2005年01月25日

パッション(2004年)メル・ギブソン監督

パッション公式サイト ヘラルド映画
見る前は、かなり期待して見始めたのですが・・・。なんなんだ、コレ!?っていうのが第一印象。いきなり失礼かもしれないが、B級はおろかC級以下のスプラッター映画かと思った。安っぽい暴力シーンが延々と続き、不必要にイエスを貶める事で、何が生まれるのだろうか?

ゲッセマネの祈りの場面から、死後の復活までの間を、最大限に引き伸ばして描いているがその描き方に、一切の敬虔さが感じられない。確かに、我々人類の罪を一身に背負って贖うのを強調するがゆえに、主の苦しみを必要以上にリアル(=製作者側の独りよがりな感じ方)に描いたとでも言うのだろうか? 

基本的には、一般に受け入れられている聖書のストーリーに準じてはいるが、バラバとの2者択一の場面以降で再度、イエスの処分を問う辺りは創作であろう。また、十字架に架かっている最中にマリアがイエスに近づく場面もあるが、通常では考えられない創作と思われる。
その辺りは映画であり、全くどうこうするというものではないが、イエスを必要以上に拷問にかけ、血しぶきが飛び散る場面だけを繰り返し、繰り返し描く事にどんな意味があるのでしょう?映画の全編を通して感じるのは、サディスト的な破壊欲の表れだけで、最低な感情しか感じ得ない。普通人の私でさえ不愉快だった。

仮にキリスト教徒が見た時に、どれほどの不快感を催すか想像できないくらいです。特にヒドイなあ~と感じたのは、十字架に架けられたイエスをそのまま、表・裏とひっくり返して痛めつける場面。ローマ人に対して憤りを感じるのではなく、製作者の良識を疑う方面に意識がいきます。これ作った人は、一体何が言いたいのだろうか?と。

ここしばらく見た中で、一番最低なキリスト教関係の映画でした。「最後の誘惑」とかは批判も多いですが、意欲的に新しい解釈に挑むだけ、映画としての意義も価値もあるでしょうが、この作品は、暴力主義の表明に過ぎず、それをイエスを通して表現する故に、最低な映画だと感じました。個人的には、嫌いなタイプの映画です。もっと別な表現があったのでは思います。

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posted by alice-room at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 【映画・DVD】 | 更新情報をチェックする
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