これは、もうホラーではあるんですが、そういったジャンルを超えて怖いんですよ。何が怖いかって・・・、アメリカ映画では絶対に作れない怖さ。あれだけの歴史があるイタリアだからこそ生み出せる文化的洗練さが歴史的重みを有して初めて作れる怖さとでもいうのでしょうか。日本のお寺で怪談やってもあの怖さは生み出せませんよ!
しゃれこうべを堂々と壁一面に飾り、人の大腿骨と頭蓋骨で天使のデザインを作る国民性(ローマの骸骨寺)でなければ無理でしょう。不思議な美しさで一瞬、開いた口がしまらなかったくらい。
最初、冒頭のシーンの意味が分からなかったのですが、あれってものすごい伏線です。しかも創作ではなくて、ヨーロッパの有名な大聖堂では、本当にああやって異教徒を殲滅した後、異教徒の聖地をわざわざ選んでそこに教会を作っていくんですよね。同時に、異教徒が崇める聖なる祝日をそのままキリスト教の祝日にまですり替えていくのですから、念が入っています。
もっともこれは、どこ国の宗教でも見られることで、日本では地方の神社にいくと同様のことがしばしば見られます。日本では、大和朝廷と地方の豪族が争い、中央が地方侵略を進めていく過程で、地方豪族が敬っていた土着の神を国津神とし、中央の天照系の神を天津神として神社に祀らせます。そこで巧妙なことに、土着の神は奥の院に祭らせる一方、天津神は手前の大きな本社で祀ります。すると、どうなるか?
時代を経るに従い、奥の院は忘れ去られ、本来の神がないがしろにされて中央の神ばかりが大切にされるのです。同時に、神様の祭り方も主神が天津神で、副神に土着の国津神が置かれることで神様の序列がしっかりと刻み込まれてくるわけですね。しかし、本当に巧妙な支配ですね。古事記や日本書紀を読んでいてもすぐ気付きますが、こうして天皇制による中央支配が確立し、地方の隅々まで天皇中心体制が浸透していった訳です。
またまた話がそれてますが、キリスト教のもまさにそれと同じなんですね。人々は、自分達を征服した本来、敵である人たちの神を自らの神と誤解させられて拝んでいるわけです。そりゃ、悪魔だって出てくるでしょう。そんなひどいことをされたらね。もっとも悪魔といっても、単なる異教徒の神である可能性もあるわけですが・・・。
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2005年02月04日
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