666 上巻31頁
黙示録13章18節より「ここに知恵が必要である。思慮のある者は獣の数字を解くがよい。その数字とは人間を指すものである。そしてその数字は六百六十六である。」 一説には、ヘブライ語の計算法を用い、ギリシア語でネロン・ケーザルと綴ると666の合計になる。即ち、キリスト教を迫害した皇帝ネロとなる。
Q資料 下巻31頁
聖書文献学の学説(二資料説)より推定される仮説文献のことで、マタイ福音書とルカ福音書がマルコ福音書とQ資料の二つを基にして編纂されたと考える。失われたイエス語録。Qはドイツ語のQuell(資料)の頭文字を示す。
アーサー王と円卓の騎士 Arthur 上巻236頁
6世紀のウェールズの武将、のちブリタニア王ア ーサー(Arthur)(実在か否か不詳)と円卓の騎士たちとを主人公にした武勇と恋愛の物語を総称したも ので中世ヨーロッパ文学の中心主題の一つ。古く9世紀初めの文献にその名が見え、12世紀以降、フラ ンス・イギリス・ドイツ3国を中心にヨーロッパ全土に伝播。中世後期にはトリスタン伝説や聖杯伝説も混 入して韻文・散文の物語が成立。イギリスでは19世紀の文学・絵画に復活、現代では映画やミュージカ ルにも登場。円卓物語。
12世紀のジェフリー・オブ・モンマスの「ブリテン列王史」で魔法使いマーリンの力でブリテン王ウーぜる・ ペンドラゴンはコーンウォール公に化け、公の夫人イグレーヌと同衾し、アーサーが誕生する。アーサー は宝剣エクスカリバーを得てブリテン王となり、ギネビアと結婚、諸国を平定してローマ遠征の途につく。 その留守中、甥のモルドレッドが王位を奪い、ギネビアと結婚したという知らせを受け、アーサーは直ち に帰国。モルドレッドを倒すが自らも重傷を負い、アバロンの島に去る。これが原型で後世発展していっ た。
アヴァロン島 下巻73頁
「アーサー王伝説」参照。王位を奪ったモルドレッドを倒した後、アーサー王が去っていったとされる島。ケルト人の信じていた死者の国。アヴァロンは水に囲まれた丘にあり、地下を通ってそこに行ける。アヴァロンはリンゴ(アップル)の実る島で、名前はアップルに由来する。アップルは太陽神アポロンとも語源を同じくし、それ故にエデンに生える禁断の木の実であり、不老不死の象徴となる。
アシュタルテ Ashtarte 上巻52頁
嵐の神バール Baal の妹にしてティルスの王メル カルト Melqarth の母。愛と戦争の女神。
アトバシュ Atbash 下巻96頁
旧約聖書の中で使われていた暗号で、ヘブライ 語の換字式暗号。この暗号は、文字に番号をつけて、最初からの順番と末尾からの順番を入れ替えて 作ります。アルファベット26文字を暗号にする場合には、AをZに、BをYに、というように順番を置き替えて作ります。
アナグラム anagram 上巻136頁
言葉の綴りの順番を変えて別の語や文を作る遊 び。
アブラカタブラ ABRACADABRA 下巻98頁
ABRACADABRA の文字が一つずつ消えていくと、それに伴い、文字が象徴する悪魔(=ギリシア語でいうグノーシス派の神であるアブラクスAbraxs)の力が衰えていく。その結果、悪魔のもたらす病気や不幸が消え去り、持ち主に幸運をもたらすとされています。また、西洋魔術では特にユダヤ人により伝統的に用いられてきた呪文。病気や厄災を払うのに効き目があるとされ、17世紀ロンドンのペスト流行の際にも使われたという。原義は<雄牛、唯一の雄牛よ>という呼びかけだったと言われ、<雄牛>は春分点が金牛宮にあった時代の<太陽>を意味する。
アモン Amon 上巻168頁
〔神〕古代エジプトの神。テーベの守護神であった が、のちに太陽神ラーと同一視されアモン‐ラーと呼ばれる。
イシス 上巻34頁
エジプトの女神で地母神・豊穣神。母神として幼 児ホルスを抱くイシスの姿が聖母マリア崇拝(黒い聖母)に引き継がれ、ヨーロッパ全土に広がった。伝 説では、イシスは地の神ゲブと天の女神ヌウトの娘であり、兄のオシリスとは母の子宮の中にいた頃から 愛し合っていた。4兄弟の末弟セトが騙し討ちによってオシリスを殺害し、遺体をナイル川に捨てた。イシ スは地中海沿岸のビュブロスでこの遺体を発見し、魔術の力によってこれと交わり、その子を宿した。これに気づいたセトは再びオシリスの遺体を奪って14の部分に裂いて各地にばらまく。イシスは全ての部分を歩き回って集めるが性器だけはカニに食べられてしまったので見つからず、そこだけ人口の性器を作って遺体を復元した。以後、オシリスは冥界を支配する王となった。またイシスはこの話から魔術と死者の守護女神とされた。
