2005年01月23日

「図解 ダ・ヴィンチの謎」宝島社、便乗してますねぇ~

ナショナルギャラリールーブル

上記の画像は左がナショナルギャラリーで右がルーブル。やっぱり、手直しする前のルーブルの方が、センスいいよね。
~目次~
・「最後の晩餐」に仕掛けられたダ・ヴィンチの暗号?
・ヨハネがマグダラのマリア?
・鏡文字は暗号なんかじゃない?
・二枚の「岩窟の聖母」
・人体図の本当の意味は?
・シオン修道会は存続しているのか?
・聖杯伝説のなぞ
・モナ・リザのモデルはダ・ヴィンチなのか?
・ダ・ヴィンチの遺言に隠された秘密

端的に言っちゃうと、ダ・ヴィンチ・コードの人気にあやかった便乗本の一つですね。ただ、図版が多くて、一目で広く浅く知識が得られたような気になるっていうのがウリ。さすが宝島、お金儲けうまいなあ~って思います。買うほどではないけど、図書館で借りてみるぐらいはいいかも?実際、私も借りて読んだクチです(笑顔)。
最後の晩餐なら、ココ!絵も綺麗

でも、本読んでちょっと勉強になったこともあったから、メモしておこうっと。最後の晩餐の十二使徒:左から「ナタナエル、小ヤコブ、アンドレ、ユダ、ペテロ、ヨハネ、イエス、トマス、大ヤコブ、ピリポ、マタイ、タダイ、シモン」

タダイ:別名ユダ。イエスの処刑後、シモンとともにパレスティナへ伝導に行った
トマス:イエスの復活を信じなかった為、「疑いを抱くトマ」と呼称されることがある
ペテロ:第一の使徒。名は石を意味し、イエスにこの岩の上に教会を建てようといわれた
シモン:福音書では「熱心党のシモン」と呼ばれ、ユダとペルシャで殉教した
小ヤコブ:使徒名簿に「アルファイの子ヤコブ」と記されている
アンドレ:福音書ではシモンの弟と呼ばれている。ペテロをキリストの元に連れていった
イスカリオテのユダ:イエスを裏切り、銀貨30枚でヘロデ王にイエスを売った
ビリポ:イエスが宣教活動を始めた時期に弟子になる
大ヤコブ:ヨハネとは兄弟であるとともに最初の使徒殉教社でヘロデ王に殺される
マタイ:ユダの裏切りで減った使徒の代わりとなった
ナタナエル:斬首刑にされる前に、生きたまま生皮を剥がされた
ヨハネ:最年少の使徒。イエスの寵愛を受け、死後、福音記者となる

○トマの天井に向けられた指:イエスの「汝らのひとりがわたしを裏切る」の言葉に対し、「裏切りは一人なんですか?」
○イエスの足下:18世紀時代に馬小屋として使用された時に、壁を削って通路とした。オリジナルの模写で構図は確認できる。 Da Vinci-Museum, Norbertijnenabdij,Tongerlo
○イエスの右側に座る人:一般的にはヨハネ
○威嚇するペテロ:年長者でイエスの一番弟子ペテロが感情的に反応した姿
○パンを掴むユダ:イエスを売り渡し、銀貨を手にするユダ。パンを取るのは裏切り者の象徴。
○背中から現われた手とナイフ:ナイフはペテロのシンボルであり、受難を表す道具
○テンペラ画法。遅筆だったので後から何度も塗り重ねが可能なテンペラ画法と油彩を組み合わせた技法を採用。書かれてまもなく顔料の剥落が始まった。
○モナ・リザのモデルとして、フィレンツェ商人デル・ジョコンドの妻が定説となっている。

で、次はダ・ヴィンチ・コードでも取沙汰された「岩窟の聖母」関係。両方とも実際に行って見てるけど、あまり印象に残ってないんだよね。ダ・ヴィンチって正確さにこだわり過ぎて、見てても感動しないんだもん。ピティ宮殿のラファエロの聖母は、大好きで見てるだけで胸が熱くなり、涙がにじんでくるけど・・・。5、6回見たかな。今年も見に行きたいなあ~。
ダ・ヴィンチの端正さだったら、フラ=アンジェリコの端正さを買うけどなあ、私なら。

○岩窟の聖母。依頼主はミラノのサン・フランチェスコ・グランデ教会。ルーブルはダ・ヴィンチ作でロンドンはダ・ヴィンチ工房(弟子達)の作品といわれる。現在の所有はロンドン・ナショナル・ギャラリー、ルーブル美術館
○ロンドン作品には十字架と光輪がある。
○ルーブル作品の天使ウリエルの目線が鑑賞者を見ている
○マリアのかざす手は、「執り成し(=神への仲介)」を意味し、イエスに神の加護を祈っている様子
○天使の指、洗礼者ヨハネを指して紹介している
○舞台となった岩窟は当時、イエスが生まれたとされる場所が馬小屋と岩窟の二説あり、ダ・ヴィンチが岩窟説を採用したため
○ウィトルウィルス的人体図のウィトルウィルスは古代ローマの建築家の名前であり、彼の建築論に書かれた比例の原理を元にして描かれた図とされる
○鏡文字。内容を人に知られたくない、又は左利きだった為、とか種々の理由が挙げられるが不明
○ダ・ヴィンチは二度ほど男色の疑いで逮捕されたことがあり、同性愛者だった可能性が示唆されている。また窃盗癖がある問題児だったのに、10歳の美少年ジャコモを引き取って面倒をみていたこともその疑いを強くする。

と、以上この本を読んで勉強になったことでした。ダ・ヴィンチの男色の噂は有名ですが、当時男性だけの閉鎖空間である「工房」ではよくある話だし、真偽は謎ですね。もっとも、不思議の国のアリスをかいたルイス=キャロル(本名チャールズ=ドジスン)も数学者で真正ロリコンだったし、ワーグナーやオスカー=ワイルドに至っては・・・・。

まあ、芸術家はいつの時代も世間の常識を超えた存在なのでしょう。それ故に、社会の枠を超えた至高の芸術が生み出せるのか?
さてさて、余談はさておき、枕元に積んでる本読まないと。そろそろ本が崩れてきそうだし。「ルンヌ=ル=シャトーの謎」も誕生日プレゼントもらったんだから…。とっても楽しみ。
posted by alice-room at 00:00| Comment(0) | TrackBack(1) | 【書評 美術】 | 更新情報をチェックする
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今朝の夢:薄暗い部屋のレオナルド・ダ・ヴィンチの不可視の彫像
Excerpt: もうだいぶ時間が経ってしまったが、今朝見た、これまた、一種不思議の夢を述べよう。残念ながら、細部は忘れているので、今印象に強く残っていることを記そう。 ..
Weblog: JAPONESIAN APOCALYPSE ヤポネシアン・アポカリプス : TRANS-MODERN PLATONIC RENAISSANCE
Tracked: 2007-03-02 01:17