2006年11月29日

「ダ・ヴィンチ・コード最終章」花山 空勝 ウィズダムブック社

本屋の店頭で何度も見たことあるのですが、あまりにも内容が論外のトンデモ本なのでうちのブログでは触れないできましたが、たまたま図書館にあったのでその場でざっと流し読みしてみました。

《結論》
これはいけません。トンデモ本でも読んでいて面白い本や(前提条件が)荒唐無稽でもそれなりに架空の論理で首尾一貫しているようならば、いいのですが、この本はヒド過ぎます。

誤解と曲解が随所に見られ、牽強付会どころの騒ぎではありません。引用文献内で、その箇所がどのような意味づけで書かれているかを全く斟酌せず、論旨を無視した字面のみの引用に加え、日本・ユダヤ同祖説や○○天皇がテンプル騎士団の会員だとか、笑うことさえできないほどです。

おまけに邪教で有名な立川流やらなにやらどっかで聞いたようなモノをきちんとした文献を見ないまま、適当に結びつけて解説(実は解説にもなっていない)しているさまには失笑を禁じえません。私も何冊か立川流の資料もありますが、全然違います。

少なくともこれまで私が読んだダ・ヴィンチ・コード便乗本の中では一番お勧めできないものです。amazonの書評もどう考えても不自然過ぎて作為的なものを感じてしまうのですが・・・。あまり大きなことは言えませんが、amazonのコメントには利害関係者による『やらせ』が含まれていることが時々あります。実際、私も仕事絡みで知っていますが、amazonのコメントには有用な反面、そうした危険性がありますのでご注意を!
もっともamazon自体は直接関知していないのでしょうけどね。

同じトンデモ本でも著者独自の主張があればいいのですが、文字と空間が多いだけで引用メインで成立している本書は、見ているだけでイライラしますのでこれはいけません。どちらにしてももうちょっと勉強してから、書いて欲しいなあ~と思いました。しかし、著者以上に本書を出版するしている会社がスゴイね。私には信じられません。
【目次】
裏コード解析1(ナザレのイエスは果たして実在したのか?
ナザレのイエスは実在した!? ほか)

裏コード解析2(新約聖書(福音書)は偽書?
聖母マリアは子だくさん ほか)

裏コード解析3(日本人とユダヤ人
ユダヤと日本の類似事跡 ほか)

裏コード解析4(聖遺物一―トリノの聖骸布
聖遺物二―ロンギヌスの槍 ほか)

裏コード解析5(リヒアルト・ヴィルヘルムからユングへ伝えられた蛇の力
キリストの聖婚と真言密教立川流 ほか)

裏コード解析6(「岩窟のマリア」を解析する
「モナ・リザの微笑み」を解析する ほか)

裏コードのウラ(イエスの死後復活を解析する)
ダ・ヴィンチ・コード最終章(amazonリンク)
posted by alice-room at 23:37| 埼玉 🌁| Comment(8) | TrackBack(0) | 【書評 小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Amazonの読者書評については以前NYTimesでも取り上げていました…米国の場合はもっと大胆(?)で、なんと著者みずからがあたかも第三者の読者を装ってコメントしているケースが散見されるそうです。また、自分の「商売がたき」の書いた本をやはり一般読者のふりをして糞味噌にけなしたり…そういう著者さんは、よっぽど自分の本だけを売りたいんでしょうね。もっとも売り主のAmazon側は、こういうせこい工作がバレた時点でやらせコメントをすべて削除しているそうですが…。「やらせ」はどこの世界でもはやってますねぇ…(嘆息)。
Posted by Curragh at 2006年11月30日 17:24
Curraghさん、やっぱりあるんですね。海外でも。私が知っているのは本以外のカテゴリーの品物でしたが、某会社の営業マンが自社製品について長所だけを誇張したコメントを書き込んでいた事実を知っています。
まあ、ギリギリ許容範囲かもしれませんが、ネット上の『口コミ』なども結構、調べてみると仕掛けている企業や団体があったりしますね。タイアップとして称して、TVとラジオ、ネットに雑誌のメディアミックスなんてまさにやらせの温床ですから・・・笑。まあ、分かっていて楽しんでだまされているなら、いいのですけど。
Posted by alice-room at 2006年12月01日 00:07
こんばんは。
価格.comではかなり辛らつなやり取りをよく目にします。
メーカーの手先と思しき人々が自社の製品を持ち上げ
他社のものを叩く。
当然多くの人から集中砲火を浴び炎上していることがほとんどですが、、、
Amazonではそういう攻撃はめにしませんね。
(幸いなことに)
Posted by bonejive at 2006年12月01日 22:54
bonejiveさん、こんばんは。価格.comでそういうのあるんですか。あのサイトは時々、値段は見るのですがコメントをほとんど読まないので今まで気付きませんでした(苦笑)。
最近、よく「祭り」や「炎上」と称して集中砲火を受けてるところありますよねぇ~。それなりにそうされるだけの理由がある場合もあるのでしょうが(のまねこの件とか)、バランスのある自浄作用の範囲内にして欲しいですね。本当に心から思います。
Posted by alice-room at 2006年12月03日 00:51
うーん、どこに書こうかと迷いましたがダ・ヴィンチ・コードつながりってことで・・・・
alice-roomさん、ご存知ですか?
クリプテックスが買えるのを!

http://www.cryptex.org/
素材も選べるみたいです。あと番号とかも。
注文殺到で即買うのは無理みたいですけど。
欲しい。でも、どの番号にしようかな~
スイス銀行に秘密口座を持つには0の数が
足りないし(笑)


Posted by OZ at 2006年12月04日 04:43
OZさん、こんばんは。へえ~教えて頂いたサイトのものは知りませんでした。うちで以前、紹介したのは別なものみたいですね。
http://library666.seesaa.net/article/4178397.html

OZさんが紹介してくれたものの方がずっと良さそうです。確かにちょっと欲しいかも(笑顔)。

そうそうスイス銀行には同じく私も預けるものがありませんが(苦笑)・・・最近のアングラマネーはスイス銀行以外のところに預けるそうですよ。スイス銀行は、従来の秘密主義的な態度を改め、国際的な政治犯などの場合は国際的な圧力に屈して口座を支払い停止するようになり、人気が落ち目なんだそうです。

まあ、お金持ちのお話ですけどね。
Posted by alice-room at 2006年12月05日 20:08
あ、あるんですね、他所でも。
興奮して先走ってしまいました。
スイスの人気下落に関しては読んだことがあります。
最近はケイマン諸島なんかですよね?!
チューリヒでバイトしていた間はあっちこっちにプライベートバンク見つけて、数にも驚きましたが、雰囲気が独特です。最低預金額が一億円ですから、選ばれた顧客があいてですので間口が狭かったり。
中は覗けません。おっと閑話休題。失礼しました。
Posted by OZ at 2006年12月06日 05:46
ケイマン諸島ってTAX HEAVENから税金逃れの法人の方が多いかも? ちょっと意外な国であるみたいですよ~。

おおっとプライベートバンクですか~。金融資産だけで一億円以上でしょう。不動産や動産以外ですから、既に前提条件が違いますね。ほんとあやかりたいです(笑顔)。
Posted by alice-room at 2006年12月07日 18:47
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