イシュタル 上巻52頁
シュメールの金星の女神。ウルクの守護神として崇拝され、「天の貴婦人」を意味する。一般には性愛と豊穣の女神であり、母親の胎内から武器を携えて生まれ、闘いでは誰も歯向かえない存在ともされる。
ヴァチカン Vatican 上巻12頁
ローマ教皇の統治するローマ市内にある世界最小の独立国。1929年ラテラン協定に基づき、カトリック教会の首長たるローマ教皇が国際法上の主権と領土的基盤を持つことを認められて独立。教皇が他の国家の制約を受けることなく、自由に宗教上の権限を行使するのを保障する目的で組織された特殊な国家。ヴァチカン宮殿・サン‐ピエトロ大聖堂を含む。面積0.44平方キロメートル。人口770(1988)。主要言語はイタリア語とラテン語。ヴァチカン市国。
ウィトルウィス的人体図 上巻64頁
ウィトルウィルスは古代ローマの建築家の名前で あり、彼の建築論に書かれた比例の原理を元にして描かれた図とされる
ウェストミンスター寺院 下巻220頁
ロンドンのウェストミンスター区にある,7世紀ころ の古い教会のあとに1065年ころエドワード懺悔(ザンゲ)王が建てたベネディクト会の僧院。現在の会堂 は1245年に起工され,北仏ゴシック様式を継承したもので,1502~20年に造営されたヘンリー7世礼拝堂には英国独特の垂直式の装飾がみられる。11世紀以降英国王の戴冠式が行なわれ,ほとんどの歴代国王と偉人の墓がある。
オプス・デイ Opus Dei 上巻40頁
スペインの宗教団体の名称。ラテン語で<神の御業みわざ>の意。1928年マドリードでエクスリバ神父が創設。各自の職業、地位、生活条件の中でキリスト教の徳を体現していくことを提唱する。現実的且つ個人主義的福音を唱える。39年フランコ側が勝利した直後、エクスリバは小冊子<カミーノ>を著し、布教と組織の拡張活動に乗り出す。対象は知識人、官僚、政治家、中産階級上層部等社会的地位の高い人々であり、オプス・デイは彼らの精神的生活のみならず、社会的・政治的生活にまで影響を及ぼしていく。オプス・デイは組織として表立った政治活動をすることなく、メンバーを通してフランコ政権に近づき、背後から政治を操る政治結社の性格を帯びていく。その後、閣僚や官僚にも影響力を強め、非民主的なフランコ体制の存続に寄与したと言われる。
オベリスク obelisk 上巻25頁
(ギリシア語で焼串の意) 古代エジプトの記念碑。 一つの巨大な石材で作り、断面は方形、上方ほど細く、頂上だけピラミッド型。太陽神の神殿の前に建 て、柱面には王の事跡などを記す銘文や図案の刻まれたものも多い。方尖ホウセン柱。方尖塔。
ガーゴイル gargoyle 上巻318頁
喉を意味するラテン語のgurgulioから派生し、動 詞gargariser うがいをするを語源と考えられている。石と石を接着する漆喰を雨で溶かしてしまうのを防 ぐ為、雨樋の必要からゴシック建築とともに表れてきた。
伝説では、セーヌ河畔の洞窟にガルグイユ(フランス語のガーゴイル)という名の竜が住んでいた。竜 は舟人達を飲み込み、口から出す炎で全て焼き尽し、洪水を引き起こすほどの水を吐き出した。ルーア ンの町の住人達は竜をなだめる為に毎年生きたままの人間を生贄に差し出していた。竜は処女を好ん だが、罪人で済む場合もあった。520年頃ロマヌスという司祭がルーアンにやって来て、町の住人が洗 礼を受けて教会堂を建てる約束をすれば怪獣を追い払うと言った。ロマヌスは重い罪人を伴い、竜と対 決して捕え、薪で燃やしたが頑強な頭と首だけは燃え残った。そこで人々はそれを町の城壁にさらした 。これを基にしてガーゴイルが作られたとも言われる。
