2006年11月28日

「ピエドラ川のほとりで私は泣いた」パウロ・コエーリョ 角川書店

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いつも読むたびに何かしらの力と勇気、人生を生き抜くことへの励ましを与えてくれるパウロ・コエーリョの本です。

この人の本はそれぞれ違いはあるんですが、本質的に同じことを訴えかけているように思います。「人生は素晴らしいものであり、周囲のことに捕らわれず、自らの心の声を聞くことで自分が本当に為すべき事を悟り、またそれを為すことで真の自分を得ることができる!」―ということではないでしょうか?

勿論、読み手によって感じるものや気付かされる事は異なるのでしょうが、本当の『自分』を見つける為に一歩を踏み出す勇気を改めて自分の内面から気付かせてくれるように感じました。

粗筋としては、大人になっていつもの日常にしがみつくようにして生きる女性が旅に出ていた幼馴染の男性と再会する。彼は奇跡の力を有する修道士になっていたが、彼と一緒に旅することを通して彼女は本当の自分に気付き、人生が持つ意義と危険を顧みずに挑戦していくことができるようになっていく。

本の紹介には『愛の癒し』などとも書かれているが、そこに力点があるとは思わない。男女間の愛情以上に、貴重な価値観が描かれていると思います。

コエーリョの本にある種つきまとう宗教観、宗教色は否めませんが、それは特定の宗教への思い入れによるものではなく、あくまでも自らを誘う人に内在する超越的な『力』や『存在』に対して投射的に現されたモノであり、どこぞの安っぽい新興宗教やニューエイジ系のものとは異なります。

そこのところをよく理解して、純粋に本書を味わえれば素敵な本だと思います。まあ、誤解している方々も世界には多いようですが・・・。個人的には、好きなタイプの本です(笑顔)。

ピエドラ川のほとりで私は泣いた(amazonリンク)

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ラベル:書評 小説
posted by alice-room at 00:05| 埼玉 ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 【書評 海外小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
私、パウロさんの本が好きでほとんど読んでしまったんですが、”ピエドラ川~”は何度も読み返してしまう本の1つです。
なんか、読んでると落ち着くから好きです。周囲にとらわれずに自分がどうあるべきか、自分がどう自分の人生を生きて生きたいのか考えさせてくれる本だと思ってます。

たしかにパウロさんの本は宗教的なものを取り入れていることが多いですが、それは例えでしかないと思っています。真理を描いた本だからこそ、特定の信仰心がない人でも共感できる部分はたくさんあるんだと思います

パウロさんの本、大好きです^^
Posted by ヒロミ at 2007年10月07日 08:00
ヒロミさん、こんばんは。おしゃられるように、パウロ・コエーリョの本は宗教的な面で違和感を覚えてしまい、誤解を受けている感じがします。人間なら誰でもが共感できる本質的なものを描いているからこそ、世界中のたくさんの人に支持され、理解されているんだと思います。
勿論、私の大好きな作家さんの一人です。コメント有り難うございました。
Posted by alice-room at 2007年10月07日 19:56
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