2006年12月17日

マグダラのマリアの福音書(訳)

先日、ナショナル・ジオグラフィック社から出た「イエスが愛した聖女 マグダラのマリア」を読んでもうちょっと詳しい説明を欲しいなあ~と切に思った。マグダラのマリアの福音書をただ訳したり、他のグノーシス文書からの切り貼りだけではあまりにも・・・ヒドイ&手抜き。

ちょっと前に読んでいたこちら(The Gospel of Mary Magdalene:amazonへ)の方がはるかにマシ。本書の日本語訳を出してくれればいいのに・・・。

参考までに上記の本を元にして以下、訳出してみました。
マグダラのマリアの福音書の内容を大まかに知るならばこれで足りるかもしれません。

<1~6頁欠け>

<7頁>
…「どうかしたのですか? それは永遠に続くのでしょうか?」

師は答えた:
「生まれたものは全て作られたものであり、あらゆる自然の要素は互いに混ぜ合わされ、一つになっている。構成されたあらゆる物は分解されるであろう。あらゆる物はその根源に戻る。即ち、物質はその起源に戻る。耳のある者は聞きなさい。」

ペトロは師に言った。「あなたは世界の要素や事象を解釈する人になられているので私達に話して下さい。世界の罪とは何ですか?」

師は答えた:
「罪というものはない。罪を存在させるのはあなた達である。あなた達が堕落した本性の習慣によって行動する時、ここに罪がある。こういうわけで、神はあなた達の中にある。罪はあなた達の本性の要素と一緒に行動し、その根源と共に罪を再び結合させる。」

それから続けられた:
「こういうわけで、あなた達が病気になったり、死んだりするのはあなた達の行動の結果です。即ち、あなた達の行った事があなた達を遠くへ連れていくのです。耳のある者は聞きなさい。


<8頁>
「物に対する執着が自然の状態に反する情熱を生み出す。だから悩み事は体中に生じる;
即ち、こういうわけであなた達に話そう。
’調和が取れている…’
’あなたの調和がとれていないと、本来の状態の現れるものから霊感を受け取ります。耳のある者は聞きなさい。」

こう言った後、祝福された一人が他の人達みんなに挨拶して言った:
「あなたと共に平安がありますように―私の平安が生まれ、あなたの中を満たすように!
用心して、何者も「ここにあります」あるいは「そこにあります」と言うことで、あなたを誤った方向へ導かせることがないように。

というのはキリストの住まう所はあなた達の中であり、彼を求める人々が彼を見つけるのもあなた達の中である。出発して、王国の福音を述べなさい。

<9頁>
「私が目撃した以外の法を押しつけてはいけない。法によってあなた達が傷付けられないように、律法の中で与えられたもの以上の法を加えてもいけない。」
これを全て言ってしまうと、彼は旅立っていった。

弟子達は悲しみ、たくさんの涙を流して言った:
「私達はどうやって不信人者達の中に入ってキリストの王国の福音を述べれば良いのだろうか?」

彼らはキリストの命を容赦しなかったのだから、一体彼らが私達を容赦するなんてあるだろうか?」

それからマグダラのマリアが立ち上がり、彼ら全員を抱擁して同士に語り始めた:
「悲しみと疑いのままでいてはいけません。神の恵みがあなた達を案内し、慰めるでしょう。イエスは私達にこれを準備していたのですから。彼は私達を完全な人にする為に、私達を訪れています。」

こうしてマグダラのマリアは彼らの心を神の方へ向けさせて、彼らは師の言葉の意味を議論し始めた。

<10頁>
パウロはマグダラのマリアに言った:
「シスター、私達は師が他の女性達と異なり、あなたを愛されていたのを知っています。あなたの覚えていることで、師があなたに言った言葉で私達がまだ聞いたことがないことは何であろうと私達に話して下さい。」

マグダラのマリアは言った:
「私は今皆さんに話しましょう。皆さんが聞かされないでいたことを。

私は師のビジョンを見て言いました:
「主よ、私は今あなたをこのビジョンの中で見ました。」
そして彼は答えた:
「あなたは祝福されています。というのは、私を見たことはあなたの妨げにはなりません。精神がある場所、そこに宝物があります。」

それから私はイエスに言った:
「主よ、誰かがあなたに会ったビジョンの瞬間に、それは彼らが見る精神を通してでしょうか?それとも精霊を通してでしょうか?」

師は答えた:
「それは精神を通してではなく、精霊を通してでもない。その二つの間の英知がビジョンを見て、それは…

<11~14頁欠け>

<15頁>
「そして渇望は言った:
’私はあなたが落ちていくのを見なかったが、今私はあなたが上昇しているのを見ている。あなたは私に届いているので、何故嘘をつくのですか?’

