2005年04月20日

ラッツィンガー枢機卿。バチカン教理省の長官を務め、「教義の番犬」の異名を取る

いくらなんでも記事にこういう表現もどうかと思うんですけどね、日経さんも思い切った書き方しますね。
新法王にラッツィンガー枢機卿・「ベネディクト16世」に(日経ネットより転載)
【バチカン市=野沢正憲】ローマ法王庁(バチカン)は19日開いた法王選挙会(コンクラーベ)で、ドイツ出身のヨゼフ・ラッツィンガー枢機卿(78)を第265代のローマ法王に選出した。ラッツィンガー枢機卿は新法王名としてベネディクト16世を名乗ることを宣言。カトリック11億人の頂点に立つ法王は、ヨハネ・パウロ2世に続いてイタリア以外の国から選出されることとなった。

 ラッツィンガー枢機卿は19日午後、4回目の投票で、当選に必要な全体の3分の2(77票)以上の票を獲得した。今回のコンクラーベは有力候補者が多く、開始前には混戦も予想されたが、結局伊メディアなどで下馬評が最も高かったラッツィンガー枢機卿が基盤である保守派を中心に票を取りまとめた。

 ラッツィンガー枢機卿はドイツの保守派でヨハネ・パウロ2世の右腕。バチカン教理省長官。1960年代の第2回バチカン公会議で神学の顧問として名を挙げ、1977年にミュンヘン・フレイジング大司教となり、同年以降枢機卿を務め、枢機卿会では現在首席を務めており、今月8日のヨハネ・パウロ2世の葬儀も主宰した。

 81年からヨハネ・パウロ2世の死去まで、カトリックの教義や道徳の保持を担当するバチカン教理省の長官を務め、「教義の番犬」の異名を取る。教義には超保守的と言われ、他宗教・宗派を認めない姿勢も強い。このためヨハネ・パウロ2世が進めた「異宗教との和解」は滞るとの見方が多い。

 19日午後5時50分(日本時間20日午前零時50分)ころ、投票の行われたシスティナ礼拝堂の煙突から白い煙が上がった。約15分後にサンピエトロ大聖堂の鐘が鳴り響いて新法王選出を告げると、広場に集まった群衆からは大きな歓声が上がった。 (02:16)
上記、転載文中の下線は私が引きましたが、改めてすごいですよね。「教義の番犬」なんて表現は。いささか良識ある日経にしては、事実としてもちょっと問題のある表現に思えるのですが・・・???(私だけかな?そう感じるのは)

勿論、私は非キリスト教徒ですけどね。どちらかというとアミニズムの方がすっきりくるタイプですね。大きな岩や滝とかに原始的な神聖さを覚えるタイプ。まあ、それはおいといて。ちょっと驚いたもんで一言。

関連リンク
新法王は「教理の番人」 カトリックの伝統重視CNNサイト

関連ブログ
新法王にドイツのラッツィンガー枢機卿を選出=コンクラーベ
オプス・デイ創立者、列聖へ  カトリック新聞これを行っているのが、まさにラッツィンガー枢機卿でした。教理聖省の管轄だから、当然なんですけどね!

ラッツィンガー氏の著作や対談の本、読みたいけど…高い!(涙)
信仰について―ラッツィンガー枢機卿との対話(amazonリンク)
典礼の精神現代カトリック思想叢書 (21)(amazonリンク)
posted by alice-room at 03:25| 埼玉 ☁| Comment(9) | TrackBack(10) | 【その他】 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
alice-room様、はじめまして。Namiと申します。TBびっくり&ありがとうございます。この日経の記事は、たぶんロイター通信の表現を日経の記者さんがそのまま転用したのかなと思うのですが…、違っていたらごめんなさい。
それにしても「教理の番犬」という表現はすごいですよね…。彼はもともとはリベラルな人だったそうですが。
Posted by Nami at 2005年04月21日 01:24
Namiさん、コメント有り難うございます。ちょっと表現がキツイですよね…。他の所の記事では、「教義の番人」と訳されていましたが、恐らく慌てて翻訳&校正したんでしょう。

