【以下は、続き】
サモトラケのニケ nike 上巻26頁
ギリシア神話の勝利の女神。ローマ神話ではVictoria。有翼の姿で表され、多くの場合、手に勝利の象徴であるオリーブあるいは月桂樹の枝輪を持つ。
サングリアル 聖杯 Holy Grail 上巻226頁
キリストが最後の晩餐に用い、アリマタヤのヨセフが十字架上のキリストの血をうけブリタニアにもたらしたという聖杯を、騎士たちが探求する物語。クレチアン=ド=トロワの「聖杯物語」、「散文ランスロ」、ヴォルフラム=フォン=エッシェンバハの「パルチヴァル」、マロリーの「アーサー王の死」に描かれ、のちワグナーの楽劇「パルジファル」などに脚色。
スフマート画法 sfumato 上巻141頁
(「煙のかかったような」の意) 絵画で、輪郭を明から暗へ徐々に変化させ、ぼかして描くこと。レオナルド=ダ=ヴィンチの創始した技法。
ソロモン王 Solomon 上巻222頁
イスラエルの王(在位961~922)。ダヴィデの子。領土内はメソポタミアをエジプトとアラビアに結ぶ通商路で莫大な関税収益の他、エジプトとシリアを結ぶ仲介貿易、フェニキア人の協力で紅海貿易にも従事。エルサレム神殿の建築を始め、盛んに建築工事を行なった。その奢侈は「ソロモンの栄華」とうたわれ、シバの女王が訪問したのも有名。しかしながら、その後、民は重税に苦しみ、王の没後、ついに国家は南北両国に分裂。
ダゴベルト二世 下巻33頁
メロビヴィング朝最後の名君。ラゼ伯爵家の娘ジゼル・ド・ラゼと結婚したが、このジゼルがマグダリアのマリアの子孫と関係を有していたとされる。
磔刑 crucifixion 下巻29頁
刑場には既に垂直の支柱が地中に差し込まれており、これは刑の執行のたびに何度も用いられた。処刑される罪人は彼の両腕を抵抗できぬよう水平の横木に縛りつけられ、それをかついで処刑場へとひかれて行った。処刑場に到着して彼の両腕(又は手首)が横木の両端に釘で打ち付けられると、次にそれは垂直の支柱の上に運ばれて、丁字形十字(タウ十字又は接合十字)またはいくぶん下につけられて、交叉十字の形に固定された。それぞれの支柱はほぞ継ぎによってしっかり固定されると、最後に足が垂直の支柱に釘で打ち付けられた。
タロット・カード tarot 上巻126頁
占いに用いるトランプの一種。普通のトランプ一組53枚にナイト(騎士)の絵札3枚と切札22枚とを加え、78枚から成る。タロ。タロッコ。
デルフィ Delphoi 上巻34頁
古代ギリシアのパルナソス山麓の町で、アポロン の神殿があった地。アポロンの神託で有名。英語名デルファイ。
テンプル騎士団 Ordre de Chevalerie du Temple 上巻222 頁
中世ヨーロッパの三大騎士修道会の一つ。正式名は「エルサレム・テンプル騎士修道会」。シャンパーニュ人ユーグHuguesら8人のフランス騎士により1118年、聖地巡礼者の保護を目的とし、ソロモン神殿跡を本拠地として創設。中近東各地の十字軍国家の常備軍的任務に就いた。西欧諸国の君主・諸侯・市民から絶大な信頼を得て、数千箇所の騎士団領の寄進を受け、農牧業の経営、定期市の東西貿易活動、金融業等を手広く行い、巨大な富を築いた。
白衣の修道服に緋色の十字章をつけ甲冑で武装し、<天主の御名に栄光を>という標語のもとに十字軍の全期間を通じて<キリストの騎士>として戦闘に従事した。1291年に聖地喪失後キプロス島に撤退したが、1307年には財産没収を狙うフランス王フィリップ4世により異端訴訟の被告とされ、1312年教皇クレメンス5世により修道会は廃絶となった。全財産はヨハネ騎士団に移管された。
ナグ・ハマディ文書 Nag Hammadi 下巻16頁
エジプト、ナイル川上流の都市ルクソールから100キロほど遡った町で1945年に農夫によって発見されたグノーシス文書。現在、カイロのコプト博物館に保存されている。後3~4世紀に写筆された13のコプト語パピルス古写本。大半はグノーシス文書であるが、それ以外にキリスト教文書特に新約聖書外典等々が含まれている。従来、グノーシス思想については資料が乏しく、主として教父たちによる反異端文学から間接的に推測されていたので、本資料はグノーシス思想の研究並びに初期キリスト教における正統(カトリシズム)と異端(グノーシス派)との関係の解明に重要な資料とされる。
ニルヴァーナ 涅槃 下巻106頁
梵(ボン)語ニルバーナnirva naの訳。原義は吹き消すこと,また消えた状態。転じて煩悩(ボンノウ)の火が消え,智慧が完成する悟りの境地をいう。仏教の最終目的。漢訳では滅度・寂滅・円寂など。涅槃の内容は大乗・小乗で種々に説く。また釈迦入滅のこと。
