2006年12月06日

「霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿」田中芳樹 講談社

kirinohoumon.jpgいつもどおり、そつなく楽しく大変無難というと失礼かもしれませんが、安心して楽しめました。舞台が舞台なんでお約束の破壊活動は、やや控えめでしたけどね。まあ、珍しく女王様の忠臣が怪我をしてしまっているのですから、さすがのお涼様も臣下への思いやりで手加減をされたというところでしょうか。

ただ、相変わらず若干誇張した(そして健全な)批判精神は健在です。昨今、いじめで自殺するなどという悲しいお話がありますが、是非そういう人に読んで欲しいぐらいです。やられたら、どんなことをしてもやり返せねばいけません。だって生きていくとは勝つことですから!

どの世界に生存競争があるんで勝たねばならないのでしょう。まあ、みんながお涼様になったら、世界は崩壊するかもしれませんが・・・(笑)。ただ、いい意味でストレス発散になる小説だと思います。水戸黄門よりも勧善懲悪であり、主人公がおじいさんよりも妙齢の美女の方がいいのは、古今東西を通じて自明でしょう♪

私的には、そこそこ面白かったです。読んでおいてOKかと。まあ、これ以前のオカルト的な要素はほとんど姿を消しているのでそれを求めるファンの方には、物足りないかも? でも、私には十分面白かったです。

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ラベル:小説 書評
posted by alice-room at 21:28| 埼玉 ☀| Comment(2) | TrackBack(2) | 【書評 小説A】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
alice-roomさん、こんばんは
>いつもどおり、そつなく楽しく大変無難
言い得て妙ですね。傑作ではありませんが、そこそこ楽しめる作品だと思います。
僕の好みは、オカルト的要素がない方が良いのですが、でもそうなると怪奇事件簿というタイトルと矛盾しますね。(笑)
お涼さま繋がりで、TBさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
Posted by lapis at 2006年12月07日 02:12
lapisさん、いつも本当に素早いTB有り難うございます。今回は私も珍しくlapisさんの記事を拝見したのを覚えていたのですが、感想を書いたところで疲れ果てTBをするのは後回しにしてしまいました(お辞儀)。

確かに今回はオカルト的要素がありませんでしたが、十分に面白かったですね。今回の場合は女装大会があったので、その点で言うならば十分に『怪奇』かもしれませんよ~(笑)。でも、本書のシリーズの場合は、既に日常と化しておりますが・・・。
Posted by alice-room at 2006年12月07日 18:56
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