時系列的に並べているだけで、神の神性や宗教的意義についての解釈や映画製作者の意図が全く見えてこない作品。マリアが必要以上に訳知り顔でイエスに神の教えを諭すのが、この作品独自の主張か?
「バットマン」シリーズ最新作で主役に抜擢された若手スターのクリスチャン・ベイル主演のスペクタクルロマン大作。聖母マリアの受胎告知からキリストの復活まで、ナザレのイエスの生涯を母親としてのマリアの視点から描いたまさにバイブル的作品。と、粗筋に書かれているが・・・・???
歴史的に見て、女性は一段低い地位とされ、キリスト自体は平等に扱っていたようですが、ペテロとかそれを引き継ぐローマ・カトリックではやはり男尊女卑的な視点が濃厚でした。それゆえ、マグダラのマリアの扱いがひどい(最初に復活に接したのに・・・)のも普通だっ
たしね。そんな背景でマリアがイエスに神の教えを諭すなんて考えられないし、正統的な考えとも言えないでしょう。完全な創作じゃないでしょうか?
ちなみにマリア信仰は、異教徒の大地母神をキリスト教に取り込む際に、生じてきた二義的な存在で本来のローマ・カトリックの立場からは好ましくないが、あくまでも信者獲得の計略のもとに容認されてきたと見るのが現代的な解釈という説があるそうです。
見方によっては、あえてアンチ・テーゼとしてのキリスト映画か?最近作られたものにしては、刺激が全くなく、ただ、惰性で進行するレベルでした。それ以上評価することができないなあ~。
ただ、そういうキリスト的素養がなくちょっとお勉強で見るにはいいかも?独創性のない分、ちゃんとしていると評価できるかも?私自身もキリスト教徒じゃないから、門外漢の評価ですけどね。