2012年04月08日

「誤植聖書殺人事件」ロバート リチャードソン 扶桑社

『誤植』聖書って単語から、姦淫聖書や悪魔の聖書等を想像して読み始めてみたのですが・・・。

ラティマ・マーシー、という誤植の聖書は出てくるものの、全然それに関する薀蓄やら、広がりのある話は一切無く、単なる小説の舞台の道具立てとして、チョロっと出る程度で何ら特別な意義を与えられていません。

イギリスの地方都市を舞台にした、ごくありふれた殺人事件で謎解きらしい謎解きもなく、人物の心理描写等もまあ『並』としか評しようがない、2流小説です。

せっかく中世以来の聖書や教会の塔があり、聖史劇など中世色濃厚なのに・・・それらの材料を全然活かしきれていない、もったいなさが悔しいです。

現代に限らず、舞台的には中世にまで遡って諸々絡めていけば、話も広がり、読書の知的好奇心をそそるのかもしれませんが、本当に登場人物も凡庸で、それだけ現実性が高いかもしれませんが、読んでて全く面白いところが無かったので相当辛いです。

どっかで盛り上がりがあるかと、少しだけ期待はさせるのですが・・・・本当に何にもなく、つまんない個人的思い込みからの殺人事件でもうがっかり(涙)。

時間の無駄ですし、通常の小説としても一定水準に達しているとは思えませんので、お薦めしませんねぇ~。これは。

誤植聖書殺人事件 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)(amazonリンク)

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ラベル:書評 小説
posted by alice-room at 14:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説B】 | 更新情報をチェックする
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