なお、ガーゴイルには様々の意味が付されているが、中心となるのは悪霊から大聖堂を守護し、水を 吐き出すという行為により、そこから悪霊を追い出し、人々に罪を犯すことの恐ろしさを警告することであ る。
カバラ密教 Kabbala Cabala 上巻136頁
ヘブライ語でユダヤ教の密教的部分。師資相承の口伝や伝承。伝説によると、アブラハムがメルキゼデクから天界の秘密を伝授されたという。またモーゼは神の啓示を受けた後、それを律法<トーラー>に記したが、どうしても文字で書き表せない部分をカバラとして後世に伝えたという。
鏡像筆記 下巻94頁
ダ・ヴィンチが用いた左右が逆に描かれた文字記 述法。これを用いた理由として(1)当時の社会では受け入れられない発想の内容が多く、周囲から誤解 を生まない為(2)そのまま印刷用の版をおこせる為(3)左利きで書きやすかった為等が挙げられるが、正 確なところは判明していない。
ギロチン guillotine 上巻39頁
(フランスの医師ギヨタン J. I. Guillotin1738~ 1814の提唱による) 死刑執行の斬首台。2本の柱を立て、その間に斜状の刃のある斧を吊り、その下に 受刑者をねかせ、死刑執行者が縄を引くと、その斧が落下して受刑者の頸部を切断するように造ったも の。主としてフランス革命時代に用いた。断頭台。ギヨチン。
グノーシス主義 下巻16頁
元々、ギリシア語で知識を意味する。グノシース 神話は主として、宇宙や人間の創造物語を扱っている。しかし、そこには特異な思想の表明があり、既 成の観念に対する逆転ないし拒絶の意図が表れる。旧約の<創世記>が語るエデンの園の誘惑者は 蛇であり、創造神は法的正義をもってこれに対立しているが、グノーシスの一派は蛇こそ人間に知恵を 授けた恩恵者、創造神の正体は抑圧者だと解釈が逆転している。 また、彼らの<救済論>では、人 間は本来神の内にあったら、何らかの偶然によって地上に転落し、身体の中に閉じ込められて、自己と 異質な物質世界に投げ出せれている。これは人間にとって非本来的姿であり、魂の<無知><迷い> <眠り><酔い><忘却>の状態である。しかし、ある日自己本来の姿について知識(グノーシス)が 与えられるなら、人間は覚醒するとされる。
原罪 下巻7頁
キリスト教は全ての人間が罪をもっていると考える。この罪は人間が神に背いていたことを意味している。つまり、人間が神を無視し、神の意思に反逆する事が罪であり、現在である。アダムとエバがエデンの園で神に背いたことにより、人が生まれながらにその罪を負っていること。
コンクラーベ conclave 上巻14頁
ローマ教皇選挙会。枢機卿団で構成。元来、選 挙の期間中干渉を防ぐために枢機卿団が閉じこもる囲いの意。
コンスタンティヌス帝 Constantinus 上巻174頁
大帝。ローマ皇帝(在位306~337)。キリスト教を始めて公認した皇帝。改宗の理由として、4人の皇帝が争う中、ローマ市のミルウィウス橋で政敵マクセンティウスを打ち破る際に、空にキリストの頭文字の幻と<汝これに勝て>との文字を見たという伝説がある。一方、当時の背景として新プラトン主義や軍の太陽神崇拝の進展でキリスト教的な唯一神を受容する抵抗感が薄れていた事、迫害に屈しないキリスト教徒を敵とするよりも味方に取り込んだ方が政治的に得策である事、コンスタンティヌスを神の恩寵を一身に受けた神の代理人として統治する崇高な君主とみなす、即ちキリスト教に皇帝権力をイデオロギー的に支える宗教としての役割を与えた事などがある。実際はそれらを考慮したうえでキリスト教公認は政治的計算によるとされる。また、軍政・民政改革を進めて専制政治を強化、330年都をローマからビザンチウムに移してコンスタンティノポリス(コンスタンチノープル)と称した。
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2005年01月30日
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「ダ・ヴィンチ・コード」
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Tracked: 2006-05-09 01:39