
いつも行ってる西洋美術館の常設展で木版画をやっていたので見てきました。


「トラヤヌス帝の裁き」

「パリスの審判」
あの三美神の誰かを選ぶというアレ。
ふと、シャティイー城のコンデ美術館で確かラファエロの作品を観たことを思い出しました。
結構、寸胴型の体型ですよね。
天使は後ろ向きで誰を射るのでしょうか?


ヤマタノオロチのような、この頭いっぱいはヒドラでしょうか?



ひざまづいた王に足を接吻させて戴冠を受ける尊大な教皇。
本作含めて、死に連れ去られる人々(カトリックの聖書職者達)を描いた4作品です。
解説にありましたが、明らかに宗教改革時に行われたカトリック批判の意図アリアリだったりします。

信者に免罪符を売りつける枢機卿。

子羊(信者)達から連れ去られる豪奢な服を身にまとった司教。

禁欲生活を送っているはずなのに、肥え太った姿の修道院長。

捕縛されるキリスト。


ピラトの前に引き出され、尋問を受けるキリスト。

キリストの鞭打ち。



磔刑。
左端にある A のマーク。
版画の作者名の頭文字ですね。以前見たデューラーの D の
マークみたいです。
現在なら、キャラクターの○Cマークに似ていますが、当時海賊版出まくりでその規制はなく、意味もないでしょうから、作者のプライド or 宣伝でしょうか?
かなり・・・目立ってます♪

十字架降下。

エジプト逃避。

キリストの変容。

マリアのエリザベト訪問。

キリストの降誕。

三王礼拝。
こういう木版画は精巧で凝っていて、文字に代わって象徴する意味を持ち、それを強烈に見る人に訴えかけていて、意匠に力があるので好きだったりするなあ~。
なお、実物は非常に小さくて本の挿絵レベル。
(あるいはそれ以下のサイズ)
今回の展示では拡大鏡が置かれていて、それで細部を見れるようにしてありました。
良い工夫だと思います。
私は、写真に撮って拡大しましたけどね。
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