
去年の年末に初めてウィキリークスの本を読み、強い衝撃を受けたので多方面から知りたいと思い、本書も手に取ってみました。
しかし、以前読んだ本『全貌ウィキリークス』とは全く異なり、本書では驚きも衝撃もなく、本書を読んだのでは、ウィキリークスの秘めている潜在力、時代のブレークスルーポイントとなる意義も分かりませんし、伝わりません。
最初に本書を読んだだけなら、私はウィキリークスにそれほどの関心は抱かなかったと思います。
なんでこのレベルの低いものが本になっているの?と思いつつ、著者の経歴を見ると・・・。
著者は、あのアメリカのメディア関係者で、自身がブログで書いた戯言をご大層にも本にしたもの。
内容の薄っぺらさには納得いったものの、それをなんでわざわざ岩波が出すのでしょう。情けない・・・・(涙)。
岩波は時代にキャッチアップしようとしても駄目だし、そのセンスが無い事を図らずも露呈した感じ?
Wikileaksそのものに絞らず、それが出てきた一般的な時代を描くということで、一定の距離を置き、当事者ではない余所者のブロガーによる目を通して、客観性を確保とかあまりにも綺麗事過ぎて、正直、唾棄すべき欺瞞を感じてならない。
良くも悪くも・・・と言っても、悪いだけだが、表面的且つその背景への言及(裏付けやその原因の調査)もなく、通常のメディアが垂れ流す、大本営発表報道よりも質も落ちてそう。
これなら、アメリカ政府であっても放置してくれるでしょう(笑顔)。そんなレベルの本です。
ウィキリークスを知ろうとして、本書を読むことはお薦めしません。時間とお金の無駄に加え、必要以上に矮小化することで誤解を招き、むしろ今現在の時代と、今後の時代を取り違えることでしょう。
勿論、読むに値しません!
【目次】ブログ内関連記事
第1章 付随的殺人―米軍ヘリ無差別銃撃
第2章 ブラッドリー・マニング
第3章 アフガニスタン戦争ログ
第4章 イラク戦争ログ
第5章 ケーブルゲート―米国大使館公電漏洩
第6章 ジャーナリズムの将来
日本語版への補論 日本でのウィキリークス
「全貌ウィキリークス」マルセル・ローゼンバッハ、ホルガー・シュタルク 早川書房
情報の信憑性確認、厳選し公開〈米公電分析〉朝日新聞社
ウィキリークス、市民を監視する「スパイ文書」を公開