魂は答えた:
’あなたは私をみなかったし、私を認めなかったが、私はあなたを見た。私は衣服のようにあなたと共にいたが、あなたは決して私のことを思わなかった。’
こう言った後、魂は大いに喜びながら出発した。それから無知として知られている、3番目の風潮(風土)へ入った。

無知は魂のことを尋ねた:
’私はどこに行くのですか?あなたは邪悪な性向に支配されている。実際、分別を欠き、従属している。’

魂は答えた:
’何故、私を判断するのですか?私は判断していないのに。私は支配されているが、自らを支配してこなかった。私は認識されていないが、認識してこなかった地上や天にあって構成されるものは全てが分解されることを。

<16頁>
「この3番目の風潮から解放されているならば、魂は上昇を続けるだろう。そして4番目の風潮の中にいることに気付くだろう。これは7つの現れがある:

最初の現れは、暗黒であり、
2晩目は渇望
3番目は無知
4番目は致命的な嫉妬心
5番目は肉体への隷属状態
6番目は舞い上がった英知
7番目は狡猾な英知

これらは激しい怒りの七つの現れであり、魂を疑問で押しつぶしただろう。
「殺人者よ、あなたはどこからきて、放浪者よ、どこへ行こうとしているのか?」

その人は答えた:
「私を悩ましたものは殺されてしまっている。即ち、私を取り囲むものは消えてしまった。私の渇望は消えていったし、私は無知からも解放されている」

<17頁>
「私はもう一つの世界の助けにより、世界に離れた。即ち、計画は消されたのだ、より高い計画によって。これ以後は、静寂へ向けて旅をし、そこでは時が時の永遠性の中にある。私はいまや沈黙の中へ行っている。」

これら全てを語った後、マグダラのマリアは黙った。というのは、師が彼女に話したのは、まさに沈黙の中においてだったからである。それから聖アンドレが話し始めて、同士に言った:
「私に話して下さい。彼女が私達に話したこれらの事についてどうお考えですか?
私はというと、師がこのようなことを言ったというのは信じられません。これらの考えは私達が知っているものとはあまりにも異なっている。」

そしてペトロは加えた:
師が私達が無知であるという最も大切なものを女性にこのようなやり方で語るというのは、どうやってありえるだろうか?私達は我々の習慣を変えて、この女性に耳を傾けねばならないのか? 師は本当に彼女を選び、私達よりも彼女を好ましく思ったのだろうか?

<18頁>
それでマグダラのマリアは泣いて彼に答えた:
「同士パウロよ、あなたは何をお考えでしょうか? これは全く私の想像で、私がこのビジョンを作ったと信じておられるのですか? それとも私が私たちの師にすいて嘘をついたりすると信じておられるのですか?」

ここで聖レビは大きな声で話した:
「ペトロよ、あなたはいつも短気で今も女性を否定しているのを見ている。まさに私達の敵対者達がするように。しかし、師が彼女を相応の人とされていたなら、彼女を拒否するというあなたは何者であろうか? 確かに師は彼女をよくご存知だった。私達より以上に彼女を愛されていたので。それ故、私達を償わせ、完全な人にした。そして師は私達の中に根を下ろすことができた。」

私達が求められるように私達を成長させ、福音を広める為、出発させた。復活の証明をされた以外、どのような規則も法も規定しようとすることなしに。

<19頁>
聖レビはこれらの言葉を言ってしまうと、彼らはみんな福音を広める為に出発した。

~マグダラのマリアによる福音書~
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posted by alice-room at 15:35| 埼玉 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 【備忘録A】 | 更新情報をチェックする
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