ネアンデルータール人 Homo neanderthalensis 上巻28頁
化石人類の一。1856年、ドイツのネアンデルタールの石灰洞で最初に発見された。同種のものはヨーロッパ各地、小アジアその他、旧世界各地で発見された。現在ではホモ‐サピエンスに分類されるが、原人と新人との中間に位する。長身で脳容積は現代人よりむしろ大きかった。旧人。
パピルス papyrus 上巻283頁
古代エジプトで、パピルス(カミガヤツリ)という草の茎から製した一種の紙。紀元前30世紀頃から使用され、紀元後7~8世紀、製紙法の発達するまでヨーロッパでも用いた。パピルス文書とは、この紙に記したギリシア語などの文書。
バベル Babel 下巻120頁
ヘブライ語でのバビロンの呼び名。ヘブライ人はそれを<神の門 Bab-il>としてではなく、<乱すbalal>と結びつけて解し、人類の罪の増大に対する神の対応を語る旧約聖書<創世記>11章の物語に利用した。物語によると、人類はその名声を高めようとして、町と天に達する塔を共同作業により煉瓦で作ったが、神はこれを人間の自己神化の試みとみて、以後作業の出来ないように言語を<乱し>たという。実際に塔のモデルとなったものとして、バビロニア各地に33基の聖塔(ジグラット)のあったことが今日知られている。
ファサード fasade 上巻25頁
建物の正面。
フィボナッチ Leonardo Fibonacci 上巻85頁
イタリアの数学者。アルジェリアで計算術を学びインド記数法に出会う。エジプト・シリア・ギリシアを旅行し、数学上の見聞を広める。著「算盤の書」「平方の書」。(1170~1250)
フレスコ画 Arthur 上巻11頁
絵具が剥落するという耐久力の問題を克服した壁画技法。濡れている生乾きの漆喰壁に水だけで溶いた顔料で描いていく。漆喰の乾燥は実は化学反応で硬化して炭酸カルシウムになることであり、顔料が漆喰の結晶中に閉じ込まれる為、非常な耐久性を獲得する。Frescoはイタリア語のfresh(新鮮な)の意味。
ヘルメス Hermes 上巻34頁
ギリシア神話の神。ゼウスとマイアとの子。生まれるや否やアポロンの牛を盗んで食べてしまったりと狡猾な知恵者であった。一方、幸運・富裕の神として商売・盗み・競技の保護者であり、同時に旅人の保護神でもあった。霊魂を冥界に導く役目を持つ。
ホルス Horus 上巻34頁
古代エジプトの主神、元々は上エジプトの王メネスが故郷から携えてきた部族神であった。オシリスとイシスの子で鷹の形をとり、太陽と月がホルスの両目であるとされ、太陽神ラーとホルスが結びついた。「ウジャト」と呼ばれるホルスの目は魔除けや治癒の護符としてエジプト全土で広く愛好されている。
マグダラのマリア Mary Magdalene 下巻14頁
新約聖書に語られるガラリア湖西岸マグダラの出身の聖女。イエス・キリストにより<七つの悪霊>を追い出してもらったという(<マルコによる福音書>16:9)。かつて遊女であったが、悔い改めイエスに献身的に仕えた。イエスの処刑、埋葬に立会い(<マタイによる福音書>27:56、<マルコによる福音書>15:47)、墓を訪ねて復活したイエスに接した(<マルコによる福音書16:1~8)。またイエスは復活後最初に彼女の前に現われた(<ヨハネによる福音書>20:11~18)。彼女はその後南フランスへ行き、布教と30年の穏修生活ののち没したという。美術作品では、彼女と同一視されるイエスの足に塗油した罪深い女の逸話(<ルカによる福音書>7:35~50)から、香油壺を持つ髪の長い女性として表される。また、福音書の諸場面ー磔刑、十字架降下などに登場し、伝説から天使を従え昇天する全身を髪でおおった女性(エジプトのマリアとの混同)として表現される。祝日は7月22日。
また、サント=ポーム近郊の山中に、今日でもマリアの巡礼地とされるところがある。彼女はこの地の庵で30年間に渡り、断食と悔悛の日々を送った。日に7回天使が飛来し、天井に運ばれた彼女は束の間の歓喜にひたることを許された。ある日、一人の隠者が天に昇っていく彼女を目撃する機会に恵まれ、マルセイユへその知らせを持ち帰ったとされる。
ミトラ教 Mitra 下巻276頁
古代ペルシアのミトラ神信仰に発し,2世紀ごろローマ帝国のほぼ全土に広まった密儀宗教。ミトラを太陽神として崇拝し,霊魂を彼岸に運ぶものとした。祭儀は洞窟や地下堂で行なわれ,犠牲には雄牛を用いた。最大の祭日は12月25日。4世紀にはキリスト教の圧迫により衰微した。
