2012年12月23日

「僕とツンデレとハイデガー」堀田 純司 講談社

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まあ、最近はありとあらゆる堅めの本の入門書、解説書にこの手の萌え系イラスト&漫画調(ラノベ風?)を採用したパターンがあふれていますが、本書もその手の本の一種。

あるのは知っていたけれど、あまりこの手のを読んだことがない為、いささかの偏見が真実か否か、自分なりに試してみようと読んでみました。

しかしねぇ~。
解説を女子高生がしてくれるのは、いいのだけれど、どうにも設定が無理矢理過ぎて、且つ不自然すぎて、いくらなんでもありの萌え系&ラノベ風でも酷過ぎる(号泣)。

仕事をしているサラリーマンが突然事故にあい、頭の中がどっかの異世界に飛ぶ。
既視感はあるものの、実際の経験とは異なる学生時代。イデア学園へ。

次々と現われ、哲学を分かり易く解説してくれる女子高生がそれぞれの代表的哲学者の顕現っていうのだけれど・・・・、ナンダ、コレっ?ってのが正直な感想。

そんな無駄且つ、無理な設定をしなくても淡々と解説を女子高生がするのでいいと思うのだけれど・・・全く本書の設定は意味がなく、しかも萌えないので個人的にはイラついてしまう。う~ん、残念!

さて、肝心の哲学の説明なんだけれど、まあ、シンプルにしてあると思う。
伝えようとしている内容は、伝わっているかとも思う。

ただ・・・哲学に関心がある奴なんて、多かれ少なかれ、細部にこだわり、ロジカルなものを求めるものだと思うのですが、本書がロジカルかどうかというと・・・ね。

既存の哲学の考え方に問題があるから、それを克服し、乗り越えようとして新しい考えが生まれるわけですが、その前提部分(=既存の哲学的思考)の十分に説明せず、相当はしょっている為、新しい考え方に説得力がないのです。

つ~か、論理的に穴だらけの説明で正直酷くない?
読んでいてそこばかりが目につき、肝心の哲学の説明部分に行き着く前に、『論外』って感じで受け入れが困難になってしまいました。


そりょ、必要な部分を大胆に省き、細部の緻密性を無視することで簡明さを生み出そうという趣旨は分かるのですが、全体として本書、ゴミかと・・・・。

著者の作品の傾向からしても、ご専門でもないのに、萌え系の解説書ってな感じで出版社から企画があったらか書いちゃった感がありませんかねぇ~??? 専門家が書かれた入門書ではないかと。

素人が素人向けに、同人誌で作っちゃった感満載だったりします。
哲学者の名前を日本風にもじって、更にその顕現とか言っちゃったりして、なんか赤面しちゃうんですけど。

本屋で建築基準法を萌え系の女の子が説明している、しょーもない本あったが、あれ以上に駄目駄目かと(内容読んでないので比較できませんが)。

まあ、私は中世哲学だけで十分です。
それ以降の哲学が建築に体現され、しかも私が感動に震える建築があれば、その哲学を理解したいと思いますが、そんなもんないしね。今のところ。

スカイツリーや都庁、関口教会とか、単なるタテモノでしかないし、そこに思想性や神秘性の片鱗さえない。
まだ古代の出雲大社の方がいいね。先日、東博で見たあの巨大柱の方がはるかに素晴らしい!!
 
本書は誰にも読まれずに消えていく部類の本かと。
【目次】
第1章 ルネ・デカルト
月曜日 神の存在を証明しよう
第2章 ベネディクトゥス・デ・スピノザ
火曜日 人にとって人が一番大切なもの
第3章 ジョージ・バークリ&デイヴィッド・ヒューム
水曜日 存在するとは、知覚されることである
第4章 イマヌエル・カント
木曜日 天なる星空と、内なる道徳法則
第5章 ゲオルグ・ヘーゲル
金曜日 世界は、絶対知へと向けて発展する無限の運動である
第6章 フリードリヒ・ニーテェ
土曜日 神は死んだ。しかしなにも変わらなかった
最終章 マルティン・ハイデガー
日曜日 世界がなければ僕たちもいない。
そして僕たちがいなければ世界もない。僕たちはひとりじゃない
僕とツンデレとハイデガー(amazonリンク)

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ラベル:書評 哲学
posted by alice-room at 09:57| Comment(0) | TrackBack(0) | 【書評 未分類B】 | 更新情報をチェックする
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