ラティマ・マーシー、という誤植の聖書は出てくるものの、全然それに関する薀蓄やら、広がりのある話は一切無く、単なる小説の舞台の道具立てとして、チョロっと出る程度で何ら特別な意義を与えられていません。
イギリスの地方都市を舞台にした、ごくありふれた殺人事件で謎解きらしい謎解きもなく、人物の心理描写等もまあ『並』としか評しようがない、2流小説です。
せっかく中世以来の聖書や教会の塔があり、聖史劇など中世色濃厚なのに・・・それらの材料を全然活かしきれていない、もったいなさが悔しいです。
現代に限らず、舞台的には中世にまで遡って諸々絡めていけば、話も広がり、読書の知的好奇心をそそるのかもしれませんが、本当に登場人物も凡庸で、それだけ現実性が高いかもしれませんが、読んでて全く面白いところが無かったので相当辛いです。
どっかで盛り上がりがあるかと、少しだけ期待はさせるのですが・・・・本当に何にもなく、つまんない個人的思い込みからの殺人事件でもうがっかり(涙)。
時間の無駄ですし、通常の小説としても一定水準に達しているとは思えませんので、お薦めしませんねぇ~。これは。
誤植聖書殺人事件 (サンケイ文庫―海外ノベルス・シリーズ)(amazonリンク)
ブログ内関連記事
『姦淫聖書』(Wicked Bible)誰か買って!
「悪魔のバイブル」、350年ぶりにチェコに里帰り