今までも他の本読んでいて、時々感じていたけど、この著者、大学の出版関係の人なのですが、全然一次資料当たらないんだよね。
いっつも二次資料とか孫引きの3次以降の資料とか、あまりにも手抜き過ぎるよねぇ~。
研究者として、正直どうよ?って思う。
資料も確かなものがないうえに、二次資料から勝手な推測で定量的な研究でもしたかのように書くのは、やめたらいいのに・・・。恐らく学問的な価値は、皆無かと。あくまでも自己満足じゃないのかね?
自ら調べた数値を元に、足りない部分を明示的に根拠を示しつつ、仮定として話を進めるのなら、まだしも。どっかから集めた数値を、適当に自分の勝手な思い込みで仮定し、出来上がった全く無意味な数字を元に、さも定量的な説明をしようとするから、正直とんでも本に限りなく近づいているような気がしてなりません。
プランタン関係の部分を読みたくて、この本を手に取ったのに、私も印刷博物館で展示見たし、図録も持っているその図録の数値を流用して、適当なこと書くのはやめていただきたいなあ~。
研究者としては、根本的なところ間違っているかと思われます。
単なる物書きのエッセイなら、まあ、いいでしょうが、著者にエッセイとして本書を書く依頼する出版社があるとも思えませんけどね。
なんか、化けの皮はがれたような感じがしてなりません。
予感はあったものの、今まで素直に騙されていた私が読者として無知だったんだろうなあ~。
結論、本書は読むに値しません。
印刷博物館の図録購入して読みましょう。本書の何百倍も価値あります。
この著者の書く本の特徴は、定量的な説明が多いものの、一切の数字が根拠がなく、きちんと一次文献にあたって自ら確認する最低限の基本を怠っているので、信憑性がまったくありません。
本書だけではないけど、類書で結構適当に自分しか信じていない仮説(=思いつき)を普通に、さも正当な根拠のある説のように語るので、ご用心!
著者の説明をうのみにすると、誤った認識を持ってしまいます。本書でようやく目が覚めた私でした。全著作を否定するつもりはありませんが、特に本書はどうかと思いますよ~???
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第1章 近代「出版者」の誕生
万里横行の四人
ウエストミンスターのキャクストン
ロンドンのウオルデ
ニュールンベルクのコーベルガー
アントウェルペンのプランタン
四人のトポロジィ
第2部 出版史断章
トマス・クリード:エリザベス時代の印刷家
ビブリオポーラの系譜
近代出版産業の成立と解体
「近世ヨーロッパの書籍業」箕輪成男 出版ニュース社
「中世ヨーロッパの書物」箕輪 成男 出版ニュース社
プランタン=モレトゥス博物館展カタログ