2005年04月06日

「フランダースの犬」ウィーダ 著 新潮社

dog.jpgもう、涙、涙、涙しかないフランダースの犬に小説があるなんて初めて知りました。本ではせいぜい絵本かなあ~って勝手に思い込んでいたんで。先日のアントワープ王立美術館のTV見て、思わず思い出した! そして目に飛び込んできたのがこの本。

とっても有名な話ですから【ネタバレ有り】で書きますね。


この本では、パトラッシュの一人称(一犬称?)で書かれています。相変わらず可哀相なんだけど、TVの時に比べるとはるかに優しい。残酷な最初の主人が虐待のあげく、倒れこむと捨てたパトラッシュなのに、ネロの手当てで元気な姿を見ると、所有権を主張し、金をせびりとろうとする普通によくいる極悪人。本ではこれが無い。良かったね、パトラッシュ。と思う一方、なんか物足りなく感じてしまうのは・・・人間って不可思議?

残酷な主人は、無頼の限りを尽くしてさっさと死んでしまい、パトラッシュに再び出会うことがないのだから、喜ぶべきなのに・・・。実際、TVの方がはるかに面白い。アロアとネロの淡い恋心も紙面が少なくてイマイチ感情移入ができないし。おじいさんが亡くなるところもさらっとし過ぎていて・・・。TVではもう涙無しに見られる回が無かったもん。

あっ、でもラストの悲劇だけは一緒。ルーベンスの絵を見る最後の願いがかなって良かった!・・・じゃ、すまないでしょう。あんなに清く正しく生きているのにね。なんかヒドイよね、善人が必ずしも報われるわけじゃないというのを子供のうちから教えるというのもスゴイ話のように思うのですけど・・・? ネロの台詞が心に残る。「この絵を描いた人は、お金が欲しくて描いたわけでもないし、お金を払わないと見られない、そんなふうにして欲しいと考えるはずはないのに・・・(記憶なんで少し違うかもしれないけど・・・)」ルーベンスの絵を教会で見るには、お金がいるのです。当時の教会の拝金主義に対する強烈な当てこすりです。天使のような善人、ネロが最初で最後に述べる非難。心に突き刺さります。

でも、本よりはTVや映画の方がいいなあ~。あっちが好き。

フランダースの犬新潮文庫(amazonリンク)

関連ブログ
NHK世界美術館紀行「ルーベンス・故郷に捧(ささ)げた祈り~アントワープ王立美術館」


ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 02:34| 埼玉 ☔| Comment(4) | TrackBack(2) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
コメント、TBありがとうございます。
原作はかなり救いのない、内容のようですね。
私は日曜日の世界名作劇場ではフランダースの犬が一番好きでした。
ヨーロッパの階級社会の大きな壁を痛感した物語でもありました。
現実世界のネロとパトラッシュ(銅像)も苦労しているようです。
なんだか寂しいですね。
Posted by bonejive at 2007年02月25日 19:51
bonejiveさん、こんばんは。やっぱりネロとパトラッシュには苦難がつきものなのでしょうか? できるだけ彼らには幸せになって欲しいと心から思いますね、本当に!!
Posted by alice-room at 2007年02月26日 01:03
こんばんは。
TBありがとうございました。

原作、読んだことないです。
アニメとはちょいと違うようですね。
(ラストは一緒でも)

悲しい話では「ごんぎつね」なんて好きです。
Posted by Tak at 2007年03月04日 17:54
Takさん、こんばんは。TB有り難うございます。アニメとは確かに微妙に違っている感じでした。私としてはアニメの方が好きでした。

あっ、ごんぎつねも心に残る作品ですよね。私も好きな作品でした。
Posted by alice-room at 2007年03月05日 22:53
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パトラッシュよ永遠に・・・
Excerpt: なんだかだらだらしてきたんで最後にひとつ。 これ、この旅行に行くまで知らなかったんですが、最後の日にベルギーのアントワープに行くことになっていた。 アントワープといえば『フランダースの犬』..
Weblog: 何様匠様日記
Tracked: 2005-12-21 15:53

パトラッシュ、僕はなんだか疲れちゃったよ。すごく眠いんだ。
Excerpt: LALALA LALALA ZINGEN ZINGEN KLEINE VLINDERS LALALA LALALA ZINGEN VLINDERS LALA LALALA LALALA ZINGE..
Weblog: 弐代目・青い日記帳 
Tracked: 2007-03-04 17:52
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