
たくさんのカラー図版入りで、全くの浮世絵の初心者が理解するのに役立つであろう、浮世絵のお約束となる部分を簡便にまとめて説明されています。
特にお上の圧力で検閲される当時の世相から、各種比喩が多用され、重層的なイメージの指し示す実態へと向かうアプローチ法など、分かり易い説明だと思います。
あと実際の作成の工程や流通事情など、浮世絵を取り巻く一通りの基礎が身に付きそう。
そういう意味では良い入門書かと。
ただね、採り上げられている図版とかは、正直全然面白くない。本としても、平板且つ平凡過ぎて、興味を維持するのは難しいかも?悪い本ではないんですけどね。
購入してまで読むことを薦めるかと言われれば、微妙な気がしますねぇ~。個人的にはイマイチ感が拭えません。今週は、あまり面白い本無かったなあ~。残念!
【目次】カラー版 浮世絵 (岩波新書)(amazonリンク)
第1章 浮世絵のながれ
浮世絵版画のはじまり
錦絵の誕生
現実に向ける眼差し
急速な大衆化
浮世絵の終焉
第2章 錦絵のジャンル
美人画
役者絵
名所絵(風景画)
花鳥画
戯画
武者絵・物語絵
第3章 重ねられた主題と隠された主題
イメージの重層を楽しむ―見立絵
世相諷刺を読む
第4章 錦絵はいかにつくられ、売られたか
改め、彫り、摺り
販売の実態
購買層と値段
第5章 錦絵の技法さまざま
摺り色制限の効果
空摺という技法―質感再現のために
ぼかしのさまざま
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