2012年04月15日

「王様の速読術」斉藤英治 ダイヤモンド社

だいぶ前に書店で見つけた本、読み易かったけど、ざっと立ち読みした限りでは中身が無かったのでその時は購入せず。

先月、図書館で見つけて今日返却為、電車内の40分で初めから読了。

暗い国と明るい国。
暗い国から来たスパイに、成功の秘訣(=速読術)を教える明るい国の王様、という物語仕立てで、非常にとっつきやすくしています。

書かれている内容も、本全体を眺める、目次を見る、関心を持ったところを重点的に読む、といった基本中の基本だし、それらをアウトプットするとか、まさに王道でしょう!

本書が出た、自己啓発本華やかなりし頃には、売れたかもしれませんね。
勝間さん系の本です。

と、同様に・・・・いいっちゃいいんだけど・・・・率直なところ、本を読むのに慣れていない中学生以下の人向きぐらいのレベル。

まともに勉強して高校、大学ぐらいまで来ている人なら、本書を読まなくても、この水準ぐらいは身に付けているでしょう。じゃないと、まともなレポート出せないし、卒論書けないはず。
(まあ、AO入試とか、ゼミ無し、卒論無し、あってもwikipedeiaコピペなら、日本国内限定のなんちゃって大学生なんで、それらは除く)

勿論、そういった教育を受けていなかったり、これから諸々学んでいく学生さん向きには、効率良く、常識的な読書方法なので一読する価値はありますが、所詮は「速読術」とか言ってしまっている点で、薄っぺらさが出ています。

情報を収集し、ある程度理解できるようになって、ざっくり本書のレベルなら、ようやく物事のスタートラインに立ったぐらいでしょうか? この初心者レベルから、いかに深く、価値あるレベルにまで辿り着くのか・・・? それこそが今後の時代の課題でしょうけどね。

ベスト・プラクティスなんて、言っている人には、膨大な試行錯誤の果てにようやく価値あるモノを見つけ出すプロセスなど、理解できないんでしょうね。それこそが自分を成長させるということであり、結果として(初めからこれを期待しているのは本末転倒の感さえあるが・・)他者との明確な差別化につながる強みだと私は思いますけどね。

もっとも一時は私自身も結構、関心持っていたのも事実。
その時期があったので、その限界も自らの中で強く感じるようになりましたし、同時に知識が体験に裏打ちされて、自らの血肉と化すことも心底納得できるようになりましたもんね。

いろいろな意味で巧い本ではありますが、素晴らしい本ではありません。

もう一言でも、基本からその先への方向性まで触れていたら、私的な評価は変わったかもしれませんが、最後の方になるにつれ、本書自体の限界の方が目に付いてしまう、『自己啓発の呪縛』という枠にはまりきった印象を持ってしまいました。

そこが残念ですね。
類書の中では良い方ですが、このレベルを早く卒業していかないと、何も知らないままで終わってしまいそうな気がしないでもありません。そんな感じの本でした。

自分自身がまさにその状態だったってのもありますけどね。
【目次】
第1章 ワシには30分しかないのじゃ!
第2章 30分で1冊を読破―王様の速読術
第3章 目的別に速読術を使いこなすコツ
第4章 錬金術でアウトプットしよう
第5章 大王様への道
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posted by alice-room at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 実用・ビジネスB】 | 更新情報をチェックする
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