知っている人は知っている人気アニメ、略称「ハガレン」が昨日から深夜枠で再放送になっています。私はリアルタイムでは見たことなくてDVD借りて見てたんだけどね。
原作を知らないまま、流行っていると聞いてミーハー的に借りてみたら、最初すっごくつまらなかった・・・。だって、まともに錬金術とか知っていたら、なんだそりゃ?っていうぐらい勝手な(独自の?)解釈をして、世界観を作っていたから・・・。
『錬金術大好き』の私としては、まあ~た子供騙しのアニメかよ~なんて気持ちで見ていたんですよ。だけど、全部でDVD2巻分(8話)見たら、結構はまっちゃいました。道具立ての錬金術に関するものは、正直まだまだ浅い。まあ、子供向けの前提がある以上、止むを得ないんでしょうが、いささかご都合主義でもあり、完全に間違って形で使われている用語も多々あるのですが、そういったことを無視してもなかなか面白いです。
この作品の一番のポイントは、未成年対象のアニメであるのにリアリスティックな人間性の描き方にあると感じています。いわゆる勧善懲悪が子供の世界でも虚構になってしまっているこの時代ならではの作品ですね! 名誉や欲望の為に、それ以外の肉親の情や普通の幸せ等一切を捨て去る人々。まさに資本主義が邁進してきた現代病です。奇しくも亡くなられた法王が今の時代でもっとも心配されていたことの一つでもありますね。
アニメで社会文化論とか言うつもりもありませんが、最近の少女アニメの心理描写や葛藤の生々しさをご存知でしょうか?性描写なんて瑣末な問題で本質的なのは、男女の性差をどうのこうのいうジェンダーよりもむしろ年齢差がなくなっている(否、逆転さえしかねない)エイジレスな心理面の方が問題のような気もするんですがね・・・。
う~ん、またまた話がそれたけど、先に粗筋を書くと。
設定は、国家が軍隊内の特殊組織として選ばれし錬金術師を管理している世界。幼い頃に、母を亡くした子供達が錬金術で母を生き返らそうとする。それは錬金術で禁じられた禁忌を犯す行為だった。当然、失敗するのだが禁忌を犯した代償としてもう一つの異世界に、兄は片腕と片足を、弟は肉体の全てを失う事(=魂だけが鎧に残る)になる。彼らは失ったものを取り戻す為に「賢者の石」を探す。その為の手段として軍お抱えの錬金術師として生きる決意をし、数々の問題に巻き込まれていく・・・。
とまあ、こんなところですが、さっきちょっと触れた生々しい人間性が嫌ってほど出てくるねぇ~このアニメ。しかも善人や罪もない子供とかが次々殺されたり、死んでいく。ある意味救いようがないアニメ。登場人物が次々と死んでいくなんて、昔の「銀河英雄伝説」か往年の「子連れ狼」並みの非情さですね。これを低年齢対象にやるんだから、やたらと冷笑的でいて感受性ばかりが繊細な大人に育つんだろうなあ~(ここにもいるが)。
ただ、唯一の救いは登場人物たちがそういう大人の社会の現実を知ったうえでも、希望(ある意味、正論)を捨てずに現実を生き抜いていこうとする姿勢が素晴らしいこと。最近のアニメでは珍しくストーリーがあります。
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ラベル:アニメ
漫画無料館のシゲ丸ともうします。
訪問&コメントしていただきありがとうございます。
パリでも放映されていたのですか。
凄いですね。
また、いつでも遊びにきてください。