
[リスボン 14日 ロイター] ポルトガルではこの火曜日を服喪の日に定め、政治家は選挙運動を縮小する。ファティマで聖母マリアの出現を目撃した3人の子どもの最後の生き残り、ルシア・ドゥ・ジュズス・ドス・サントスがこの世を去ったからだ。
カトリック教会によれば、ドス・サントスは幼い少女だった1917年に、その何十年も後の1981年に起こったローマ法王ヨハネ・パウロ2世暗殺未遂事件を予言したという。彼女は日曜日、リスボンの150キロ北の街コインブラのカルメル会修道院で97年の生涯を終えた。彼女は火曜日に修道院で埋葬され、遺骸は一年以内に近くの都市ファティマに移される予定だ。ファティマはカトリックの主要な巡礼地である。
日曜日、ペドロ・サンタナ・ロペス首相は火曜日を国家的服喪の日とすると宣言した。「シスター・ルシアは近代ポルトガル史における偉大な人物です」サンタナ・ロペス首相はTSFラジオで発言した。広報担当者によれば、彼は葬儀に出席するかもしれないそうだ。ポルトガルでは日曜日に解散総選挙が予定されているが、サンタナ・ロペス首相の所属する中道右派の社会民主党と連立相手の右派・民衆党は月曜日と火曜日の選挙運動を一時中止する。世論調査では大幅にリードしている野党の社会党は、選挙運動の規模を縮小するという。
ドス・サントスは20世紀の大事件に関する聖母の預言の主な受信者だったと信じられている。預言の第一部は地獄のヴィジョン、第二部は第二次世界大戦の勃発を予見するものだった。バチカンは預言の第三部を、法王暗殺計画と共産主義によるキリスト教の迫害を予言するものと解釈した。教会は2000年に法王がファティマを訪問するまで何十年ものあいだ、預言の詳細を秘密にしてきた。
ほかのふたりの子どもたち、ドス・サントスのいとこヤシンタとフランシスコ・マルトは、それぞれ1919年と1920年に亡くなった。ふたりは列福され、2000年には聖人となった。
全然、知りませんでした。この記事の事。先月だったにもかかわらず、日本では全然報道されないんだもん(TVでは)。世界中で、このファティマさんを巡る話題は絶えず起こっており、たくさんの記事が出ているのに・・・。少し、拾ってまとめておくと(以下、記事転載)。
◎『ファティマの預言』の第三の秘密公表=バチカンのソダノ国務長官「教皇狙撃を示す」= (2000年5月)
【ファティマ(ポルトガル)=ENI・CJC】 ローマ教皇ヨハネ・パウロ二世は五月十三日、二日間のファティマ巡礼訪問を終えた。疲れが目についたものの、長年の課題だった、一九一七年にイエスの母マリアの顕現に接したという『羊飼いの子供』の列福を果たした。ファティマは人口八千人の小さな町にも関わらず、教皇の訪問に合わせてやって来た巡礼は六十五万人に上ったと見られている。フランシスコとジャシンタ・マルトは教会史上初めて、殉教者ではないのに列福された点で顕著な事例。
しかし、いわゆる『ファティマの預言』の第三部があるとされながら、明らかにされていなかったものを、一部とは言え教皇が最後に公表したことで、メディアの関心は一挙にそちらに移った。
今も九十三歳で健在のルシア・ドスサントスさんはカルメル会の修道女。一九一七年七月十三日に、処女マリアが三部からなる『秘密』を明かしたと主張している。
第一部は、地獄と救済に関するもので、第一次世界大戦の終結と第二次大戦の勃発(ぼっぱつ)などが示され、第二部は、東方からの脅威として、ロシアでの無神論の広がりとその完全な転換を予想していたとされていた。しかし第三部は、ルシアさんが四〇年代にポルトガル語の方言で書いた文書を当時の教皇ピオ十二世に送って以来、ルシアさんと歴代の教皇を除いて、その内容は知られていなかった。
今回、教皇に代わって国務長官アンドレ・ソダノ枢機卿が明らかにした第三の秘密は、白衣の司教が地面に、銃撃を受けたかのように倒れている、というものだった。教皇は十三日にルシア修道女と会見した際、この預言が八一年にサンピエトロ広場で銃撃され、重傷を負った事件を示すものだという理解で一致した。さらに預言は共産圏諸国だったキリスト者の迫害に言及したものと理解されたという。
教皇庁は近い将来に第三の秘密にかかる文書を全部公表する。教皇ヨハネ・パウロ二世はこれまでにも、八二年と九一年の二度、ファティマを訪問したことがある。
◎「大惨事にファティマの預言は触れず」=シスター・ルチアがうわさを否定=
(2001年12月)
【CJC=東京】『ファティマの聖母』の顕現に接した中でただ一人の生存者ルチア・ドスサントス修道女(94=カルメル会)が、あの九月十一日のテロリスト攻撃に関する新たな幻は見ていないし、バチカン(ローマ教皇庁)が、『ファティマの第三の秘密』と呼ばれるものについて、その一部しか発表していない、ということを否定した。
教理省局長のタルチシオ・ベルトーネ大司教が、この十一月に同修道女と会見した内容を十二月二十日、文書で明らかにしたもの。この文書にはルチア修道女も署名している。
ベルトーネ大司教は十二月初め、ポルトガルのカトリック・ラジオ局に、『ファティマの聖母』を尊崇するカトリック者が、ファティマの預言や米国で九月十一日に起きたテロ攻撃に関する誤った噂に「気分を害し、そして困惑して」いるので、ルチア修道女に説明を求めたいと語っていた。
◎イランが聖母マリア横取り=バチカン、イランに抗議=(1995年12月)
【CJC=東京】国営イラン放送が「聖母マリアの出現」で知られるポルトガルの聖地ファティマを、イスラム教の開祖マホメットの娘ファティマに由来するかのように放映した。十月からファティマ巡礼のドキュメンタリーを数回放映したもの。
放送で、約八十年前に現れた「ファティマの聖母」は、実は預言者マホメットの娘でシーア派初代イマム(指導者)アリの妻となった七世紀の実在の女性ファティマだったと説明したことから、バチカン(ローマ教皇庁)がイラン外務省に抗議している。 ファティマは、一九一七年に聖母マリアが目撃されたといわれ、現在は内外から年間数十万人の巡礼者が訪れる。
一方、共同通信によると、ファティマ信仰のあついイラン人からはテヘランのポルトガル大使館には早速、巡礼希望者のビザ申請が殺到している。
確かに割合として日本にはキリスト教徒は少ないですが、海外のペット情報とかを流してるわりにこういうのをほとんど放送しないのも、偏向報道のような気がするんだけどなあ・・・(私が新聞を読み飛ばしているせいもあるか?)。まあ、日本のマスコミは嘘と虚飾にまみれた報道しかしないから、仕方ないか(平気で学問的に間違ってことを書いてあるし)。イラク問題の報道も、大本営発表と変わらないみたいだし。憲法改正もそうだが、討論すること自体は当然のことなのになあ~。与えられた範囲内でしか、行動できないとは・・・。報道機関が、そもそも既得権化して腐敗してるのはお役所と一緒だしね。悲しいお話。
関連ブログ
「ファティマ 第三の秘密」教皇庁教理省 カトリック中央協議会