唾棄すべき欺瞞を感じてならない。

良くも悪くも・・・と言っても、悪いだけだが、表面的且つその背景への言及(裏付けやその原因の調査)もなく、通常のメディアが垂れ流す、大本営発表報道よりも質も落ちてそう。

これなら、アメリカ政府であっても放置してくれるでしょう(笑顔)。そんなレベルの本です。

ウィキリークスを知ろうとして、本書を読むことはお薦めしません。時間とお金の無駄に加え、必要以上に矮小化することで誤解を招き、むしろ今現在の時代と、今後の時代を取り違えることでしょう。

勿論、読むに値しません!
【目次】
第1章 付随的殺人―米軍ヘリ無差別銃撃
第2章 ブラッドリー・マニング
第3章 アフガニスタン戦争ログ
第4章 イラク戦争ログ
第5章 ケーブルゲート―米国大使館公電漏洩
第6章 ジャーナリズムの将来
日本語版への補論 日本でのウィキリークス
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posted by alice-room at 08:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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