2012年06月09日

「探偵・花咲太郎は閃かない」入間人間 アスキー・メディアワークス

hanasaki.jpg

なんというか、所謂、探偵小説らしくないのが流行の時代の探偵小説、といえば、思い当たる方々がいらっしゃるかと・・・・。昨今、よくあるパターンの既成の概念の枠から、ちょっとずれた形で新規性を出した、別の意味でよくあるタイプの小説です。

昔だったら、『変格』探偵小説とかいう感じでしょうか?

推理をしない探偵さん。
まあ、それはそれでよくあるわけですが、この主人公の探偵さんもその手の方で頭を使った推理をせずに、まあ、行動することで自然と解決していくのをあるがまま受け入れる派だったりします。

最初はちょっと目新しさを感じますが、慣れてくると、正直、その感覚も薄れます。
あとは、今風のキャラ付けかな?

僕はロリンコンでそれを公然としつつ、少女と一緒に暮らしている、何気にリア充な奴だったりします。
たいそうな密室殺人等の事件を解決するよりも、身近な犬・猫の捜索の方が自分的には好ましいと思って仕事をしてしまう、まあ脱力系のムリしない派の探偵さんです。

どこぞでちまちました、本当の事務仕事なんかしてるよりもなんぼかマシですね。
ハンコ押しの仕事なんてやだ。毎日毎日、紙の枚数数えるような仕事が本当にこの社会にあるなんて、初めて知りましたよ。この歳になって・・・!
(ベンチャーのドタバタはあっても、遣り甲斐のないベンチャーは辛いなあ~。私事ですが・・・。)

さて、小説、小説。
変格・小説。

ロリコン探偵が少女と一緒に(別行動の方が多い?)、歩き回ると全て解決♪

その謎解きのスパイスに、これまた今風の若者的価値観を皮相的に利かせていますが、単に社会的な規範よりも(本当は有象無象の一存在であるところの)個人の価値観を優先させているだけであることを認識できない、『無知』による犯罪でしかなかったりする。

まあ、謎解きがメインではないし、ロリコンの若者の爛れた日常の描写、それこそが本書の主題なのだと思われます。

そして、それは十分に成功しているかと思う。つまり、読んでて悪くないです。
お薦めしませんが、暇なら読んでも良いでしょう。
みーまーと比較しなければ、いいだけの話です。

しかし、思うのだけれど、著者の作品の登場人物は、みんな同じなんだよね。
普通に、普通で、どこにでもいそうだけど(確かにいるのだけれど)、まあ、いなくてもいいし、いてもいい。

本人の存在も含めて、どうでもいい。その一言に尽きるか。
醒めた、というか昔の言葉なら、白けた、というか、緩い、つ~か、ぬるい、つ~か・・・。

居心地はいいのだろうけど、刺激には乏しいのかもしんない。
あ~中南米行きたいっす!
帰国したら、速攻で会社辞めちゃいそうで今は我慢しなければですが、最近、脳がとろけそうな私には危機感さえも薄れているのか・・・駄目駄目だね。

まあ、のんびりでも食べていけるなら、こういう探偵の仕事もありだし、羨ましいねぇ~。
飽きっぽい私には、半年ももたなそうですが・・・・。

ロリコンで幸せに生きられるなら、そういうのもヨシかと。
本書を読んで思ったのは、それだけでした。

探偵・花咲太郎は閃かない (メディアワークス文庫)(amazonリンク)
posted by alice-room at 07:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 小説B】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
コチラをクリックしてください

この記事へのトラックバック