常識的に見て、適正な訳だとは思われませんし、新法王を間違っても番犬呼ばわりは…どうでしょう?ロイターもこんな訳でした?たぶん、あとでクレームがあって修正するかもしれませんね。

そうそう、この方は元々はリベラルだったようですが、60年代以降の状況から徐々に保守の方へ向かわれたようですね。いろいろ悩まれたのではないでしょうか…?勝手な推測をするのは失礼かもしれませんが。
Posted by alice-room at 2005年04月21日 04:05
はじめまして、こんにちは。TBありがとうございます。

私は、毎日放送系TVで「神の番犬」と聞き、後のニュースで、他の異名も知りました。

私はキリスト教徒でないので、詳しいことは、知りませんが、超保守派だからこそ、そういうあだ名(?)が、ついていたのだな~と、納得していました。(超保守派という表現も、どこかのTVで流されていました)

そうなのですか・・・失礼なのですか・・・。
Posted by ミカ at 2005年04月21日 09:44
ロイターの日本語版では「教理の番犬」となっていました(ソース)。
英国版、米国版では「a triumph for the dogmatic」と書かれていたので、これの訳でしょうか?(UK版ソース、US版ソース)

法王という立場になったことで、また彼の思想的な部分も。これまでとは変わってゆくかも知れませんね。
Posted by Nami at 2005年04月21日 10:56
すみません…。タグはダメなのですね。
日本語版のアドレス、書いておきます~。

http://www.reuters.co.jp/newsArticle.jhtml?type=worldNews&storyID=8232172§ion=news
Posted by Nami at 2005年04月21日 10:59
Namiさん、更に詳しい情報どうも有り難うございました。改めて見てみましたが・・・、う~ん、どうしても私にはいささかマイナスのイメージを受けますね。私の勝手な思い込みかな?でも、番犬というと更に主人がいるわけで、その言いなりの忠実な部下というニュアンスを受けるんですけどね・・・???

それはそうと、人は立場や環境によって変化していく存在ですから、おしゃられるように新法王も時代の要請に即して変わられていくかもしれませんね。いい方向に。
Posted by alice-room at 2005年04月21日 16:23
ミカさん、こんにちは。う~ん、私も宗教関係はうといのでよく知らないのですが、上のコメントにも書いたのですが、日本語としてあまりいい意味では使わないような気がします。

日本の海外情報の報道の常として、ロイターや共同通信とかが配信しているニュースを契約して買って、それをそのまま流すので、最初の訳が「番犬」になっていたのをそのまま、チェックもせずに流しているのだと思います。AP発共同、なんてのもその類いだと思いました(たぶん?)。

どこも自前の取材ってしないですから、コストがかかるので一部のメディア以外は、結構お粗末みたいです。ちょこっと、事務所はありますけど。
Posted by alice-room at 2005年04月21日 16:28
信仰について―ラッツィンガー枢機卿との対話は、ドン・ボスコ社より出版されています。詳しくは、ドン・ボスコ社ホームページの書籍・出版の所を参照。

税込価格 1575円 

ISBN 4-88626-095-0

2005年4月24日 第2版発行

また、
オプス・デイ創立者、列聖へ  カトリック新聞これを行っているのが、まさにラッツィンガー枢機卿でした。教理聖省の管轄だから、当然なんですけどね! 
に関しては、列聖省が管轄でして、教皇が最終的に承認を致します。ちなみに教理聖省は、教義や道徳などを正しく守ることを促進することが管轄です。 


Posted by しょうたろう at 2006年01月12日 19:45
しょうたろうさん、こんばんは。情報有り難うございます。ドン・ボスコ社実は時々行っていたりします。去年は、あそこで本を買ったらラッツインガー氏のラミネート写真を頂いてしまい、ちょっと驚いた記憶があります。あそこは興味深いですね。
教理聖省は、今でもドミニコ会派が占めているようですね。長年の伝統からでしょうか?
Posted by alice-room at 2006年01月12日 22:06
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