各話完結タイプなので、どこからでも読んでいけるのが有り難いかもしれません。
主役と言っても基本、表に出ず、最後に種明かし、というか謎の説明役として登場し、必要な説明だけすると消えていく・・・そんな流れなので読み易いです。
何冊かこのシリーズ読んでますが、現実の国際政治に絡めて、その裏話的なものと稀覯本(書籍)がうまく相互に関連してなかなかに興味深い物語となっています。
「ゴルゴ13」と同系列と言えば良いでしょうか?
あちらは国際政治に絡んでの暗殺・殺人が主題ですが、こちらは広い意味での紙が主題で共に『情報』こそがキーとなっています。
まあ、現実のウィキリークスとか見ると、物語以上に現実世界の方が戯画的ではありますけど・・・。
では内容についても少々。
満州国絡みの話は、定番中の定番ですね。
革命の露と消えたロシア皇帝一族の話。
夢野久作の短編にもありましたね。あちらは今回の仮説とは別な方を採用し、それはそれで面白かったですのが、こちらもいい感じです。
あと、切り裂きジャック。
同時平行で読んでいる小説「時の地図」がまさに、そのまんま切り裂きジャック出ていたので私個人の中でオーバーラップして読んでいました。
他の作品もそうですが、必要以上に過剰ではなく、抑えた表現で淡々と語る文体(スタイル)は、結構、好きですね。
主役がでしゃばることなく、むしろ傍観者に近い立ち位置というのがなかなか良いかと・・・。
今回は、客室付きの温泉に浸かった後でゴロゴロしながら、読書を楽しみました(笑顔)。
そういうのにも合う一冊です♪
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