メスカリン mescaline 上巻42頁
メキシコ原産のサボテン(メスカル)に含まれるアルカロイド。服用すると多彩な幾何学模様の幻視やめまい、時間感覚のゆがみを体験する。
モナ・リザ Monna Lisa 上巻26頁
レオナルド=ダ=ヴィンチ画。フィレンツェの貴婦人の肖像画。板に油彩。縦77センチメートル、横53センチメートル。ルーヴル美術館蔵。ラ‐ジョコンダ。
黄金比 PHI golden section 上巻127頁
(golden section) 1つの線分を外中比に分割すること。(√5-1):2(ほぼ1対1.618)。長方形の縦と横との関係など安定した美感を与える比とされる。
黄道十二宮 上巻27頁
黄道(地球から見て太陽が地球を中心に運行するように見える天球上の大円。天の赤道に対して約23度半傾斜する。黄道が赤道と交わる点は春分点・秋分点である。)を中心にして南北に幅それぞれ8度、すなわち総幅16度の帯。主な惑星および月・太陽は主としてこの帯内を運動し、その外には出ない。これらの天体の位置を指定するため、古代よりバビロニア・エジプト・インドにおいて獣帯を十二宮に等分した。
司教冠 mitra 上巻40頁
ミトラとも言う。司教の被り物。かっては枢機卿や大修道院院長も着用した。上部が二つに割れ、先端は尖った形をしており、しばしば刺繍や宝石で飾られている。
死海文書 上巻331頁
1947年以来数回にわたって死海北西岸の岩山のクムラン洞窟群を中心とし、その他の洞窟から発見された羊皮・パピルス等の文書の総称。紀元前 125~後68年の、イザヤ書などの旧約聖書やエッセネ派に関する文書の断片を含む。大半がヘブライ語・アラム語で書かれたユダヤ教文書。死海写本の大部分はエルサレムのイスラエル博物館内の<聖典殿>に保管されている。<クムラン文書>を蔵書していた共同体がユダヤ教エッセネ派に属するという仮説はその後の証拠により裏付けが進展中。この世を光(真実の霊)と闇(虚偽の霊)との闘いの場とし、終末における光の勝利を確信し、厳格な戒めを守りつつメシアの到来を待ち望むという彼らの生活態度は、洗礼・聖餐という典礼とともに原始キリスト教会に引き継がれたと想定することもできる。
赦罪 上巻20頁
旧約聖書では神に対する罪を許していただくために動物の血を祭壇に注いだり、体を焼いたりして神に罪の代価として捧げた。イエスはこの贖いの完成者であった「人の子がきたのも・・・多くの人の贖いとして自分の命を与えるためである」(マルコ10:45)。イエスが十字架で死んで血を流すという贖罪で人間の罪は贖われたとされる。
受難 上巻21頁
イエス・キリストの十字架の死を、キリストの受難という。イエスは十字架上で「わが神、わが神。どうして私をお見捨てになったのですか。」(マルコ15:34)と叫んだ。
杖 crozier 上巻40頁
上端が十字形をなす行列用の杖で、総司教と大司教が用いる。総司教の杖の十字の横木は2本、大司教の場合は1本である。教皇の杖は横木が3本付く。但し、一般に司教杖といえば、上端の曲がった牧羊杖を指す事が多い。司教と大修道院院長が用いる。
色素欠乏症 上巻8頁
白子(しらこ),アルビノとも。先天性白皮症のこと。メラニン色素が先天的に欠乏する疾患。劣性遺伝。限局性と汎発性のものとがある。後者がいわゆる白子で,毛髪は,白髪または金髪,虹彩(コウサイ)や脈絡膜の色素も欠き,瞳孔(ドウコウ)は淡紅で,光をまぶしく感じる。爪(ツメ)・歯の奇形その他の発育障害を伴う。治療法はない。動物ではシロウサギ,ダイコクネズミ,シロヘビなどがよく知られ,それぞれアナウサギ,ドブネズミ,アオダイショウの白子(白化型)である。いずれも赤い眼を特徴とする。また、箱舟で有名なノアもアルビノであったとも言う。
東方三博士の礼拝 上巻237頁
キリスト降誕の折、東方から三人のマギ(占星術師)が新しい星に導かれ、幼子キリストを拝しようとヘロデ王のもとに来た。ガスパール、メルキオール、バルタサールがその三人の名前。
魔女の鉄槌 マレウス・アレフィカルム 上巻175頁
ハインリヒ・クレーマーとヤーコプ・シュプレンガーによる本著では、魔女の定義の他、魔女裁判の方式を仔細に述べている。従来の異端審問を当該の問題に関して詳述したもので逮捕・尋問・証人・判決に至る諸手続きを論ずる。 被疑者は妖術を用いないように裸にされ、獄につながれる。裁判官は自白を勧め、それに従わない場合は網で縛って拷問にかける。
魔女の鉄槌サイト(英語)
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